表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
護衛対象は、お嬢様でした。  作者: 愚兎
SOSに、こたえてみました。
PR
76/126

20

「オラァッ!!」

天宮が床を蹴る。

踏み込みと同時に右腕を大きく振りかぶり、顔面目掛けて拳を叩き込む。

あまりにも大きなモーション。

俺には、その一撃が力任せの大振りにしか見えない。

(もらった。)

懐に入ると天宮の右前腕部分に左前腕を押し当て、拳を受け止める。

そのまま、がら空きになった鳩尾へ右拳を叩き込む――。

はずだった。

「なっ……!?」

止められたはずの右腕が、不自然な軌道を描く。

天宮は無理やり肩を回し、受け止められた拳をそのまま横薙ぎへ変化させた。

まるでラリアット。

「どけぇ!!」

ドゴォッ!!

左腕ごと胴体へ衝撃が突き抜ける。

体勢を崩し、そのまま勢いよく床へ叩きつけられた。

「ぐっ!」

息が詰まる。

だが、天宮は追撃の手を緩めない。

倒れた俺の腹を踏み潰そうと、右足を大きく振り上げる。

咄嗟に身体を横へ転がした。

ドンッ!!

天宮の踵が床を踏み抜き、鈍い音が店内へ響く。

転がった勢いのまま右膝を立て、素早く上半身を起こす。

しかし――。

「まだ終わりじゃねぇ!!」

天宮は間髪入れずに踏み込んできた。

立ち上がる暇すら与えてくれない。

サッカーボールを思い切り蹴り飛ばすように、右足を豪快に振り抜く。

「っ!」

反射的に両腕を胸の前で交差させた。

クロスガード。

次の瞬間――。

ドゴォォォンッ!!

凄まじい衝撃が両腕から全身へ突き抜ける。

ガードごと吹き飛ばされた身体は宙を舞い、そのまま背中から壁へ激突した。

バゴォンッ!!

壁が大きく揺れ、砂埃が舞い上がる。

店内にいた全員が、その圧倒的な一撃に息を呑んだ。

砂埃がゆっくりと舞い落ちる。

壁にもたれ掛かった俺を見下ろし、天宮はゆっくりとしゃがみ込んだ。

「どうした?」

ニヤリと口角を吊り上げる。

「まだ終わりじゃねぇだろ?」

荒い息を吐きながら天宮を見返した。

全身が痛む。

両腕は痺れ、呼吸も浅い。

それでも――。

「……当たり前だろ。」

壁へ手をつき、ゆっくりと立ち上がる。

もう一度、静かに構え直した。

その姿を見た天宮は嬉しそうに笑う。

「いいねぇ。」

「喧嘩はこうじゃねぇとな!」

次の瞬間、床を蹴る。

「もう一丁いくぜぇ!!」

再び右拳を大きく振りかぶる。

先ほどと同じ豪快な一撃。

だが、今度は違う。

真正面では受けない。

左足を一歩踏み出し、天宮の外側へ身体を滑り込ませる。

同時に右前腕を使い、振り下ろされる拳を外側へ受け流す。

ゴッ――。

拳は俺の肩をかすめ、そのまま空を切った。

「ここだ!」

身体を沈め腰を鋭く回転させる。

全身の力を左拳へ乗せ、一気に突き上げた。

狙うのは右脇腹。

肝臓。

ドスッ!!

鋭い左拳が、天宮の肝臓へ深々と突き刺さった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ