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間話(6)


「はぁ・・・はぁ・・・」

「ぎぎぎ・・・」


彼らは記憶していた。

あれから、一度太陽が落ち、また昇ったことを


「・・・・・・くぅ」

「ぎはぁ・・・ぎぎは」


疲労困憊満身創痍


もはや、彼らの間で会話は無かった


「・・・・・・」


英雄(ヒーロー)の息が止まる。

「・・・っ!」

疲れきった体を無理やり動かし、萌九頭に突撃する。

「ぎぎぎぎ!!」

萌九頭も同じく、息を止める。


『息を止めたとき』『呼吸器官の性能が上がる』


1000000のスタイルのうちの一つ。


しかし、彼はもう覚えていない。

「ぎははァ―――ッ!!!」

彼がこの戦いの間に使ったスタイルの数を


そして二人が接近する。


「――――ッ!!!」

「――ッ!!」


言葉なんて無い。

いらない


一撃一撃が鈍い音を立てて響き渡る。

現在午後3時。

すでに27時間経過していた。


技なんてものは無い。

ただ単純な一撃を、相手にかませばいい。


「――――!!!!!」

「――――!!!!!」


二人は、そう思っていた。


「――!!」


英雄(ヒーロー)が足を滑らせた。


「くっ――」

「だらあああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」


その隙を萌九頭は見逃さなかった。


3発、蹴りをいれ、そのまま踵落としを放った。


「―――――――ッ!!!!!」


声にならない痛みが、英雄(ヒーロー)を襲う。



『踵で攻撃したとき』『脚力が格段に上がる』



ドン



爆音の後に、静寂が辺りを包む。

そして、何かが崩れる音を聞いた。


廃ビルの、屋上が割れた。


「なっ―――!!?」

驚きを隠せない英雄(ヒーロー)

「ぎははははははは!!!!」

笑う萌九頭


しかし、英雄(ヒーロー)も、そのままでは終わらなかった。


瓦礫が落ちていく間を駆け抜け、萌九頭にラリアットを決めた。


「うっ、ぎいいいいいいぃぃぃ!!??」

すでに割れた窓を飛び抜ける。

萌九頭は英雄(ヒーロー)と一緒に空中に投げ出された。


「ぎいいいいいぁああああぁぁぁああ!!!!!」

萌九頭は全身をくねらせ、英雄(ヒーロー)の支配から逃れる。


『空中にいるとき』『腕力が格段に上がる』


「ぎいいいいいいいいぁああああああああああ!!!!!!」


萌九頭は英雄(ヒーロー)を反対側に思いっきり投げ飛ばした。


反動で、萌九頭は元の廃ビルへと飛び込む。

英雄(ヒーロー)は、そのまま落ちていった。


「ぎぃ・・・はぁ・・・」


そこで、音を聞き取った。

何かが空気を裂く音。


英雄(ヒーロー)


「おらあああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「ぎいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」


反対側に位置する小型ビルの屋上に着地した英雄(ヒーロー)は、そのままジャンプし、萌九頭が飛び込んだビルへと突入したのである。


まるで野生の肉食獣のように叫び合いながら殴り合う二人。




一瞬、二人の呼吸が止まる。




そして、

「だらあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――!!!!!!」

「ぎいいいいぃぃぃぃいぃいぃいいいい―――――!!!!!!」

常人には見えないほどの速度で殴り合う。



その空間には、その二人しかいなく、余計なものは一切無い。

血が飛び、衝撃が走る。


この状態が、5分続いたその時、


萌九頭の右足が英雄(ヒーロー)の顔面の目の前で停止し

英雄(ヒーロー)の右手が萌九頭の顔面の目の前で停止した。


そしてそのまま、二人は同じタイミングで倒れた。


「はぁ・・・はぁ・・・」

「ぎぃ・・・ぎぃ・・・」


口の中がからからに乾いている状態で、命は、萌九頭に話しかけた。


「これで、決まりだ・・・」

その言葉に対し、萌九頭は意味がわからないような顔をして

「あぁ?何がだよ」

と毒づく


しかし、命はこれ以上無いほど清々しい口調で、



「お前は、俺のライバルだ。だから、お前は存在していていい、いつでも俺が、許可してやんよ」



と言った。


萌九頭は、ああ、と言って、そのまま眠った。

命も、萌九頭に寄り添うようにして、眠りについた。




そんな戦いの2日後。

二人は風邪を引いた。


戦いの最中に服はほとんど破れ、さらに肌寒い季節だというのに、あんな場所で眠っていたからである


しかし、二人とも、笑ってこう言ったと言う。



「「俺と戦いたいって奴がいるんだ。そいつのために、今はまだ、体を休めておかないとな」」



そんな二人には、苦笑いしか出てこない事務所の皆であった。




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