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親不孝物の場合(中)

「・・・・・・ったく」


どうしてこうなったんだろう。

やっぱり、いや、はっきりと俺が悪い。

だとしても、素直になれない。


くそっ、


「・・・・・・どーすっかなぁぁ」

はぁぁ、

心の奥からため息が出る


「・・・・・・馬鹿、だなぁ」

はぁぁあ、


「・・・・・・?」


一人憂鬱に浸っている時、何か聞こえた。

それが何か、わからない

だけど、行かなきゃ、いけない気がする


自然と足が動く。

座っていたブランコから飛び降り、歩く

公園を出て、外を見渡す。



「―――――うおっ!」

ワゴンが猛スピードで突っ込んできた

「・・・・っぶねー」

心臓が止まりかけた。

正直死ぬかと思った。


「・・・・・・――!!」


ドン、

ドンドン、

ワゴンが走り去った方向から、何か聞こえる

ドンドンドン、


ドン―――


「・・・・・・・・・!」


それは、これ以上なく曖昧で複雑だったが、それでいてはっきりした――



悲鳴、だった




自然と身体が動く

助ける・・・?


え。

なんで俺が


「・・・・・・」


まぁ、いいか




全速力で道を駆ける

息が上がらない

不思議だ。


今は、ただ走っている

ワゴンに向かって


でも、どうしてわかる?

ワゴンなど、とうに走り去ったはずなのに



「・・・・・・いや」



分かる



正直、曖昧だが、ワゴンの走った痕跡が見える。




見える――――!!



「・・・・・・はぁ」

俺は、不幸体質・・・だな。


何ら関わりのない物を助けるためにこうやって走っている。

なんだろう


俺は、こんな自分にうんざりだけど・・・




――不思議と、悪い気がしない




「・・・・・・ははっ」

身体が軽い。

なんだこれ、力が、


面白いぞ!

面白い!



最っっっ高に面白いぞ!!!



「――――ここ、なのか?」

着いた、そこは、古い倉庫のようだった

やけに大きい。


脇に、ワゴンが停められていた。


「――どうして分かっちゃうんだ」

苦笑いしか浮かんでこない

「・・・ははっ」



このまま適当にやっていれば、なんだかハッピーエンドになりそうな気がして



「・・・正義の味方」

か・・・


悪くねぇなッ!!


倉庫の横にある小さな扉を蹴飛ばす。

そんな力あるはずが無いのに、簡単に扉は吹っ飛んだ。



「・・・ひゅ~」

「だっ・・・誰だ、お前はッ!!」


4人・・・の内の一人が俺に向かって言った




「・・・正義の味方、さんじょー」




「なっ――」

見れば、その人達は皆大柄の男で、一人の女性を取り囲んでいた


「やいやいやいやい、悪党ども、この・・・えーと、何て名乗ろう・・・まぁいいや。この俺が!成敗仕る(つかまつる)!!」


「やっ――やっちまえッ!!」

「おうよ!!」


ナイフを持った男が、突進してきた。


「ははっ、なんだよこれ!」

負ける気が、しない!!


「――よっ、と」

男が手に持つナイフを軽く蹴飛ばした

「――ふふん」

そのまま振りかぶり、思いっきり殴った


その拳は男の顔面に直撃し、男は倒れ込んだ。


「・・・ん?」

男のポケットから、何か出てきた。


メリケンサック


「これは、使えるな」

「なっ、なんだよ――こいつ!」

「―――はは」


ダン、と踏み切る。

跳ぶ。

今まで跳んだことが無いくらい跳んだ。


たぶん、15Mは跳んだ。


「でいやっ!!」

男の内の一人を裏拳で退ける

「ほっ――!!」

そのまま回転し、背後の男も裏拳で退けた。


「――――ふはは」

「ひっ」

男は跪く(ひざまずく)

「ふははは」

「すっ、すみませんでした!もうしません!許して――」


「ふはははははははははは、はーっははははははは!!!!」

「ひっ、ひぎゃああああああああ!!」


膝で男の顎を打ち、揺らいだ男の胸ぐらを掴む


「ふはは・・・・――成!!」


そして、振りかぶり



「――敗ッ!!!」



下から打ち込んだ。

メリケンサック装備の全力アッパー


「―――あっ、がっ」


そして男は、そのまま抵抗なく倒れ込んだ。


「大丈夫ですか?」

その場で唖然としていた女性に声をかける

「はっ、はい!」

女性は立ち上がり、礼を言って


「ありがとうございました!!」


そのまま全速力で帰っていった。

「――えー」

俺は、立ち尽くすしかなかった



「んだよぉ、もっとキスとかしてくれよなー。もぅ」

スタスタと帰る。

なんだか、身体が重い

「さっきの反動・・・かな」

ダルいまま、きらびやかなネオンが映える通りに出た。


「・・・まぶしーな」

はぁ・・・

ダルッ

「くそー。助けなきゃよかった」


通りを抜け、裏道に出た瞬間――


「えっ――!?」

後頭部を、殴られた。気がする


「あっ――」

あ、もしかしてピンチ?

俺、やばい?


「昼間はありがとう、お影で大赤字だよ」


「・・・・・・」

多分、あいつらの仲間だ


ヒーローも、楽じゃねぇな・・・











つづく!

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