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39話 さっそくの対人戦

 ダンジョンは生き物のようだ……とある学者がそう言った。


 『魔物』と呼ばれている正体不明の生物が存在して。

 地球上には存在しないはずの資源が眠っていて。

 そして、一定時間毎に内部構造が変化する。


 一本道だと思って進んだ先が行き止まりになったり。

 昨日はなかった通路が突然現れたり。

 地図を作っても意味がない。

 故に、イベントのゴール地点でもあるボス部屋がどこにあるのか、誰も知らない。

 まずはダンジョンを探索して、ボス部屋を突き止めるところから始めなければいけない。


 事前準備で差をつけるタイプの人にはかなり厳しいだろう。

 でも、私にとってはいつも通りだ。


 元から地図なんて頼りにしていない。

 直感頼り。

 迷ったらひたすら速く動いて探すだけ。


 とはいえ、それを邪魔する存在もいるわけで……


「よし!」


 三匹のウルフを魔石に変えて、りおちゃんが笑顔になる。


「上層だから魔物はなんとかなるね」

「はい。魔物相手なら……」


 魔物ならいい。

 魔物なら怖くない。


 今回、本当に怖いのは……


「妨害があり、っていうことは……たぶん、対人戦とか、あるんですよね……?」

「あるね!」

「うぇ……吐きそう……」

「だ、大丈夫だよ! たぶん! ダンジョンは広いし、そうそう他の配信者さんとぶつかることは……あっ」


 先を見て、りおちゃんが足を止めた。


 通路の先。

 三人組の配信者がこちらを見ていた。


 いきなり遭遇したし……

 今のりおちゃんの発言、フラグだったのでは?


「うおっ、いきなり遭遇したぞ……!?」

「あれ、ひなりおじゃん」

「ちょっとかわいそうだけど……ライバルになりそうなのは早めに潰しておくか?」


 にやり、と笑う三人。


「ま、待ってください! えっと、あの、私達、別に戦うつもりは……」

「イベントだぜ?」

「遠慮してたら負けるだろ」

「覚悟決めなよ」

「ひぃん……!?」

「ひなちゃん、大丈夫? 逃げる?」

「う、くぅ……だ、大丈夫、です!」


>がんばれ、ひなちゃん!

>りおちゃんも!

>でも絶対に無理はしないで

>あいつら俺の嫁に手を出すとか許せねえ

>お前が許せねえよ


 コメント欄のみんなのおかげで、なんとかがんばれそう。


「よっしゃ、いくぜ!」

「俺達のコンビネーションを見せてやる!」

「悪いが、ここで潰れてもらうぜ!」

「ひぃん!?」


 やっぱり無理かもしれない。


「お、おおお、お願いです! 命だけは……!」


 そんなことを言いつつも体は勝手に動いていて……


 どか!

 ばこ!

 どーん!!!


 ……気がついたら、私は三人の後ろに立っていて。

 そして、三人はドサドサドサと床に転がる。


「……あ」


 反射的にやってしまった。

 陰キャの防衛本能というか、自己防衛というか。

 本当、体が勝手に……


>また無茶苦茶な速度で動いていたw

>命乞いしながら瞬殺ってどういうことだってばよw

>もはやホラーw

>情緒が迷子

>りおちゃんも困惑してるぞw


「えっと……ひなちゃんって、けっこうアグレッシブなんだね」

「ち、違うんですぅうううーーー!?」

「ま、まあ、勝ったし!」


 りおちゃんは気を取り直した様子で言う。


「行こっ、ひなちゃん!」

「……はい……」


 こうして、私達は最初の関門を突破した。


(この先も、こんな感じ……なのかな?)


 胃が痛い未来しか見えない。

 でも、りおちゃんは前を向いている。


 私も……

 せめて、足を止めないようにしよう。


 そう思いながら、ダンジョンの奥へと進んでいった。


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