「櫓」
「・・・・・。」
「・・・着いたわ。」
「・・・学校。」
「・・・見ればわかるでしょう。」
「・・・・・。」
「・・・行きましょう。」
・・・何でですか?アレクシアさん。
俺がそう言うよりも早くアレクシアは行ってしまった。
あわてて、追いかける。
歩みを進めるのが早い・・・。
何をそんなに急ぐのか・・・。
まるで・・・いや、これは競歩だ。
「なあ、アレクシアどこへ?。」
疲れてきたので口調も軽くなる。
「・・・あそこの建物。」
「あそこって・・・。」
アレクシアは止まってゆびで建物を示した。
「・・・いや、あの建物には入れませんよ。」
「・・・そう。」
「いや、だから・・・。」
「・・・あなたもここに通うようになるわ。」
「・・・・・。」
アレクシアがゆびを指したあの建物。
元は在日アメリカ軍の核弾頭保管施設だったらしい。
日本とアメリカの密約で持ち込まれた戦術核の保管場所・・・。
そのため、基地返還を求めていた人々は、土地を手放し出ていった。
それは、周辺に住む人々も一緒だった。
そのため、地価は下落した。
保管されていた核弾頭は日本が保有することになったが保管場所は知らされていない。
横須賀の基地に移動されたというのがもっぱらの噂である。
住民がいなくなったあと国はその土地を買収し、基地の区画を拡大した。
そして、この建物はその保管場所の上に造られた。
そのため、この建物は普通生徒は入れないものとなっているのだが・・・。
「・・・・・。」
どうやら引き留めるのは無理そうだ・・・。
「はあー・・・。」
軽くため息をつく。
こうなったら行くしかないのだろう・・・。
蹴り飛ばされるのもいやだしな。
こうして俺たちは建物へと向かった。
建物は形から櫓と呼ばれている。
誰がそう名付けたのかはわからないが、警備が厳しからだろう・・・。
先が思いやられる・・・。
「・・・まったく。」
呆れたようにそうつぶやく。
アレクシアは意に返さずそのまま歩き続ける。
まるでこの先に答えがあるのだと思わんばかりだ。
はて、さてそこに何があるのだろうか。
まったく・・・。
俺もお人好しが過ぎるのかな。
もう少し人を疑うことを覚えた方がいいってシルヴィアに言われたものだ。
でも・・・。
彼女といるのはそう悪くはないと感じた。




