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25話 悪かった

「……」


 獅堂さんが不思議な表情でじっとこちらを見ていた。


 とはいえ、それをじっくりと観察する心の余裕なんてない。

 私は逃げるように視線を逸らして、周囲の確認をする。


 確認大事。

 逃げたワケジャナイヨ?


「えっと……」


 りおちゃんは芹那さんに抱きしめられていた。

 可愛い強いかっこいい、と頭を撫でられている。


 ……私じゃなくてよかった。


「……なぁ」

「は、はい!?」


 やっぱり逃げられない?

 獅堂さんが私に声をかけてきた。


「あー……」

「な、なんでしょう……?」

「それは……なんつーか」

「ぴぃ……!?」


 怒られる!?

 やっぱり怒られる!?

 嫌な記憶が蘇りそうになって……


「……悪かった」


 獅堂さんが低く言う。


「……へ?」

「さっきのことだ」

「さっき……ふぇ?」

「だから……! ……助けてもらったのに色々言っただろ」


 そういえば、そんなこともあったような?


「それに……今まで何度もバカにしてきた。お前だけじゃなくて、パートナーの方もな」


 りおちゃんはパートナー。

 不思議とその言葉がしっくりと来た。


「俺は……お前らを舐めてた。大したことはできないくせに。ガキだから覚悟もないくせに。適当にやっているくせに……そう決めつけていた。よく……ちゃんと見りゃ、んなことはねえ、ってすぐにわかるのにな」

「え、っと……?」

「ただ、ようやく気づくことができた。てめえは……強い。いや。強いだけじゃなくて、芯もしっかりしているんだな。でなけりゃ、あんなことは言えねえ」


 あんなことって、どんなことだろう?


「あっちのガキも同じだ。アイドルとかバカにするな、って思っていたが……しっかりと体を張っていやがる。覚悟もあって、てめえのサポートをしっかりとしてた。正直……驚いた。見直した」


 りおちゃんが、ぱっと顔を上げる。


「え?」

「……」

「今、褒められた?」

「ち、違う!」


 獅堂さんが少し声を荒げた。


「いや……ちがくはねえか」

「ほわ?」

「だから、まあ……なんつーか。あー……悪かったよ、色々と」


 りおちゃんはきょとんとした後、にこっと笑う。


「そっか! じゃあ、もういいですよ!」

「え?」

「謝ってくれたし!」

「……単純だな」

「アイドルだから!」


 胸を張るりおちゃんを見て、獅堂さんが苦笑する。


「はは……ならいいか。アイドルだもんな」


 謝るだけじゃなくて認めてくれた、っていうことなのかな?


(……いい人、かも……)


 場の空気が和らいで、笑顔になって。

 ハッピーエンド!


 ……だったらよかったんだけど。


「「「っ……!?」」」


 ゾワリ、と背中が泡立つような感覚。

 寒気がするような悪意と殺意。


 下層に続く道から『なにか』が近づいてきて……

 姿を見せる。


「おいおい……マジかよ」

「う、うそ……」


 獅堂さんとりおちゃんが声を震わせた。

 それも当然。

 姿を見せたのは、本来なら下層のボスとして君臨するドラゴンなのだから。


「ルオォオオオオオオオォォォーーーーー!!!」


 咆哮でダンジョンが震えた。


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