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護衛対象は、お嬢様でした。  作者: 愚兎
中間テスト、やってみました。
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7

アサイーボウルを食べ終わる頃には、少しだけ風が涼しくなっていた。

「なんかさ。」

黄瀬が伸びをする。

「甘いものって無限にいける気がするんだけど。」

「それはお前だけだ。」

「えー?」

青嶌さんが笑う。

「じゃあ最後、ちょっと休憩しない?」

「賛成。」

神白さんも頷く。

「喉も少し渇きましたし。」

ということで、俺たちは近くの喫茶店に入った。

落ち着いた木目の店内で、さっきまでの騒がしさが少し遠のく。

それぞれ注文を決める。

「紅茶ストレート。」

神白さん。

「レモンティーで。」

青嶌さん。

「コーラ!」

黄瀬。

「アイスコーヒー。」

小紫さん。

「烏龍茶で。」

俺。

飲み物が揃うと、ようやく一息ついた感じがした。

「ふぅ……。」

黄瀬が椅子に寄りかかる。

「生き返る〜。」

「大げさ。」

俺が呟くと、テーブルの空気が少し緩む。

その時だった。

「ねぇ。」

小紫さんがストローをくるくる回しながら言った。

「私最近、格闘技に興味があるの。」

「格闘技?」

俺が聞き返す。

「ええ。」

「テレビで少し見てから気になって。」

「強くなるには、どういう練習をするのかなって。」

「へぇ。」

青嶌さんが感心する。

「意外だね。」

「小紫さんって、そういうの興味あるんだ。」

「少しだけ。」

「知識があると、身を守ることもできますから。」

「なるほど。」

すると黄瀬が「あっ!」と声を上げた。

「そうだ!」

「朝陽んちって古武術やってるんだぜ!」

「古武術?」

小紫さんが驚いたように目を見開く。

「うん。」

俺は頷く。

「祖父から教わってる。」

「黒鉄流っていう古武術。」

「へぇそうなのね。」

「めちゃくちゃ強いんだぞ!」

「この前なんか――」

「余計なことは言わない。」

俺が慌てて止める。

「なんだよ。」

「本当のことじゃん。」

小紫さんは興味深そうに俺を見つめた。

「黒鉄くん。」

「もしご迷惑でなければ……。」

「今度、お邪魔してもいいかしら?」

「実際に見てみたいの。」

「え?」

突然の申し出に少し戸惑う。

すると――

「わ、私も!」

神白さんが思わず大きな声を出した。

全員の視線が集まる。

「あっ……。」

神白さんは顔を真っ赤にしながら慌てて言い直す。

「えっと、その……。」

「私も興味…あります。」

「じゃあ私も行きたい!」

青嶌さんが笑いながら手を上げる。

「えー楽しそう!」

「じゃあ俺も!」

黄瀬まで乗ってくる。

俺は思わず額を押さえた。

「いや待て。」

「明日ちょっと道場に顔出すつもりだけどさ。」

「ちょ、ちょっと待って。」

「じいちゃんに確認しないと無理だって。」

「えー。」

「えーじゃない。」

テーブルの上が一気にざわつく。

神白さんは少し不安そうに、

「迷惑じゃなければ……」

と小さく言い、

小紫さんは興味深そうにグラスを見つめながら、

「楽しみね」

と静かに笑った。

(……なんでこうなるんだよ。)

俺は烏龍茶を一口飲みながら、深く息を吐いた。

明日が少しだけ、面倒で――

でも、どこか少しだけ楽しみでもあった

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