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護衛のバイト、してみませんか?  作者: 愚兎
初登校、してみませんか?
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3/16

3

ここで挫けてしまったら、新しい高校生活なんて夢のまた夢だ。

そう自分に言い聞かせながら、自分の席を探す。


教壇から見て右から二列目。その最後尾に貼られた番号が、自分の出席番号と一致していた。


静かに腰を下ろし、小さく息を吐く。


改めて教室を見渡すと、すでに楽しそうに話し込んでいる生徒もいれば、俺と同じように一人で席に座っている生徒もいる。


同じ中学の奴でもいれば──。

そう思ったが、すぐに苦笑した。

いたところで、幼馴染を除けば気軽に話せる友人なんて一人もいない。

結局、どこへ行っても変わることはないのかもしれない。


「はぁ……」

無意識に漏れたため息とともに、机へ突っ伏した。


「な〜にしてんの?」

頭上から、場違いなくらい明るい声が降ってくる。


「……え?」

顔を上げると、いつの間にか一人の男子生徒が俺の机に肘をつき、興味津々といった様子でこちらを覗き込んでいた。


「うぉっ!?」

あまりの近さに思わず身を引く。


「おっ、元気でなにより! てか、そんな驚く?」

笑いながら、その男子生徒は俺の反応を面白がっている。

「俺ね、黄瀬! 黄瀬王輝。同じB組!」

そう言うと、人差し指で自分の前の席をトントンと叩いた。

「出席番号九番。だから前の席ね。よろしく〜!」


こちらの事情などお構いなしといった様子で、一方的に自己紹介を終える。


第一印象だけで分かった。

こいつは、俺とは住む世界が違う。

整った顔立ちに百八十センチ近い長身。躍動感のある明るい金髪のミディアムショートがよく似合い、左耳には黒いスタッズピアスが光っている。


それ以上に目を引いたのは、その距離感だった。

初対面の相手、それも目つきが悪いと散々言われ続けてきた俺に対して、一切物怖じする様子がない。

むしろ、自分から距離を詰めてきている。

そんな人間を、俺は今まで一人も見たことがなかった。

「……これが、陽キャってやつか。」

憧れとも、尊敬ともつかない感情が、気づけば言葉になって漏れていた。

本作をお読みいただき、誠にありがとうございます。

まだまだ読者の方も少なく、皆様がどのように感じられたか、そわそわとした気持ちでおります。

どのような些細なことでも、また率直なご意見でも大変励みになりますので、一言だけでも感想をいただけますと幸いです。


最後に気に入って頂けたら、ブックマークと評価のほど宜しくお願い致します

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