「プレッシャー」
「いやあ、こいつは派手にやられたものだな。」
「これが・・・軍用手榴弾の威力ですか。」
部屋は黒く染まっていた。
火はすでに消されている。
壁の一部が溶けているどれほどのものか、ぞっとする。
「それで・・・遺体は何処へ?。」
「すでに運ばれたと聞きました。これより検死解剖されると思われます。」
「死因がわかっているのにな・・・遺族への説明か・・・自分が可愛いか。」
「そうですね、あと・・・。」
「なんだ?。」
「捜査を特科に行わせるようにと・・・。」
「我々の手に負えないと・・・な。」
「はい、おそらくは・・・。」
「この事件はどうなる?。」
「電気系統による火災とされるでしょう・・・許しがたい。」
「いつまで隠し通せるのだろうな・・・。」
「もう・・・隠せはしないでしょう。あとこの事件には陸軍が・・・。」
「そういうことか・・・。」
「自軍の兵が国民を殺したとなると反対派が騒ぎますよ。」
「だから・・・事故にしろと。」
「ええ、軍から圧力がかけらていますから私たちはここで終わりです。」
「・・・これからも増えるか?。」
「増えると考えた方が自然です。」
「警察は死したか・・・。」
「死にませんよ。守るべき市民がいる限り。」
「そうだな、もう行こうか。」
「ええ、ここに居場所はありません。」
「なあ?。」
「なんですか?。」
「犯人が使った手榴弾って・・・。」
「二十七式火焔手榴弾です。」
「即発式か?。」
「いえ、それでは防弾ガラスに当たった時点で爆発してますよ。」
「それじゃあ?。」
「ええ、時限式ですよ。あなたも使っていたでしょう?。」
「前の話だ。7秒か?。」
「10秒です。」
「フルカウント・・・か。どこから投げたんだろうな犯人は?。」
「・・・・・。」
・・・・・。
・・・・・。
「はあ、やっと終わった・・・。」
「そうね、日本の事情聴取は長いのね。」
「ドイツは短いの?。」
「統合戦技生はだからよ。一時間で終わるわ。」
「そっか。」
空には太陽が輝いている。
眩しい。
白い雲が風になびいている。
「ねえ、慎也?。」
「なに?アレクシア?。」
「これから出かけない?。」
「いいけど・・・どこへ?。」
「水族館がいい。」
「・・・水族館か・・・近くはないけど。」
「ええ、行きましょう。」
「わかった。」
・・・水族館か久しぶりだな。
いつ以来だろう。
覚えてないな・・・。
あっ、そういえば・・・。
「アレクシア、紗奈に電話するね。」
「ええ、わかったわ。」
S N S で紗奈に連絡する。
携帯をいじっていることが多いのでこっちで連絡をしている。
案の定すぐに紗奈はコールに答えた。
「紗奈?。」
「ん?何、お兄ちゃん?。」
「ああ、紗奈。ちょっと出かけるんだけど。」
「どこへ?。」
「アレクシアさんと水族館へ。」
「そう、行ってらっしゃい。」
意外なことに紗奈はすぐにオッケーを出してくれた。
通話を切るときに笑い声が聞こえた気がする。
どうせデートだと思ってニヤニヤしているんだろう。
まあ、いいか。
「・・・もういいの?。」
「ああ、行っていいってよ。それじゃあ、行こう。」
駅に向かって歩く。
同じ年の女性と一緒に歩く。
ふと、横を見るとアレクシアの綺麗な顔が見える。
なぜか汗をかく・・・。
不覚にもドキッとしてしまう。
だって仕方ないだろう。
こんなにも可愛い子が隣にいるのだから・・・。
アレクシアみたいな人が彼女だったらなあって、叶いもしないものを思ってしまう。




