22話 コラボなんて無理無理無理!?
数日後の放課後。
「ひなちゃん! 『ホワイトウイング』からコラボのお誘いが来たよ!」
「無理です」
「即答だね!?」
スマホを握りしめていた私は反射で答えていた。
「無理です……」
大事なことなので二回言った。
「えー! でもすごいよ? だってだって、あの『ホワイトウイング』だよ? 国内トップクラスで、世界的にも有名で……しかも、芹那さんと一緒に配信だよ!」
「む、無理です……」
三回目。
「どうして?」
「どうして……って……」
「怖い感じ?」
ズバズバっと聞いてくる。
でも、りおちゃんのそんなところは……嫌いじゃない。
「……はい」
「大丈夫!」
「え?」
「私がいるからね!」
……ちょっとだけ流されそうになった。
というか、けっこう心が動いた。
どうやら私は、自分で思っている以上にりおちゃんを信頼しているらしい。
「……ひなちゃんが嫌なら無理強いはしないよ」
「それは……」
「ただ、私一人っていうのはちょっと心細くて。なんかもう、ひなちゃんと一緒なのが当たり前になっていて。だから……一緒ならがんばれると思うんだ」
その言い方はずるい。
でも、りおちゃんなら、って思ってしまう。
「……わ、わかりました……」
「ほんと!?」
「で、でも、どうなっても知りませんからね!? なにかとんでもないミスをして、歴史に残るような大炎上になるかもですよ!?」
「ひなちゃんと一緒なら炎上上等だよ!」
そこまで言い切られても逆に怖い。
「……一応、オッケーです」
「やったーーー!!!」
こうしてコラボが決まった。
……そして当日。
ダンジョンのゲート前。
「今日は来てくれてありがとう」
芹那さんは相変わらず、すごく綺麗。
大人の笑顔? がよく似合う。
「よ、よろしく……お願いします……」
「よろしくお願いします!」
「あーもうっ……やっぱり二人共可愛い!」
「ぴゃっ!?」
「きゃー♪」
また抱きしめられてしまう。
私は悲鳴をあげるけど、りおちゃんはなんだか嬉しそう。
いや、楽しそう?
……それともう一人。
「あ、あの……よろしくお願いします」
「……ちっ」
獅堂さん。
挨拶は返ってこないで無視されてしまう。
あぅ……胃が痛い。
「コラボといっても、特に捻った企画とかはないわ。単純に、一緒に攻略をがんばりましょう、っていうだけよ」
「はいはーい! 具体的に、今日はなにをするとか決めているんですか?」
「中層のボス撃破、ってところかしら」
「……中層……」
りおちゃんが難しい顔になる。
私と最初に会った時のことを思い返しているのかもしれない。
……私は、そっとりおちゃんの手を握る。
「あ……ひなちゃん……」
「……」
こういう時、気が効いたことを言えればいいのだけど、私には無理。
こうして手を握るくらいしかできない。
なんて情けない。
「……えへへ、ありがと♪」
ただ、りおちゃんは持ち直してくれたみたいで、いつもの笑顔に戻った。
「大丈夫よ。中層と言っても、中層の中の上、みたいな感じで、深部まで潜らないわ。あくまでも中層の浅いところ。そこら辺にいる、弱いボス狙い、ってところね」
「……俺等をアテにするんじゃねえぞ? ガキのお守りなんざごめんだ」
「はい、がんばります!」
「が、がんばりましゅ……!」
噛んだ。
死にたい。
――――――――――
そしてダンジョンへ。
まずは上層。
「上層は、二人にメインを任せてもいいかしら? 私達は、周囲の警戒と予想外のトラブルとかに備えておくから」
「はーい、わかりました!」
「は、はい……」
芹那さんの言葉に従い、私とリおちゃんは前衛に。
ゴブリン、スパイダー、ウルフ、スケルトン……色々な魔物が出てくるけど、順々に撃破していく。
……なんていうか。
最近、りおちゃんの動きがわかってきたような気がする。
こうしたらこう動くんだな、とか。
次はこんな感じに動くんだろうな、とか。
だから、私もどう動けばいいか簡単に考えることができて……
ピタリとパズルが当てはまるような感じで、最適解を導き出すことができた。
「二人共、さすがね」
そんな私達を芹那さんが褒めてくれた。
「やっぱり、上層の魔物じゃあ、二人の相手にはならないようね」
「い、いえそんな!? た、たまたまでしゅ!」
また噛んだ……
「負けていられませんから!」
「ふふ、頼もしいわ。上層のボスは……すでに他の誰かが討伐したみたいね。リポップもしなさそうだから、このまま行っちゃいましょう。あ、ここからは私と零士が前衛を務めるわ。二人はサポートをお願い」
そして、私達は中層へ進む……
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