制裁探偵事務所―蒼― 『霞ヶ月のかぐや姫』1
「お早うございます――姫様」
どこか、世界とは異色の雰囲気を醸し出す、竹林の中心に、一つの小屋があった。
その小屋には、一人の、白髪の美しい女性と、着物を着た、男性の姿があった。
「ん、おはよう、暮」
女性は、寝巻きと言える格好をしており、まだ寝ぼけているように、顔を洗いに行った。
「姫様、私から言っておきながら、誠に申し上げにくいのですが、もうすでに、正午を過ぎております」
「えー、うっそ、マジ!?」
言葉とは裏腹に、あまり驚いていないようだ。
「―それ、何回目だっけ?」
「最初から、数えてはいませんでしたが・・・少なくとも、3ヶ月と14日、連続でこの時間帯に起床されております」
「んー、ちょっとはあたしの健康にも、気を付けないとねー」
と、そこで彼女が異変に気づく。
「ん? あれ、あの子は?」
「あの子、ですか? 私は見ておりませんね――」
「「はっ」」
と、その場にいる二人は、あと一人いるはずの子がいない事に気がついた。
これが、全ての事の発端。それはとても小さな、失踪だったのである。
■ ■
その日の朝、制裁探偵事務所、蒼の所。
「おっはよーございまーっすっ!!!!!!」
「・・・な、なんだ監視長――やけにテンションが高いなぁ」
「んっふふ、うふふ」
人間の頬はそこまで上がるのか、と思わせるほどにやにやしているのは、恋を操るスタイルと、スタイルを作り、消すスタイルを持つ、リィアーク=ホワイトアウト――監視長である。
「・・・・・・」
そんな監視長のことを『夢喰い』と呼び、長い間、ずっと監視長と檻をまたいで過ごしてきた、1000000のスタイルを持つ、狂兵器こと、闘々龍萌九頭は、苦笑いで受け止めた。
「ふぅあぁ、おはよー。ってあれ、皆早いなぁー」
今更起きてきたのは、戦闘要員として、炎を操るスタイルを持つ、男装少女(?)、遊炎魔こと、太刀風火奈兔だ。男装、といっても、すでに皆にはバレているのだが。
「ヒナちゃん、せめて寝癖直してきて・・・」
そう冷静にツッコミを入れるのは、まだ中学生にも満たない、小さい男の子――だが実力は、先の狂兵器、萌九頭とタメをはれる程度――器用さを操ることができるスタイルを持つ、狐こと、砂滑海だ。
「うん、とりあえず朝食にしようか、ブレイクファーストね」
キッチンで卵焼きを作っている、優しげな顔の男性。他の人たちとは違い、確実に成年している。彼こそ、この事務所のリーダーであり、未だ不明のスタイル、静蒼無双を持つ、蒼こと、争谷蒼である。
そんな個性的な面々のこの事務所。
今日は、特別な一日になるようだった。
ピンポーン
インターフォンが鳴り、監視長が取った。
「はーい」
「ここは――制裁探偵事務所、でよろしいですかっ!?」
妙に息が上がった、女性の声。
「は、はい――そうですけど・・・」
「あ、あぁそうだっ! い、依頼です!」
「お、落ち着いてください! 依頼ですか?」
「そうですそうですそうなんです! 実は―――」
「詳しい話は中でします、とりあえずそこの階段を――」
そのやり取りの後、ドタドタとすごい勢いで走って来る音がして、バタン! とドアが開いた。
「この事務所が――『神技』を取り扱う所と聞いて! 来ました!
あたし、三日月 かぐや という者です!!」
その姿はまさしく、あの有名な物語の『かぐや姫』と想像がつく姿であった。
すこし書き方を変えてみました。どうでしょうか?
前まで⇒
どこか、世界とは・・・
今回⇒
どこか、世界とは・・・
一文字分、開けてみたのですが、読みやすくなったでしょうか?
よろしければ、意見をいただければ幸いです。




