間話(7)
あれから、何ヶ月経った?
ほんのりと暖かい日差しと、強く吹く爽やかな風を体に浴びずにおれは思う。
「・・・」
久々に、窓を開ければ、部屋から見える景色は変わってはいなかった。
残念
「しかし・・・」
あれから、何度か出動した。
狼男『フェンリル』として
そして、その全てがあいつによって監視されていた。
命だ。
「あんのやろぉ・・・」
とは言っても、バトルに直接関与したわけではないし、相手には見えないような場所にいたから、いいのだが
「ったく・・・」
しかし、問題はそこではない。
今となっては―――
「ヒロくん、お友達がお菓子置いていってくれたよ」
この始末だ。
「・・・・・・」
家族からの言葉を無視する。
そして、階段を下りる音が聞こえた。
しばらくして、ドアを開けてみれば、
それは、お菓子の包装をされたドッグフードだった。
カッチーン
「次会ったら一応殴っておこう」
そう心に決める。
おれは犬ではない、狼だ。
とは言っても狼男なのだから、こんなものは食えない。
・・・・・・
でも、一応、食べてみようかな、興味は、無いわけでは、ない
「・・・」
ピンク色の物体を、一個、口に放り込む。
「・・・!」
こ、これは・・・
これはなんとも―――!!!!
と、そこで
『なぁにやってんすかオートさん』
彼女の声が入った。
『あー、ついに家族にも見放されましたか。それはかわいそうに・・・同情します』
「ふん・・・」
『あ!無視っすか!?無視なんですか?!あらら、このKOI。生まれて初めて無視されたです』
「それは真っ赤な嘘だ」
『それより、なんで真っ赤な、って言うんでしょうね?赤の他人とか、真っ赤な○いとか』
「それは曲名だろ、さぁな、知らねぇよんなもん」
『ですよねー』
言うまでもなくこいつはKOIだ。
前より少し成長してやがる。
「むぅ、で、なんだったかな」
『何がですか?』
「いや、なんでもない」
・・・・・・
ただ、まぁ、今んところはこんなところだな
■ ■
「こ、これが本当にあの日露璃くんなのか?」
「間違いないでしょうな、私の目に狂いなどありはしません」
「それは否定しないけど・・・私には信じられないな」
「・・・ですか、では、手始めに殺してみては?」
「殺す?・・・まぁその手もあるってことを承知しておくよ」
「よろしい」
そこは、超高級ホテルとも言うべき超高級なホテルである。
その一室。
防音設備やセキュリティが最も多く配備されてある最上級の一室。
そこには、一人の老人と一人の女性と一人の男性が対峙していた。
「少なくとも俺は、信じる他ないと思うな、なにせ主が言ってるんだよ?」
男が言った。
「でもなぁ、彼の声は確かに同じっぽいけどなぁ」
女が言った。
「声だけで判断するのはまだ早いですよ、萌九頭くんのような例外もいることですし」
老人が言った。
「でもなぁ・・・」
女が言った。
「証拠映像がこれだけってのは案外寂しいものだよな」
「仕方がありませんよ、これでも命を使っているのですから」
「使って、ねぇ。俺はあなたほどその言葉が似合う人を知らないよ」
「褒め言葉として受け取っておきましょう」
「・・・単なる嫌味だよ」
言って、男は立ち上がる。
「それじゃあ、俺はここで帰るとするよ」
「あ、じゃあ送っていってー」
「なんでだよ、お前の自慢のランボルギーニがあるんじゃないのか?」
「別に自慢じゃねぇし、あんな目立つ車をホイホイ乗り回すアホがどこにいる」
「ここだ」
「・・・」
「わかったよ、ほら」
ヘルメットを投げる。
「では、これで報告は以上です。わざわざ集まっていただきありがとうございました紅、蒼」
「「いえいえ主」」
バタン、と扉が閉まった。
この会話は、ここで途切れた。




