「あたたかさ」
たった一人の英雄奇譚、第四章スタートです。
さて、ここからは統合戦技生とは何なのか。
シルヴィア達が統合戦技生になぜなろうと思ったのか。
では、たった一人の英雄奇譚をお楽しみください。
今後ともよろしくお願いいたします。
朝日が昇る。
一見、普通のことに思えるだろう。
しかし、生きているうちはこのことに感動を覚える人はそうはいないだろう。
かく言う私もその一人だった。
夜とは太陽の輝く生の時間ではなく、死の時間だ。
生物を照らしていた光は落ち、静寂が満ちる。
本来、それが常である。
まあ、そうであった。
そのため、死にゆく者は闇に惹かれて消えていくのだと・・・。
惹かれてか・・・。
まあ、よくはわからない・・・。
何も宗教的な話ではないのだ。
つまり、本来の生物が活動しない夜に行動を起こすことができるのは他者に比べアドヴァンテージになるのだ。
その闇を、照らすことができたのは人類だった。
では、<光の姫>は人々を照らすことができたのだろうか・・・。
彼女は何者であったのか・・・。
なぜヒト型だと言われるようになったのか・・・。
地球を覆ったあの一条の光が、人々を変えたわけではない。
かと言って無意味だと切り捨てることもできない。
私はジャーナリストとしてその意味を世界中に届けるだけだ。
私は命を懸けてこれに臨むつもりだ。
報道は正義であることを信じて・・・。
パク・べクシク
「ふむ・・・。」
「姉ちゃん何読んでんだ?。」
「うるさい。別に何読んだっていいでしょう。」
「はあ・・・。今どき、週刊誌を読んでいる人は早々いないぞ、美月ねえ。」
「いいでしょ、私が何を読んだって。ストレスがたまるのよ。特に高校生の相手は・・・。」
「まあ、そういうなって。飯作っておいたから後で食べといてくれ。」
「は~い。」
「それじゃあ、出かけてくるわ。」
「・・・どこへ?。」
「買い物だよ。別にいいだろ。」
「私のご飯は?。」
「自分で作れるだろ。」
「そっ、そんなあ~。隼人・・・あなたはこんなにカワイイお姐さんをおいて、出かけてしまうなんて・・・。うう、おねえちゃん悲しいわ。」
「はあ・・・。カワイイねえ・・・。」
「なっ、なによ。」
「颯と慎也は美月ねえのこと美人だって言ってたよ。」
「なっ・・それホント。」
「ホントだって、綺麗だねって。まあ、本性を知ればなんとやら。」
「なっ、隼人あんたああああ。」
「おっ、いいのか。飯はないぞ。」
「うぐぅ・・・。兵糧攻めだと・・・ただでさえ昨日はユーロから団体様がおいでになって、任務を行うから監視役兼アドバイザー兼指揮官として働いたのに・・・。」
「はあ・・・。機密が筒抜けだぞ、美月ねえ。」
「あっ・・・いけない。」
「まったく・・・。前から口は軽いんだからさ、あんまむちゃすんなよ。こっちも困るんだからな。まったく・・・。戻ってきたと思ったらこれなんだから・・・。」
隼人はあきれたようにそう言った。
そう言って、頭をかいていた。
照れ隠しだ。
昔からそのしぐさは変わらない。
家を出て、向かったのは軍で、戦場から帰ってきたら教官に任命されて・・・。
・・・迷惑をかけてしまった。
でも、それを許してくれる家族が優しかった。
甘えなんだろう。
軍ではとても厳しくされた。
自由などなかった。
死がとなり合わせだった。
それよりもっと、ひどいこともあった。
帰ってきてからは教官達が自分たちを厳しく訓練してくれたのかがわかった。
だから、私もそうすることにした。
失くさないようにするために。
つらかったんだろうな・・・。
あの人も・・・。
今は、もういない・・・。
でも、こういう仕事とは関係ない時は・・・。
「美月ねえ?。」
少しくらい・・・ね。
「なに?。」
「終わったらすぐに帰ってくるよ。久しぶりに一緒に食事でも・・・どうかな?。それとも、外食にする?。」
「そうね、待ってるわ。帰ってくるのを。」
「そっか。わかった。」
太陽が登るのは好きか?。
大好きだ。
眺めるのは。
だって、冷たくなっていった友達が最後に見たものだから・・・。




