表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
護衛対象は、お嬢様でした。  作者: 愚兎
中間テスト、やってみました。
PR
44/127

1

 ◇  ◇  ◇  ◇


路地裏から少し離れたビルの屋上。

一人の少女が、戦いの終わりを静かに見下ろしていた。

長い髪が夕風に揺れる。

その瞳に浮かぶのは驚きでも焦りでもない。

ただ、黒鉄朝陽という存在を見定めるような静かな眼差しだった。

「……終わりましたか。」

少女――小紫は小さく呟くと、ポケットから携帯電話を取り出した。

数回の呼び出し音。

やがて電話が繋がる。

「お姉様。」

『どうだったの。』

落ち着いた声が返ってくる。

「申し訳ありません。」

「先に送り込んだ者は敗れました。」

わずかな沈黙。

だが、ロゼの声色は変わらない。

『そう。』

『彼でも駄目だったのね。』

「はい。」

「黒鉄朝陽は予想以上です。」

「訓練された相手にも対応し、最後は勝ち切りました。」

電話の向こうで、小さく笑う声が聞こえた。

『面白いわね。』

『ますます興味が湧いてくる。』

小紫は倒れた男へ一度だけ視線を送り、静かに目を閉じる。

そして、ゆっくりと口を開いた。

「お姉様。」

『なに?』

「このままでは効率が悪いかと。」

『……。』

「私に、一つ考えがあります。」

その一言だけを残し、小紫は静かに口元を緩めた。

ロゼもまた、その笑みを見るように短く笑う。

『なるほど。』

『好きにやってみなさい。』

「ありがとうございます。」

通話が切れる。

小紫は携帯をしまい、夕暮れの街へ視線を向けた。

「さて……。」

意味深な笑みだけを残し、少女の姿は夕闇の中へ静かに消えていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ