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間話(9)


爆発した邸をほったらかしにしたまま、彼女達は事務所に戻っていた。


「まぁ大方予想はつくけどよ・・・やっぱ事務所入りするのかよ」

命が毒づく。

「ああ、明日来日凪沙ちゃんは、仲間だナカーマ」

紅が笑いながら答える。

その口には唐辛子が。

「紅さんのスタイルの件はどうするんですか?」

「ああ、私か?でも、一人くらいは同年代の娘も入れとかなきゃなぁ」

横目でいやらしく命を見る紅。

「はん」と命はどこ吹く風のようだが


「では、三度目となりますが、自己紹介させていただきます」


凪沙は、もう知り合っている仲でありながら自らを紹介することに少し照れを感じているが

「明日来日凪沙です。紅様によれば、わたくしにはスタイルがあるということで」

「俺も、少しは感づいていたよ」

「そうなのですか?」

「あぁ、まぁどうせチートみたいな能力なんだろうけどな」

「チートと言えばチートですね」

「そうなのか」


「スタイル名『白黒暴徒(チェックメイト)』(紅命名)・・・『エプロンドレスを着用しているとき』『ありとあらゆるものを使いこなす』ことができるらしいです」


「やっぱりチートじゃねぇか」

「チートチートうっせぇな命くんよお、そういや命くんちょっと質問があるのだが」

「なんすか」

「あの萌九頭くんと遣ったそうで」

「・・・随分と情報が行き交ってますね」

「まぁな、で、そのときお前条件整っていないくせに『英雄(ヒーロー)』を使っていたそうじゃねぇか」

「・・・」

「そのところどうなんだよ」

「いや、まだ俺にはさっぱりですね・・・自分のことですけど」

「はっ、まあいい・・・それで?幸くん、もうそろそろ君も自分のスタイルの正体表しちゃったらどうなんだ?」

「僕ですか?」

「そうだよ、まだ私も知らないんだ」

「・・・そうですね『頼まれたとき』『自らが拒否するまでの間、罠師として行動できる』とかですか」

「頼まれたとき?じゃああの時もか」

「あれはおじいちゃんの土地でしてね。部外者から守ってくれと言われていたものですから」

「なるほどな」


そこまで話した時。

平和な時間が過ぎた後――


ドタドタドタドタ、バタン!


ドアが乱暴に開けられた。

「はぁ・・・はぁ・・・」

そこに居たのは――――争谷蒼と、その一行だった。


「ハロー、マイハニー・・・」

「ブルー・・・どうしてここに」

「ちょっと色々混みあった事情があってな、いいか」

「あぁ・・・」


言うまでもない。

彼ら、蒼達は、彼ら自身の事務所を破壊された直後で、この事務所にやってきたばかりなのだから。


「・・・と」

さっきまで送っていた日常を説明する。

事務所が破壊されたところから、齋藤樹のところまで。


「なんてことを・・・」

紅は顔面を蒼白させる。

「事務所を爆破するなんて・・・」

「ありえないだろ?だからこそ、(マスター)の仕業だと思うんだ」

「そこは否定しないけどよ・・・」

紅は見渡す。

その空間には、紅と蒼の他に――

命と幸と凪沙と海と監視長と萌九頭がいる。

「まさかお前――」

「ああ」

蒼は、これ以上ないほどはっきりとした口調で言う。


「齋藤樹を、打破する!!!」


「なっ――」

紅はさらに顔を青くする。

「馬鹿じゃねぇのか!?てめぇ!!あいつに刃向かうというのは無謀っつうんだぞ!!!」

「いいや」

首をゆるりと振る蒼

「前のようには行かない、行くわけがないんだ」

「な、なぜそう断言できる」

「こんなにも――仲間がいる」

「・・・・・・」

紅は深く考えるような顔をして

「しばらく、考える」

「有難う」

「そんで―――その」

こんどは顔を赤くしながら、ぎくしゃくの日本語を話す紅。


「ま、まぁなんだ?これからはまた一緒に行動するんだ・・・そ、その」

顔を真っ赤にして

「よ、夜露死苦ッ!!!」

「・・・」

唖然としたような顔を蒼は浮かべ、笑い


「ああ、よろしくな」


と言った。


その日は解散。

彼らの数少ない自由時間となった(休暇ではない)



「・・・・・・いや、まぁ事務所に人が増えるのは悪いことではないよな?でもよ―――」

そこは命の部屋。

「ここに集まる必要はねぇだろうがよおおおおお!!!!」

そこには、紅と蒼を除いた6名が存在していた。

「流石にこんな量は用意してねぇよ!馬鹿かお前ら、馬鹿なのか!?」

「そう取り乱すことは無いよ命さん」

「あぁ?幸、てめぇが一番この部屋の利用回数が多いんだよ!たまには自分で料理くらい作りやがれ!!」

「・・・僕は料理が苦手なんですよ」

「知るか!!」

「命さん、そんな怒らないで、料理なら俺も手伝いますから」

「いや、いいよもう・・・ありがとな、優しいなお前は」


「命様」


ここで口を開いたのは、凪沙だった。

「新入りですか?命さん」

「あ、あぁ明日来日凪沙って言ってな、フランスでメイドしてたんだ」

「フランスで・・・」

「料理でしたら、わたくしも手伝います」

「い、いやいいって」

「手伝います」

「あ、はい」


凪沙の迫力に気圧され、命は台所を凪沙に貸すことにした。



そのころ、紅と蒼は――一緒のベッドで寝ていた。

「なぁ紅?」

「うん?」

「最終目的が(マスター)の打破として、俺たちに足りないものって何かな」

「・・・私の事務所には攻撃が3人もいるぞ」

「あぁ、命くんと日露璃くんと・・・あのメイド服の娘もかい?」

「そうだ。それに対してどうだ?蒼達の事務所には攻撃専門は何人いる?」

「・・・俺を省けば、萌九頭くんだけだ」

「うん、ちょうど数に差も付いたし、もう一人くらいスカウトしたらどうだ?」

「・・・そうだな」


そして淡い明かりが消され、事実事務所内の全員が就寝した。



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