218 第二ボタンの胸囲
なんか姉に説得されて彼女の身体を拭いてあげることになったため、柊は一階で支度を済ませて花音の部屋に向かった。
「じゃあ早速初め__いや服脱いどけって言ったよな」
「脱がせてください」
「なんでだよ…」
「病人ですので」
「そこまで重症じゃねぇだろ」
流石に女の子の服を脱がせるのは憚られるので自ら脱いでもらうつもりだったが、そういえば花音は平気でこういうお願いをして来るタイプだった。しかしこちらが何も考えずに脱がせれば済む問題ではあるため、柊は無心のまま花音の横に座った。
「ったく…ほら、身体こっち向けてくれ」
「ふふ、わかりました」
ノリノリで身を差し出さないでほしいが今回ばかりは仕方ないので彼女の服に触れた。
「…本当にいいんだよな…?マジで脱がせるけど…」
ボタンに手を置いたところで理性が顔を出してきた。しかし花音の理性はもうとっくに働いていないのでニコニコ笑いながら頷いてきた。
「大丈夫です。私たち、裸を見せ合った関係でしょう?」
「言い方言い方。見せ合ったわけだはないだろ」
強制的に一緒にお風呂に入れられた時にたまたま二人ともが裸で対峙してしまっただけだ。決してやましいことはない!
「でも柊は私の裸をよく見て__」
「よしボタン外すぞ!!準備はいいか!?」
「ふふ、はいっ」
都合が悪くなりそうだったのでとりあえず手を動かすことにした。
上半身のパジャマのボタンを上から順番に外していく。
「………」
一応なるべく見ないようにしてみる。でもそれでは手元があまり見えず、二つ目のボタンを外す時に誤って柔らかい感触を味わってしまった。
「ひゃっ」
「あ、ごめん」
「い、いえ…。そういうのも覚悟の上ですから…!」
「何の覚悟してんだよ」
そういう覚悟は弟の前ではしないのよ普通。いや花音に常識が通用するはずがないので考えるのをやめて手を動かすことにした。今度はちゃんと手元を見ながら。
「馬鹿なこと言ってないで、続けるぞ」
「(もっと味わってもいいのに…)」
「………」
一応聞こえてるんだよ小声で言われても。至近距離だから。
てかそういう甘い声は思春期の男には刺激的すぎるから是非遠慮していただきたい。これは無心で脱がせるのは難しいかもしれない。
(変なこと考えんな俺!!相手は姉だぞ!?)
自分に言い聞かせる。そして深呼吸をして一度冷静さを取り戻す。
(これは看病…。相手は昔から一緒にいる姉…。何も考える必要はない…)
真剣な眼差しで第二ボタンを見つめる。そしていよいよ勝負に出る。
「…っ!!!」
「〜〜…!」
花音の第二ボタンを開放した!
するとボタンの中に収まっていた大きいものが頭角を表し始めた。
(……は??)
明らかに色々おかしい状況に頭が回らなくなる。
まず一つは、病人のくせにこんなにキツキツな状態で眠っていたこと。普通苦しいから大きめのパジャマにするものだろ。今にも溢れそうになってるし。
そしてもう一つは、下着が全く見当たらないことだ。
「…もしかして…」
「苦しいので♪」
「パジャマが苦しくて大して変わらんだろ」
「サービスです♪」
「……」
弟にノーブラサービスする姉がどこにいるんだよ。いやここにいるか。
花音は何にも守られていない胸部を晒しそうになっているというのに全く怖気付いておらず、むしろ嬉しそうに笑っているぐらいだ。その強心臓をもっと別のところで生かしてほしい。
それよりも問題は柊だ。いくら姉とはいえ可愛い女の子の大きくて柔らかそうな胸部を見るのは思春期男子には刺激が強すぎる。流石の柊も冷静さを失ってしまう。
(は…?どういうことだ…?サービス??俺に??誘ってるってこと??)
姉弟でなければ間違いなく誘っていると言えるだろう。でも彼らは実の姉弟だ。そこら辺は二人ともちゃんと弁えている。
(意味がわからねぇ…もう面倒臭いから全部脱がせようかな)
いちいち考えていても無駄な気がしてきた。というわけで柊は何の通告もなしに第三ボタンに手を伸ばした。
しかし真の魔境はそこからだということを、今の柊はまだ知らない。




