第15話 また災難
テグラ「ごめん、次からは気をつけるよ。あ、そうだ。プレッサは何が食べたい?」
するとプレッサはタブレット端末を出し、
プレッサ「これで兄ちゃんのスマホで映した映像を見ながら指示出すからお兄ちゃんが取りにいってね」
テグラ「またか。たまには自分で取りにいけよ」
プレッサ「尻尾を真上に上げながら歩いたら疲れる」
テグラ「晩飯食べたら後は歯磨いて寝るだけだから少し位なら疲れても問題ないだろ」
プレッサ「明日からはちゃんと自分で取りに行くから今日まではお願い!」
テグラ「わかったよ」
テグラは、明日も今まで通り俺に取りに行かすつもりだなと思いつつも、手放しでのスマホ撮影を可能にする被り物にスマホを取り付けて、プレッサが食べる料理を取りに行く。この店は定額食べ放題形式で、2人は9月6日の正午~9月13日の正午までの料金84000アジャロを既に払っており、通常は21000アジャロだがアジャ式格闘技の選手は食べる量が多い為に通常の4倍の料金を払っている。通常の料金でも1食コースが1000アジャロで、これはこの街の一般的な定額食べ放題形式のレストランの1食コースの料金が240アジャロ前後という事と、この街の平均時給が260アジャロ前後で法定最低時給が70アジャロだという事を考えるとかなり高い。
10分後…
テグラ「本当にこれでいいのか?刺身とか果物とか冷たい物が多くないか?」
プレッサ「ここは高級店で何でも美味いから、早く食うには冷たい物がいいでしょ。それに私は毒があるから寄生虫性の食中毒には殆どならないし、細菌性やウイルス性の食中毒も強い抗体のおかげで殆どならないから大丈夫」
テグラ「スポーツ選手だったらシーズン中は食中毒リスクを減らす為に、加熱調理した物を食べるのが普通だ。それに毒耐性をもつ寄生虫だったり、細菌やウイルスの量が多かったりすると、強い抗体や毒を持っていても食中毒になるぞ」
プレッサ「好きな物を食べたいとは思わないの?」
テグラ「俺が好きな物は栄養のバランスが悪い物が多いから、シーズン中はたまに食べる位でいいんだよ。あ、それと飲み物とコップのサイズはどうする?」
プレッサ「サイズは1ℓで、入れる飲み物は」
テグラ「1ℓは重すぎて運びにくいから700mℓにしていいか?」
プレッサ「わかった。それで入れる飲み物は、一番左側にあるやつを入れて」
テグラはその飲み物を入れる為そこに近づくが、よく見てみると…
テグラ「米酒・神の国の雫、アルコール度数13%。おいおい、酒はやめろ」
プレッサ「バース連邦では16歳から飲めるから大丈夫だよ」
テグラ「7月28日の事は忘れたのか?今年の第8節はナハナハ王国で開催だったから自宅から試合会場に直接行ってたけど、7月28日にお前が遅刻して試合スケジュールが変更された。その原因はお前が住んでいる島でお前が自作した酒の味が知りたくなったお前が、第8節3日目が終わった夜にその酒を飲んだら酔って寝てしまい、翌日近くを通りかかった運送業者が見つけて起こしてくれて不戦敗は免れたが、島の監視カメラに酒を飲んだ瞬間が映っていて、その日の試合が全て終わった後に警察がお前の所に罰金徴収しに来ただろ」
プレッサ「少し位なら大…」
テグラ「ダメだ、そもそもお前はアルコールを分解出来ず、尿でしかアルコールを体外に排出出来ない体質だろ。それに大抵のスポーツ選手はシーズン中は酒を飲まないぞ」
プレッサ「じゃあ酒はやめる。その代わり、コーヒー」
テグラ「カフェイン入ってるからダメだ」
プレッサ「コーラ」
テグラ「これもカフェイン入ってるからダメだ」
プレッサ「緑茶」
テグラ「これもカフェイン入ってるからダメだ」
プレッサ「烏龍茶」
テグラ「これもカフェイン入ってるからダメだ」
プレッサ「紅茶」
テグラ「これもカフェイン入ってるからダメだ」
プレッサ「じゃあ豆乳とぶどうジュースを1:1で混ぜてからレモンジュースを少し足して」
テグラ「この店の飲み物はいい材料使っていて美味いのに混ぜる必要あるのか」
プレッサ「美味い物と美味い物を混ぜたらもっと美味い物が出来るかもしれないでしょ」
テグラ「じゃあ入れるぞ」
テグラはプレッサの指示通り飲み物を入れてプレッサのいるテーブルに向かい始めたが、ここで、
プレッサ「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ!」
プレッサは椅子ごと倒れ、タブレット端末は投げ出された様に飛んで落ち、さらにズボンの尻尾の裾が少し破れる。するとプレッサの声が聞こえてくるが、
プレッサ「おい!お前今わざと踏んだだろ!」
ビリー「違うよ!避けようとして足を置こうとした所に君の尻尾が動いて来ただけだよ!」
第16話へ続く




