表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
護衛対象は、お嬢様でした。  作者: 愚兎
SOSに、こたえてみました。
PR
68/127

12


全員が同時に地面を蹴った。

俺も静かに腰を落とし、天宮へ正対する。

「小紫さん!神白さんをお願いします。」

「わかった…。」

小紫さんは神白さんの腕を引き自分の元へと引き寄せた。

その瞬間だった。

「おいおい。」

天宮が笑いながら片手を上げる。

「俺らは最後でいいだろ。」

「アイツらの喧嘩を見てからでも遅くはねぇ。」

そう言うと、天宮は腕を組み、その場から動こうとしなかった。

「好きにしろ。」

俺も構えを解かず、緋乃たちへ視線を向ける。

最初に動いたのは緋乃だった。

「シュッ!」

鋭い踏み込み。

左ジャブが一直線に鷹取の顔面を射抜く。

しかし。

パシッ。

鷹取は左手で軽く払い落とす。

パーリング。

鷹取は弾いた勢いのまま身体を踏み込み、今度は右ストレート。

一直線に緋乃の顔面を狙う。

緋乃は膝を柔らかく使い、上半身を沈める。

拳は頭上を掠めるだけで空を切った。

「もらった!」

沈んだ姿勢のまま左拳を突き上げる。

緋乃の左ボディーだ。

ドスッ!

鈍い音が響く。

だが、鷹取は身体をわずかに捻りながら右肘を畳み、その一撃を受け止めた。

「教科書通りで……。」

鷹取は表情一つ変えない。

「つまらない人ですね。」

緋乃は口元を吊り上げた。

「ボクシングの一ラウンドはな。」

「相手の出方を見るもんだ。」

「そうですか。」

鷹取は静かに頷く。

「なら、今度はこちらから。」

一歩踏み込む。

右肩が前へ出る。

右ストレート。

そう見えた。

緋乃は反射的に重心を後ろへ移す。

スウェー。

完璧な回避だった。

――だが。

「だから。」

鷹取の口元がわずかに歪む。

「教科書通りなんですよ。」

次の瞬間。

鋭い右足が唸りを上げる。

バシィッ!!

ローキックが緋乃の左太腿を正確に叩き抜いた。

「ぐっ……!」

緋乃の身体がわずかによろめく。

鷹取は眼鏡を押し上げ、淡々と言い放つ。

「どうですか?」

「蹴りの痛みは。」

緋乃は脚をさすりながら、不敵に笑った。

「……うるせぇよ。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ