28話 次は打ち上げです
>打ち上げも配信してくれるとか最高かよ
>あなたが神か
>わくわくするりおちゃん可愛い
>ひなちゃんも楽しみにしてるよな、これ
>そんな二人を見てデレデレの黒羽よ
>これがトップクランのマスターなんだぜ……?
なんて。
視聴者さん達のコメントを見つつ、時々、返事をして。
そうしている間にみんなの料理が揃った。
「それじゃあ、今日はおつかれさま。みんなすごいがんばりました、偉い! っていうことで……かんぱーい!」
「か、かんぱーい……」
芹那さんが音頭を取り、乾杯する。
もちろん、私とりおちゃんはジュース。
芹那さんはワインで、獅堂さんは日本酒だった。
(なんかこれ、友達っぽい……)
妙な感動を覚えつつ、ハンバーグを一口。
「……美味しい……」
「だよねだよね!? ここ、ファミレスって思えないくらいレベル高いんだよねー!」
「パフェも私のオススメよ。実は、けっこうここは使っているの」
「そうなんですか……?」
「美味しく、安く食べられて、しかもわりと近い。色々と好条件だもの」
そんな話をしつつ、ごはんを食べていく。
ハンバーグは美味しくて。
パフェはさらに美味しくて。
もう喜びで、逆の方向で胃が痛くなりそう。
そんあ平和の中で、芹那さんがふと話題を変える。
「……それで、今日の反省会だけど」
「反省会……!?」
私は背筋が伸びた。
(反省会=怒られる)
(怒られる=胃が痛い)
「二人ともよくがんばっていたわね。私の想像以上で、すごかったわよ」
あれ?
怒られない……?
「まずりおちゃんは、判断がすごくいい。ここぞという時にしっかりと援護をして、いつもみんなのことを見てて、観察力に優れているわね。そういうの、とても大事よ」
「えへへー、ありがとうございます!」
りおちゃんが照れる。
「ひなちゃんも落ち着いて状況を見ていたわね。おかげできちんと助けることができた」
「え? た、助ける……って」
「ほら。特殊個体の一撃から零士を突き飛ばしていたでしょう?」
「あ、あれは……体が勝手に……考えていたわけではなくて」
「零士も、そう思わない?」
「……だな」
「「えっ!?」」
私とりおちゃんの驚きの声が被る。
「驚きすぎだろうが」
「だ、だって……」
「獅堂さん、基本、否定から入るし」
「うるせえな……俺だって礼くらい言える」
照れている……のかな?
>ツンデレ覚醒きたー!
>一周回って可愛く見えてきたなw
>今の獅堂なら推せるわw
>獅堂ちゃーんw
「くそ、コメント欄がマジでうぜぇ……!」
獅堂さんは舌打ちして。
それから、小さく吐息をこぼして。
そして、私とりおちゃんをまっすぐに見た。
「……悪かった」
「え?」
「改めてになるが……悪かったよ。お前らのこと、遊びだとかごっことか、そういう風に言って」
「……獅堂さん……」
「俺の目が曇っていた。俺が間違っていた。お前らは……」
一拍置いて、
「しっかりとつええよ」
私は息を呑んだ。
りおちゃんは、一瞬固まって……
「……えへへ」
泣きそうな顔で笑う。
それを見たら、私の口が勝手に動いていた。
「し、獅堂さんも……強いです……!」
「は?」
「す、すごいと思います……! だって……」
言葉が詰まる。
コミュ障だからうまく話すことができない。
でも、これだけは伝えないと。
「す、すごくすごく……ど、努力してるの、分かります……から!」
「……」
「だ、だから、尊敬……します!」
「……そっか」
獅堂さんは目を大きくして驚いて、
「ありがとな」
小さく笑う。
「それと……俺のことは零士でいい」
「え?」
「……名前で呼べ」
「は、はい……零士さん!」
「零士、よろしくね!」
「呼び捨てまで許可した覚えはねえ!」
「あははは!」
笑うりおちゃんと、ぶすっとした感じになる獅堂さん。
ううん。
……零士さん。
「……それにしても、ひなちゃん」
場が落ち着いたところで、芹那さんがにっこりと笑う。
あ、なんだか嫌な予感。
「あなた、すごく強いわね」
「ぐ、ぐうぜんでしゅ!?」
噛んだ。
死にたい。
「ふふ、可愛い♪」
「ぴゃっ……」
「フリーなのよね?」
「は、はい……」
「よかったら……」
芹那さんが少しだけ声を落とす。
「うちに来ない?」
「「「……」」」
私だけじゃなくて。
りおちゃんと零士さんも固まって。
「えええぇ!?」
ファミレスに私の悲鳴が響いた。
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