表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
39/96

放火魔の場合(中)


「あーあ、俺様もさぁ――まぁ放火魔として結構長い間こっちの世界を生き抜いているわけなんだけどさ?お前みたいな超絶ぶっちぎりのド級バカは初めてだわ、うん。正直俺様驚いてるもん。デカルチャーデカルチャー。まぁ俺様がすごいって思ったのはそれだけかな。だって――」


場所は長野。

山の奥の奥の奥の奥の奥の奥の方。


「こんな中学生にも満たないような幼い子供が――俺様をとっ捕まえよーなんて」


ボロボロのなった小学生――否、海がそこに倒れている。


「一千万光年早いんだよ、ボケが」


はて、光年は時間を表す単位だったか、と海は思考する。

「でも、戦いの腕――っつうか器用さだけは認めてやるよ。お前、なんであんなえげつねぇことできるんだ?普通の人間にゃできねぇだろあれは、あ、そうか、お前もこっち側なんだな。あーあ可哀想に・・・こっちの世界にもこんな子供が存在するなんてな」


先程から何やら海に語りかけている人物は、学ランを着ていた。

フード付きのパーカーの上に真っ黒の学ラン。

見るだけで暑くなってくる格好だが、問題はそこではない。



その人物の両手の上には――炎が燃え盛っている。



火の玉が、まるで意思を持つかのように蠢いている。

「きゃはは、でもまぁ残念だったな。相手が悪いよ、ったくこうならないためにわざと証拠残したり派手に燃やしたりしてるんだけどなぁ・・・」


海は動かない。

いや、動けない。

動けばまた、例の攻撃が来る。

そのために、動かずに喋る。


「・・・集合する時間ぐらいは、稼げたって感じかな?」


そして不敵に笑う。

「あ?何言ってんだお前――」と、言葉を遮ったのは、驚くべき光景を目にしたからだ。


海の体が、割れた。


まるでガラスのように。

「な?なァ?」

驚くその人物。


そして飛び散ったガラスの破片のようなものが光を反射する。


その光の向こうに――

「『硝子の模造ショートカットマリオネット』」

「『標的と遭遇したとき』」

「『自らの分身を作り、意思をを半分残すことができる』」

「百万分の一のスタイルだ」

制裁探偵事務所の、争谷蒼、砂滑海、監視長、闘々龍萌九頭の姿が。


勿論、海は傷ついてなどはいなかった。


「なっ、何なんだお前ら!」

人物は怒鳴る。

「制裁探偵事務所」

蒼が短く答え

「以後、お見知りおきを」

監視長が笑顔で言う。


「俺様に何の用だ!?成敗しにきたのか正義の味方か!?」

「ちょっと違うかな、僕たちは君をスカウトしに来たんだ」

「あぁ?スカウト?」

「・・・そうだ、無論お前の腕前を買っているんだ」

「・・・」

「話だけでも聞いてみない?」

「遠慮しとくよ、こう見えても結構怖がりなんだ。俺様は」

「まぁまぁそう言わずに」

「はっきりとは分からねぇが――俺様の直感が言ってる。関わるなってな」

「あながち間違ってはいないけど・・・だからこそ君の力が必要なんだ」

「それで?まだお前らが誰なのか俺様は知らないんだが」

「あぁこれは失礼。俺は争谷蒼」

「僕は砂滑海だよ」

「私は・・・監視長って呼んでくれたら嬉しいです」

「俺は闘々龍萌九頭だ」

「蒼、海、監視長、萌九頭ねぇ。面白い名前ばっかりだな」

「・・・」


「じゃあ俺様か――俺様は人呼んで『遊炎魔(フレイム)』!太刀風(たちかぜ) 火奈兔(ひなと)っつうんだ」


「火奈兔くんだね。いい名前だ」

「はん、そうかい」

「それで、名前を聞いたってことは了承と受け取っていいのかな」

「いいや」

火奈兔は首をゆるりと振った。

「その考えは甘いぜ蒼さんとやら――俺様はやりにくいから名前を聞いただけだ」

「やりにくい?」


「ああ。やっぱこういう時漫画とかってこうなるだろ?」

火奈兔は右手を前に突き出し、指をくいっと曲げた。



「俺様を仲間にしたい?だったら簡単だ、この俺様に勝ってみろよ」



「4対1でいいのかい?」

「あぁいいぜぇ?今日の俺様は久しぶりに期限がいいんだ。さぁ来い!この俺様を屈服させてみろ!」

「分かりました。そこまで言うのなら」


長野の山の奥の奥の奥の奥の奥の奥の方。

そのバトルは静かに激しく開始された。





更新が途切れ途切れだというのにたくさんの方々に読んでいただき、誠に恐縮です。

これからも制裁探偵事務所をよろしくお願いいたします。m(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ