狼男の場合(上)
突然だが日露璃だ。
これを見ている皆は、UMAという存在を信じるだろうか?
ビックフットや雪男、妖精などがその部類に入るのだが
その中に、狼男というUMAも記述されている。
さて、この話は今までのように甘くはない。
ついてこれるかな?
『どこ向いてドヤってんすか』
「・・・・・・」
『オートさーん?』
「・・・うっせぇな、今ナレーションしてたんだよ」
『・・・?』
「なんでもねぇ、それよりKOI。今日はちょっと出かけてくる」
『そうですか。いってらっしゃいです』
「おう」
このおれ、日露璃は最初はそんな非科学的なものの存在は信じていなかった。
まぁ、あの群衆の仲間だったのだから当たり前か
「腐敗ねぇ・・・」
懐かしい限りだ。
あの頃のおれは、随分尖っていたからな
「ふん・・・」
でも、今夜は違う。
今は丸くなったといえど、今日は違う
「・・・・・・」
ここまで言えばわかると思うが、一応言っておこう。
俺は、狼男だ。
「・・・・・・」
あの腐敗の連中に実験体にされ、こうなった。
でも、よく聞く迷信では
『満月の夜』『狼男になる』
というような言葉をよく聞くが、俺の場合はそうではない。
『月光に晒されたとき』『狼男になる』
みたいな。
とは言っても、バリエーションというものがあるのだ。
三日月の時や、満月、半月、新月といった数々の種類の月の形に応じて変化する。
「ふん・・・」
詳しくは、内緒だ。
■ ■
外に出てしばらく歩く。
夜中の1時30分。
「寒いな・・・」
上着持ってこればよかった。
そして、暗闇を照らすコンビニに入り、肉まんを買う。
「うぅ~」
震えるような寒さだ。
まぁもうすぐ正月だから、それもそうか。
おおっと、その前に、クリスマスがあるじゃないか。
一週間後か、早いものだな。
肉まんを食べ終わり、少し温まっていると、身の毛がよだつ殺意を感じた。
「・・・・・・」
慣れているのだから、別に気にしないのだが。
せめて、別の場所にして欲しいものだ。
「―――ッ!!」
飛んできた何かを弾く。
「だはははは」
そして笑い声が聞こえる。
「UMAの中でこの初発を防いだのはお主が初めてだぞ」
どうやら、見つかったようだ。
そこに居たのは、大柄の男性。
見た目からして30代くらいだろう。
別の世界から来たのではないかと思うほど場違いな服装をしている。
マント・・・
世界観がまるで違う。
「ここじゃ、住民に被害が及ぶ。場所を替えよう」
「うぬぅ?お主、人間を庇うのか?だははは!!これは面白い!我らは人間よりも優れているというのに!」
「それはいただけないな、おれの意見としては、人間が最低まで欠陥した姿がおれ達だ」
「それがお主の考えか。うむ、意見などはぶつけ合うためにあるのだからのぅ」
「そうか?意見というのは納得するためにあるんじゃないのか?」
「だはは!面白い面白い!そこまで意見が食い違うとはのぅ!!!」
「おれは、全く面白くないけどね」
ちら、と月を見る。
三日月か・・・。
まぁ、こいつなら妥当だろ。
「んじゃま、ちょっと逃げるから、追いかけてきな」
「ぬぅ?!」
狼よりも優れた脚力で飛び上がる。
向かいのマンションの上層階まで飛び上がり、そこから家の屋根を飛び交う。
「・・・」
あいつは一体何なんだろうか。
同類だとしても、種類が分からない。
そして、ちょうどいい感じの場所へ着く。
住宅も無いし、安心安全。
と、背後から。
「お主、狼男だな?ふむ、面白い。狼男を殺るのは初めてでの!」
「誰が殺られるっつったよ、ところで、あんた一体何」
「そんなもの、自分で観察するがいい!!」
と、男は腕を振り上げた。
何かを投げるように。
「―――ッ!?」
何かが銃弾のように飛んでくる。
「くっ・・・」
「どうした狼男!先ほどのあれはまぐれだったのか?」
調子のりやがって・・・
おれはそのまま奥の森へと入っていった。
「ぬぅ逃げるか・・・まぁ正しい判断ではあるかの」
「誰が逃げるって?」
そして、そこから現れたのは、狼だった。
体長3mほどの大きな狼。
「グルルルゥ・・・」
狼の真似をしてみる。
「ふむぅ、面白い!!!」
そしてその戦いは山場を迎えることとなる。
さて皆、ついてこれたかな?
がんばっていこー




