アミューズ1で遊びます
「じゃあ、わたしが取ってあげます」
「えっ、アリスクレーンゲーム得意なの!?」
「任せなさい」
「私苦手なの! やった!」
「いつも可愛い人形を見つけたら獲ってます。ンガァとか」
「ああ、あの変な人形、クレーンゲームの畑から生えてくるんだ?」
浮かれたモモンガが、横からぶん殴られてるみたいな人形。
「可愛いじゃないですか――しかし、フィギュアを取るのは初めてですが・・・」
「・・・・え」
私が不安になったところで、リスナーが反応した。
❝・・・一式さん、人形しか獲ったこと無いなら、フィギュアは止めとけ。俺、近くに住んでるから獲っといてあげるわ。スウたんは、さっさとトランポリンに行きな❞
「・・・・それは助かりますね。この箱はどうやって掴めば? と思ってましたから」
❝ああ、その考えじゃ取れない、任せろ❞
「ありがとうございます」
「ありがと! 後でお金払うね!!」
❝断ろうと思ったけど、この子、石油王だったわ。じゃあよろ❞
というわけで、私はさっそくトランポリンの上でピョンピョン。わーい。
「こんな運動なら、無限にやってられる」
「クランハウスかロッジに、トランポリンを置きましょうか――あ、これ飲んで下さいね」
「置いて置いてトランポリン!! ――飲む? そのタンブラーボトルはなんぞ?」
「プロテインです」
「プロテ・・・・まぁ、そっか・・・その方が、効果出るね」
❝アリスたんが、ガチだ❞
「ここの施設、プロテインを売ってないんで、ビックリしましたよ」
「いや、アリスさん、ここジムじゃないんすよ。アミューズメントパークなんすよ。そのプロテインはいずこから?」
「わたしの〈時空倉庫の鍵〉からに決まってるじゃないですか。ダイエットには筋肉を付けるのが一番なんです」
「流石プロモデル・・・・」
「今度フーリにプロテインを、アミューズ1に置く商売を助言しときます。あとコラボもするべきですね。スウ+プロテイン」
「それ、私がどこまで筋肉を付けられるかみたいな企画に発展しそうだから止めよう? あと、そんなの置いちゃったらトレーニング感が出て、遊びじゃなくなるから止めたほうがいいよ」
なんて「ぽよんぽよん」しながら会話。
とりあえずプロテインが渡されたので、「ゴクゴク」「ぽよんぽよん」する――いちご味で案外飲みやすい――というか美味しい。
「プロテインって、バリウムみたいに凄く飲みにくい物だと思ってたよ――バリウム飲んだことないけど」
てか、硫酸とバリウムの化合物なんて、飲みたくない。
「見た目が似てるので、勘違いしてる人は結構いますね。プロテインは美味しいんですよ。私はいちごがお気に入りですが、チョコが人気ですよ」
「あー・・・筋肉の妖精さんたちは、甘い物、あんまり食べられないもんね」
筋肉の妖精さん達、種族で苦手な物があるなんて、本当に妖精っぽい。
❝銀河の妖精は、好きに食べれるもんな❞
私は銀河の妖精とか呼ばれてたりする。全然似合わない呼び名なんで、止めて欲しい。
❝そして「ぷよぷよ」一直線❞
❝そして「ぷよぷよ」一直線❞
「だまらっしゃい」
「にしてもすごいですね」
「なにが?」
「ばゆんばゆんです」
アリスの視線を追うと、私の胸。
あらやだエッチ!
私は視線かを腕で、遮断する。
「あっ、月がお隠れに」
「ちょっと千切れそうなんで、スポブラつけてくる」
「・・・千切れそうになるんですか」
アリスが自分の胸に手を持っていき、虚無を撫で――アリスの目が深淵になってこっちを見てる! 怖い!
「じゃ、じゃあ言ってくるね」
アリスの深淵が無言でこっちを見てる!
私は急いで化粧室でスポブラを着けた。
で、その後また、楽しく「ぽよんぽよん」してると、リッカが「スイー」っと、珍しい乗り物に乗って現れた。
それは、
「セ、セグウェイ」
「うん、あったんで乗ってみた」
生産終了したんじゃなかったの?
「『生きとったんかワレ』。――で、楽しい?」
「けっこう」
リッカは「スイー」っと消えていった。
シュールだ。
その後、ボールのプールに入って溺れかけて、アリスに「どんだけ泳ぐの下手なんですか・・・」とか言われたり。
みんなでロデオマシンに挑戦したり。
「『アリスくん、ふっとんだー!』」
私が実況解説(解説とは言ってない)。
「こ、これは・・・・3分以上は無理です」
「私もやってみる! ――『スウくん、ふっとんだー!』」
❝早ッ❞
「スキルを使わなければ、ざっとこんなもんよ」
❝ダメじゃねぇか❞
❝でも、スキル使ったら無限に乗ってるだろうなぁ❞
で、リッカ――すごいよこの子、ずっと乗ってる。
「もう10分くらい乗ってますが」
「どんな体勢になっても、上手く重心移動して、吹っ飛ばないね・・・・」
どこまで続くんだろうって思ってみてたら、リッカは自分で降りてきた。
「えっ、あれ? なんで止めたの?」
「どうしたんですか?」
私とアリスの疑問に、リッカは一言。
「股間が痛くなった」
「そっか。――女の子だもんね」
「それは、ダメですね」
「うん・・・・危険を感じた」
で、最後にボーリング。
アリスが私のボールの重さを見て、ビックリ。
「6ポンドって・・・軽すぎません?」
「ボーリングの玉、重すぎ問題」
「・・・・それにしたって、6ポンドは軽すぎますよ」
「アリスは――16ポンド!?」
❝女子で16ポンドかぁ・・・・すげぇな❞
「なんでですか、使ってるダンベルより軽いですよ」
アリスがボールをダンベルのように上下させる。
「・・・・怖い」
指だけで持ってる物を、ダンベルにしないで。
「わたしは8ポンドだなぁ」
❝リッカたんくらいが普通だよなぁ❞
ボーリングの結果? ご想像の通り、私がボロボロだよボロ負け!
というわけで、リスナーが取ってくれたフィギュアを貰って帰りました。
「お帰りなさい!」
・・・・少佐、本当に待ってた。




