第13話 偶然
ムゲンゾウ「そいつが野心的な奴ですぐに組織の統合を決めると、今度は『サミ区最大の義賊になる』とか言い出して、マフィアが占拠して闇市にしているシオル重工業の旧工場の、地下にある武器工場を潰しにいくことになるが、決行予定の前日に俺と同い年の仲間が新リーダーを殺して捕まったんだ。そいつは純血の淡水型水生種で、3980年の工場占拠事件のときに破損した設備から化学物質が湖に流れて、湖中にある水生種居住区の人が大勢死ぬ事件に遭ってるから、同じ事が再び起きるのを防ぐ為にやったんだ。そして翌日、副リーダーからリーダーに繰り上がったやつが工場潰しを決行するが、工場に着いたらそいつが上から大勢のマフィアと共に降りてきて『これで俺は大出世できるぜ』とかいうんだ。そいつの正体は警察の潜入捜査官で、マフィアと手を組んで俺たちを捕まえてマフィアたちを逃がして、俺たちを1人で捕まえた事にして出世しようと企んでいたんだ。俺は怖くなって逃げたが、昨日リーダーを殺したやつが脱獄してて逃げる途中で会って仲間の元へ戻るんだ。そして2人で倒そうと挑むが返り討ちにされた。もうだめかとおもった時にショーが奇力を使えるようになって、次々に相手を倒すが、最後の一人に勝てなくて万事休すかと思った時、あの人が現れた。それが、死神の異名で恐れられた伝説の軍人、プロテ・イン・グランドだ」
テグラ「その人、俺のじいちゃんだよ」
ムゲンゾウ「え…えええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!てことは、テグラのフルネームは、プロテ・イン・テグラか」
テグラ「し、しまった。これは人に教えるなって父さんに言われてた」
ムゲンゾウ「浴室には俺とお前しかいないからセーフだ」
テグラ「周りに誰もいなくて良かった。で、その後はどうなったんだ?」
ムゲンゾウ「現れて直ぐに『出世の為に若者達を騙して大勢で虐める警察がいるとは、実に悲しい。私に出会ったことに感謝するんだな』と言って警官を倒しに行くんだが、グランドは軍を退役して15年経っているにもかかわらず素手で倒しちまうんだ。なんで退役軍人が現れて、しかも素手で警官を倒せる程の強さを維持していたか知ってるか?」
テグラ「強さを維持していたのは、軍人時代に潰した、いろんな組織の関係者たちに襲われても撃退できるようにする為。そして退役軍人なのに事件現場に現れたのは、アイッスル王国で何かのパーティーに出た後にバース連邦のバクフォール王国へ行く予定があって、その航路の真下が事件現場だったから」
ムゲンゾウ「だいたいは合ってるぞ。詳しく言うとアイッスル王国で、旧貴族会のパーティーに出た後、プロテ・イン・グランド賞の受賞式で受賞者へメダル授与をする役を務める為、受賞式が行われるバクフォール王国へ向かって飛んでいたら、航路の真下に俺たちがいる事に気づいて、大きさ数mmの撮影機能付きの超小型無人機で全員の顔写真を撮った後、アジャ連邦のデータベースにアクセスして人物を特定して、俺たちを助けたんだ。グランドは32歳の時に潜入捜査の部隊に配属されて以降、数多くの反社会勢力を解散させたり、大企業や公的機関の不正を暴いて告発などをした為に、潰された組織の関係者から度々襲撃される為、退役後も強さを維持する必要があったんだ。そして俺たちを助けた後、現場を立ち去ろうとするが、現場を遠くから見ていたある男が」
ここでテグラは時計を見ると、20時35分だったため、
テグラ「話の途中だけど、もう10分以上経ってるから話はここで終わりにしよう」
ムゲンゾウ「そうだな」
ここで2人の会話は終わる。なぜW杯で優勝したいかまでは聞けなかった。一方、1階のウリボーへ移動したプレッサは…
プレッサ「また誰かと長話してるのかな」
ここで、近くを歩いていたショーが、
ショー「君がプレッサだよね?」
プレッサ「なんでわかるの?」
ショー「鰭付きの尻尾があって、背中に刀2本背負ってたら目立つから遠くからでも分かるよ。あ、後2分位でテグラが来る。それと、尻尾を椅子の後に出すのはやめたほうがいい。誰かが誤って踏む可能性がある」
プレッサ「私が毒持ってる事は有名だから近寄ってくる人なんてめったにいないよ」
ショー「君以外で尻尾を踏まれて喧嘩する人を僕は何人もみてるよ」
プレッサ「わかった」
ここでプレッサは尻尾を椅子の下から前に出す。
ショー「それと来季の開幕戦はWR1が相手になるけど、その選手が人気の高い選手だったら、すぐ終わるような展開になるとマナーの悪いファンがSNSに『金返せ!』とか書くけど気にしない方がいい」
プレッサ「そんなの私は気にしないから」
ショー「そうか、あ、テグラが来たみたいだ」
ここでテグラが走りながら、
テグラ「ごめん、ちょっと遅くなっちまった」
と言い急いで椅子に座ろうとしたが、運悪く椅子の脚がプレッサの尻尾に乗ってしまい、
プレッサ「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ!」
第14話へ続く




