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護衛のバイト、してみませんか?  作者: 愚兎
初登校、してみませんか?
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8/18

8

ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました。

これをもちまして、キャラクターたちの自己紹介パートは一区切りとなります。

次回からは、いよいよ本格的に物語が動き始めます。

もし少しでも「面白いな」「続きが気になる」と思っていただけましたら、ブックマークや評価などで応援していただけると大変励みになります。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

一頻り自己紹介が終わったタイミングで、再びスピーカーからチャイムが鳴り響く。


「さて、出席番号順に並んで体育館へ移動するぞ」

先生の指示で、生徒たちは廊下へ出て二列に並び始めた。

ぞろぞろと列を作り、体育館へ向かって歩き出す。


「朝陽って、部活どうするん?」

出席番号が近い黄瀬が、気軽な調子で話しかけてきた。


「まだ決めてない。……というより、バイトでもしようかなって思ってる。」


「へぇ、珍しいじゃん。なんで?」


「家が母子家庭なんだ。少しでも母さんの力になれたらって思ってさ。」

もちろん、祖父から古武術を教わっているから部活動に未練がない、という理由もある。

だが、一番の理由はそれだった。


黄瀬は少しだけ目を丸くすると、すぐにいつもの笑顔を浮かべた。


「そっか。」

それだけだった。

気を遣って励ますわけでもなく、変に同情するわけでもない。

ただ、変わらず笑って頷いてくれた。

その何気ない一言が、不思議と心に染みた。


入学式も無事に終わり、教室へ戻ると担任からの連絡事項や教科書の配布、提出物の回収などが行われた。


慌ただしかった一日も終わりを迎え、北条先生が出席簿を閉じる。


「今日はここまでだ。みんな、気を付けて帰れよ。」


「「ありがとうございました!」」

教室中に返事が響く。

席を立つ者、友達と話し始める者、連絡先を交換する者。

それぞれが思い思いの入学初日を締めくくっていた。

もちろん、俺もその一人だ。


「ふぁ〜……終わったー!」

黄瀬が大きく伸びをしながら欠伸を漏らす。


「初日って意外と疲れるねぇ。」

「お疲れ様でした。」

神白が小さく微笑みながら頭を下げる。


「ほんとだね! 教科書重っ!」

青嶌は苦笑いしながら、教科書で膨らんだ鞄を背負い直した。


「じゃあ、帰ろっか!」

その一言に、自然と三人の視線が俺へ向く。


「……え?」


「朝陽も一緒でしょ?」

黄瀬が当然のように言った。


思わず周囲を見回す。


俺…?


一瞬、本気で誰のことを言っているのか分からなかった。


「あれ? 朝陽?」

黄瀬が不思議そうに首を傾げる。


「あ、いや……俺も?」


「当たり前じゃん。」

まるで「何を言ってるんだ?」とでも言いたげな顔だった。


「もう友達なんだからさ。」

その一言に、胸の奥が少しだけ熱くなる。


友達。

その言葉を、こんなにも自然に向けられたのは初めてだった。


「……じゃあ、お言葉に甘えて。」

少し照れ臭くなりながら答えると、


「よし決まり!」

黄瀬が満足そうに笑った。


「駅までですけど、ご一緒してもよろしいですか?」

神白が穏やかに尋ねる。


「もちろん!」

青嶌が元気よく頷く。

「人数多い方が楽しいしね!」

そうして俺は、人生で初めてと言っていいくらい自然な形で、同級生と一緒に帰ることになった。

本作をお読みいただき、誠にありがとうございます。

まだまだ読者の方も少なく、皆様がどのように感じられたか、そわそわとした気持ちでおります。

どのような些細なことでも、また率直なご意見でも大変励みになりますので、一言だけでも感想をいただけますと幸いです。


最後に気に入って頂けたら、ブックマークと評価のほど宜しくお願い致します

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