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たった1人の英雄奇譚   作者: 葵流星
第四章「統合戦技生」
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「玲奈 Ⅰ」

「かるいな・・・。」

見た目のわりに防弾服はとても軽かった。

もっと重厚で重いってイメージがあったんだけどな。

「へええ、すごいでしょう。」

まるで自分のことのようにアレクシアは喜んでいる。

なんか・・・そのほほえましくもある。

「なに見てんのよ。」

「別に。」

「そう。」

「ところでアレクシア。」

「なによ。」

「ひとつ気になったんだけどこの施設には来たことあるのか?。」


思い返してみれば不可解なことだ。

なぜ、アレクシアは先ほど迷子になったのに関わらず、この部屋までこれたのか。

作りが似ているというのもあれだが。


「だから言ってるでしょう。似ているの。」

「それは、わかるけどさ。」

「何よ?。」

「このあとはどうするんだ?。」

「えっ、いやそれはその・・・訓練するの。それから、ああもういい、ついてきなさい。なんでこの施設のことを知っているかというと、昨日ここに来たから。さっき迷ったのは案内されてないから。この部屋は更衣室だからよ。なに、それがどうしたの。」

「いや、聞いただけだよ。」

「そんなに私のことが信用できない?。」


アレクシアの目はうっすらとうるんでいる。


「いや、そういうわけじゃ・・・。」

「じゃあ何よ。」

「気になっただけだ。」

「そう、ならいいじゃない。あなたはこれから私と同じ部隊に入って統合戦技生として生きる問題ないでしょう。」

「わかってるって・・・。」

「なによ。私じゃ不満。」

「いやそういうことはないけど・・・。」


アレクシアはかんしゃくを起こしている。

まあ、理由はわかるが。

それは、俺がアレクシアを信用していないってことだろう。

きっとそれで不安になったのはわかるが・・・。

もはや幼児退行レベルまで引き下がっているというか・・・。

なんにせよ、このままにしておくわけにもいかないし、どうすればいいか。


「何よ、慎也のばっか、ばっか。うう、何なのよもう・・・。」

「いや、だから・・・。」

「言いたいことがあるならはっきり言いなさいよ!。これだから日本人は・・・。」

「あのな、アレクシア。」

「うるさい。」


理不尽!。

やばいな、もはや話ができるかできないかのレベルだぞ。

ここは落ち着くまで待つべきか。

いや、この際ハッキリと「「信用できないんだ。」」っと真っ向から言うのか・・・。

どうすれば・・・。


っと俺が困り果てているその時部屋の扉が開いた。

ふと、そこに目を向ける。

アレクシアも同様に目を向けた。


「ええっとお・・・。アレクシアさん?。」

「えっ、ああ。玲奈さん、どうしたのですか?。」

「いや、もしかしたら迷子になっているんじゃないかと思ったんだけどその・・・喧嘩?。」

「いえ、違うわよ。慎也が私を信用しないって言うから・・・その・・・ごにょごにょ。」


アレクシアは顔を真っ赤にしながら小さな声で小言を言っている・・・。


・・・・・。

うう~ん、俺も悪かったかな。


「そうなんだ。ん、あっ、慎也君おはよう。そして、入隊おめでとうプラス統合戦技生着任おめでとう。今日からよろしくね!。ああ、あと私あなたの教育係になったから。」

「えっ・・・アレクシアじゃなくて?。うん、ここに来て日が浅いしね。まあ、迷子になるくらいだから私に頼って。困ったことがあれば相談に乗るよ。あっ、でも恋のお悩みは・・・って何言ってるんだろう、ごめんね。嬉しくて・・・って今何にも言ってないから。」


ほわわ~っと。

顔を赤くする玲奈。

不覚にも可愛いと思ってしまった。

すると横で・・・。


「ぐぬぬぬぬ、恋敵?いや、まだ早い・・・。にしてもあのおんな~。あっ、そうだ事故死に見せかければ・・・。」


何か怖いことを言っているので聞かなかったことにする。


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