狂兵器の場合(中)
満点の星空を見上げながら、萌九頭は独り言のように喋る。
「俺は、軍に入っていた」
「へぇ・・・」
満点の星空を見上げながら、命は萌九頭の独り言を聞く。
「アメリカの、国家機密にされている特殊部隊だ」
「・・・」
「そこに、俺は10歳の頃入隊した」
「10歳か、そのとき親は?」
「血が繋がっているのみで言えばいるけど、縁は切ってある」
「・・・」
「捨てられた・・・とでも言うべきか」
「ふぅむ、ひどいやつだよな。自分の子供を捨てるなんて」
「そうでもないさ」
「え?」
「父は、俺に自由をくれた。母は、俺に生をくれた」
「・・・」
「今では、感謝してるのかもな」
「ふん、それは個人の勝手だけど少なくとも俺は分かんないな」
「そうか・・・それもいいのかもな」
「・・・」
「そこで、3年たったある日だ」
「ちょっとまて、お前今何歳よ」
「16だ」
「見えねぇな」
「よく言われるな」
「はん、そうか」
「話を戻すぞ。その日、俺達はアジアの国に来ていた」
「アジア・・・」
「そこは内戦が絶えず繰り返される国。俺達はそのトップの命を狙う任務があった」
「・・・」
「そこで、こう言われたんだ
―――――お前の出動を許可する
って」
萌九頭の声色が変わった
「そこから、その場所での記憶は無い」
「・・・ないのか」
「あぁ、気づいたら牢獄の中だった」
「監視長のところか」
「そうだ」
「それで?」
「『夢喰い《バク》』の話によれば、そこはもう、終わっていたと」
「終わって?」
「隕石でも落ちてきたかのように、土地がひっくり返っていたらしい」
「ふーん・・・それで、それがあんたの仕業と」
「そうだ」
「おっそろしい」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・どうした?」
「そこなんだ」
「は?」
「俺は、恐れられる人間なんだ」
「・・・」
「俺は、それが怖い」
「・・・」
「俺は、いつか、俺自身の大切なものを、殺してしまいそうで」
「・・・」
「俺は、そこにいていいのか?」
「はぁ?」
「俺は、そこに存在しててもいいのか!?」
「はん」
見れば、萌九頭の目には涙が
その言葉を受け、命はガバァと起き上がる
「そんなものは、てめぇ自身で取るべきだ」
「・・・え?」
「てめぇの存在意義ぐれぇ自分で作れっつってんだこの野郎!」
「っ!」
「んな簡単なことでウダウダ言ってんじゃねぇぞ!思春期か!」
「・・・」
「おし、決めた」
立ち上がる命
「闘々龍萌九頭!!お前の歪んだ悩みも全部!俺が解決してやんよ!!!」




