親不孝物の場合(上)
初投稿です。
こんにちばんはようございます。明日葉甘楽と申す者です。
この作品を目に止めていただきありがとうございます。
楽しんでいただければ幸いです。
「お電話ありがとうございます。こちら、制裁探偵事務所です」
俺の物語は、この一本の電話から始まった。
「あ、息子さんの捜索ですか・・・あ、はい。大丈夫です。お任せ下さい」
俺が家に帰ってきたとき、母が電話をしていた。
何やら、ドタバタし始めた。
・・・またか。
こう、何度もやられるとうざいな。
俺は、親不孝物だ。
毎日のように遊びまわり、女をたぶらかし、早朝に帰ってくる。
現在中学3年。
受験生だ。
そんな俺を、母は毎日待っている。
帰ってくるまで、寝ていない。
俺は、気にしなかった
ずっと、このままでいたい。と思ってもいた
そのうち、母が何かをし始めた。
依頼。
息子の捜索。
「青少年健全育成条例」が関連している所へ、どんどん電話している。
俺は逃げた。
逃げた。
逃げまくった。
おかげでこうやってまだ遊んでいる。
正直、ちょっと、善心が芽生えている・・・気がする。
ちょっとだ。ほんのちょっと。
でも、ま・・・今回で終わりにするかな。
こんな無駄な逃走は無駄な労力になるだけだから。
「・・・今、息子が帰ってきました」
母が、電話に小声で言う。
「・・・・・・はい、では、お願いします」
「何やってんだ」
「ひっ!」
何ヶ月ぶりだろうか。
母とまともに話すことなんて。
「もういい加減諦めろよ、俺だって、ちょっとは危機感感じて――」
「――――うるさい」
「・・・・・・あ?」
「うるさいって言ってるのよ、このバカ息子!」
「なっ――」
「あんたのせいで家の家計は破綻寸前よ!どうしてくれるの!?あんたが払ってくれるのかい!?えぇ!?」
「――――あー、もういい。わかった、わかった。こんな家ェ、帰ってくるじゃなかった!!!」
あぁ・・・
またやってしまった・・・
だめだなぁ
また、元に戻れなかった
「・・・・・・っ!――ああそうかい、二度と帰ってくんじゃないよ!出て行きな!!」
母が怒鳴りつけた。
「・・・何やってるんだい、早く、早く出て行けッ!!」
カタカタと震えるその手は、シンクに届き、包丁を握った。
「――!!」
「あっ、あんたに・・・食わせる飯なんかもうないよッ!!」
「くっ・・・!!」
バタン!
夢中で家を飛び出した。
あぁもう、くそ!
行くあてなど、もう、無い。
「・・・・・・」
とりあえず、公園にでも行ってみるか・・・。




