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狼男の場合(中)


「が・・・くそ、お主」


そこには、傷だらけ血だらけになって倒れている大きな鳥と

口から血が滴り落ちる大きな狼がいた。


「手を・・・抜いておったなぁ――」

「悪いかよ、あいにく、おれは見ず知らずの相手に手札を公開するほどお人好しではないのでね」

「くっ」

「それより、あんたがコンガマトーだったとはね」

「・・・しかし、我はお主のような奴を見たのは初めてだぞ」

「そうか」

「どうやらお主は、お主自身の能力を使いこなしているようだ」

「・・・」

「ふむぅ、とんだジョーカーを引いてしまったのぅ」

「まぁ、とりあえずこの勝負は俺の勝ちってことでいいな?」

「そうだな・・・」


そして血だらけの大きな鳥は、その姿を徐々に変化させていき

さっきの大柄の男性に戻った。


ご察しのとおり、コンガマトーというのは鳥の化物だ。


「では、早く我を殺すがいいぞ」

「あぁ?なぁに言ってんだこの鳥頭」

「ぬぅ?」


おれも狼から姿を変える。


「いくらルールだからって、そんなものをおれが守る保証なんてねぇだろうが」

「お主、ルールに逆らうつもりか」

「逆らう、ねぇ。まぁよく言うじゃねぇか、『ルールは破るためにある』ってな」

「ぬぅ・・・」

「とにかく、おれはあんたを殺す気なんてない。それだけだ」

「しかし、それでは我の気が収まらぬぞ」

「んなこた知らねぇっての、あとは自殺なりなんなりすりゃいいじゃねぇか」

「・・・」

「今回は見逃してやる。だが条件に、人間を殺すな」

「ふむぅ・・・」

「わかったか?じゃあ、おれは帰るから」

「変わったものも、いるものだの」

「お互い様だっての」

「ぬ?」

「そこまでルールに忠実な輩は俺も初めて見たっつうの、どうかしてるぜ、あんた」

「だはは」


軽く笑い、おれはその場を後にした。


そして帰り道

もう少しで家というところで




命と遭遇した。




「なぁっ―――ッ!!?」

「?」

とは言っても、姿は見せていないから・・・大丈夫だよ、な?


「あ、あれ?今の声って・・・」

「――!!」


しまったああああああ!!!あの時も合成音声にすればよかったあああ

ああああ俺の完全なミスだあああああああああああくそおおおおおお


「あの、失礼ですが――」


気づかれる前に逃げろっ

「あれ、おーい!えくすきゅーずみー!!」

「・・・・・!!!!」

心の中でアイドントノウを連呼しながら走る


「この、待ちやがれええええええええ!!!!」

「―――――ッ!!!」


まじかよ!!追ってきてやがる!!!!


「――!」


まずい、こっから先に行くと月明かりに晒されてしまう!!


どうする!どうすんのおれ!!どうすんだよ!!

続きはWebで!!とか言いてぇよまじで!!


「・・・・・・」

落ち着け

とりあえず、(あいつ)を振り抜く!

右足だけを月明かりに晒す。


狼の脚力を、使う


「うおおおおぉぉぉぉぉぉぉお!!!」

・・・

あいつ、今何時だと思ってるんだ

絶対近所迷惑だろうがっての


軽く飛び跳ね、命の頭上を通る。


「おおおおおお・・・って、うお!?」


逃げろ!!



~30分経過~



「はぁ・・・はぁ・・・」

こ、ここまで来れば

「うおおおおおおおぉぉぉぉおぉぉぉぉ!!!」

「―――!!」

まじかよ!!


~さらに30分経過~


「くぅ・・・」

流石に疲れるっての・・・

なのに、

なのになんで、

なんであいつはあんなに追いかけれるんだよおおおおお!!

「待てって言ってんだろうがああああ!!!!」



~そしてさらに30分経過~



「はぁ・・・はぁ・・・」

空が白んできた・・・

俺の、勝ちか・・・


「お、追い詰めたぞ・・・」


・・・

こいつ、馬鹿か


しかし、こいつからは、もう逃げられない

追い詰められた、か


「し、失礼ですが・・・」


ここまでやっておいて何が失礼だよ



「狼男さん、で間違いないですよね?」



「・・・へ?」

ん?


「やっぱり、その声やっぱりそうだ!!」

無理やり握手させられた

「初めまして!!俺、あ、いや、僕、命って言います!!あの――」

「人違いでは?」

「えっ、ちょっと――」

その手を振り払い、振り向き、歩く。

しかし、別の馬鹿どもがその行く手を阻んだ


「おいおい、まさかそのまま帰ろうとするわけじゃあないだろうな?」

「・・・そのまさかだよ」

「えー!これはびっくり仰天でございますね!!」

「そうか、おれはお前たちの勇気にびっくりだよ」

「散々暴れておいて、それどころか我らイエティレンジャーの参謀、ブラックイエティを蹴飛ばしておいて、それはないだろう!」

「あー・・・」

そういや途中で何か蹴っちまったな

「さぁ、狼男(フェンリル)よ!!我らの挑戦を受け取るがいい!!」

「遠慮しとくよ」


「やっぱり!!」


「う・・・」

「やっぱり狼男さんじゃないですか!しかも『フェンリル』って!僕の記憶通りじゃありませんか!」

「・・・」


君ならどうする?


1,説得して(バカ)にも正体を明かす

2,全員気絶させる

3,逃げる


「・・・」

やっぱ、2だな






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