タイトル未定2026/10/03 16:44
◆◇sight:???◇◆
ゾンビのような顔をした、ピエロのような服装の男が、ふしぎの国のアリスのような格好をした女性を従えていた。
ゾンビのような顔のピエロが、アリスのような格好の女性に、優雅な身振り手振りで語りかける。
「六罪くん」
ピエロは、「むつぅみくん」と発音していた。
「はい五牢様」
「人はぁ、人をぉ、殺してはいけない――美徳だぁ、人の歩むべき道だぁ」
「そうでありますね」
「だけどぉ。生きていちゃぁいけない人間はぁ、いる」
「そうなのですか?」
「だからぁ、生きていちゃいけない人間はぁ、誰かがぁ、排除しないといけなぁい」
「なるほどです」
「僕らは、なんだい?」
「屍です」
「ならばぁ、僕らはぁ人の道を歩む必要はない、人にできないことをやらないといけなぁい――それがぁ役割分担だぁ」
「然りでございます」
五牢と呼ばれた男が、革靴で踏んでいる男を見下ろした。
靴の下で、緑の髪の男が顔を真っ青にしていた。
涙美から装備を奪った、メガシチズンの丘道だ。
「こ、ころさ・・・ないで!」
「う~ん?」
五牢と呼ばれた男が、どこからともなく、マスケト銃を取り出した。彼は、その銃口を覗く
「六罪くん、大変だぁ、この銃ライフリングがないよぉ! これじゃぁまっすぐとばなぁい」
「控えめに言って、ゴミですね。まるで五牢様です」
五牢が引き金を引いた。五牢の頭の半分が吹き飛んだ。
「おっとぉ、間違ったぁ」
頭の半分を失っても五牢という男は死なない、生きていた。いや、彼はすでに死んでいるのか?
五牢が再び引き金を引く。六罪の胴体に風穴が空いた。
だが、六罪もなんともない。
「駄目ぇじゃぁないかぁ、ご主人様をぉ罵倒しちゃぁ!」
「はい、痛い思いをしました」
痛いらしい。
「さぁて、害虫くん」
呼ばれた緑の髪の男は、頭上で繰り広げられる異常に震えていた。
「銃にぃライフリングがなければぁどうすればいい? 3,2,1――はぁい時間切れだ。3秒以内に答えられたらぁ、命は助けてあげよう」
カウントを終えてから、ゲームを始められてしまっていた。
「こぉうするんだ」
五牢がポケットから弾丸を取り出し、それを捻った。
「銃弾の方をぉ、螺旋状にぃ、捻じ曲げれば良ぃ」
五牢が弾丸にキスをして、マスケトに込めてた。
緑髪が真っ青になる。
「か、春日小路さんが雇ったのか!? ――謝る!! 謝るから!! そ、そうだ、俺ダンジョンの装備を結構持ってるんだ! 売れば3000万にはなる! 全部あげるから!!」
「別にぃ、誰かにぃ、雇われてぇ、ここにいるわけじゃぁ、ないよ――僕らは悪い子がいたらぁ、掃除しにぃ、来るぅ――そうだぁなぁ・・・・な、な、なまぁ? ――六罪くぅん、なんだっけぇ?」
「なまはげでございますか? 五牢様」
「それだぁ! そんなぁ感じのぉ、存在だぁ」
五牢が、緑髪の男に銃口を向ける。
「ゆ、許して!! た、助けてぇ!!」
緑髪の男が涙を流し、股間を濡らし始めた。
「六罪くん! 彼、泣いちゃってるよぉ!! どうしよぉう! 優しい僕にはぁ、泣いてる人はぁ、殺せないかもぉ!!」
「五牢様はお優しいですね」
「あ、こいつ人じゃなくて害虫だった」
ドン
躊躇なく、無表情に引かれた引き金で、緑髪の男の脳漿が辺りに飛び散った。
「六罪くん、今日もいいことをしたねぇ。人間には殺せない人間を僕が片付けてあげたぁ。これで世の中はきっとぉ、ほんの少しだけぇ、良ぉくなる!」
「然りであります」
緑髪の男には目もくれず、闇夜に消えていくピエロ。
「いずれぇ、スウって子ともぉ会いたいねぇ」
「あの方は、根っからの善人でございますよ? 五牢様のターゲットにはなり得ないのでは?」
「善人のスウちゃんはぁ、僕と意見が合うはずだぁ! 一度ぉ語らいたいねぇ!」
「然り。――いずれ世界を良くするために、お話してみると、いいかもしれませんね」
「楽しみぃ、だぁなぁ。――最大多数のー、最大幸福をー!」
「五牢様は恐らく、その理論を勘違いして理解してらっしゃります」
「えぇぇぇー!」
ズドン
六罪の腹に穴が増えた。
◆◇sight:鈴咲 涼姫◇◆
「おいスウ」
ん?
「スウ」
この声は・・・・。
振り返るとイケメン金髪がいた。
アメリカ人がいた。
「マイルズ!?」
彼は合衆国宇宙軍。通称USSFのエースにして、フェイテルリンク・レジェンディアのランキングトップ。マイルズ・ユーモア。
ユーモアなんて苗字なのに、ユーモアさの欠片もない鋭いジト目の彼。だがそれがいい。
「な、なんでここにいるの!? ここジャポンだよ!? ジャポンのKANAGAWAだよ!? 北条時行が逃げ回った伝説の地だよ!? 信長◯野望で新武将でここからスタートしたら、」
ちなみに戦国の後・北条と鎌倉の前・北条は血縁があるかわからないらしい。
私的には繋がってるといいなぁ――時行さんは巫女さんとの間に子供がいたらしいし。まあ、前・北条さんは、横井氏を名乗るようになったそうなんだけどね。
「北条家が強すぎて、私、瞬殺されたんだよ!? そこでみずきのご先祖様の立花 宗茂さんに――」
「フェイテルリンクがクリアされたからな。しばらくの長期休暇だ――北条といえば、鎌倉幕府か。モンゴル帝国の侵攻を追い返したという」
「鎌倉幕府はそのせいで恩賞あげられなくて、反乱が起きて、足利家に室町幕府作られちゃったけどね」
「歴史は壮大だな」
「ねっ! ――って、そんなことを話しに、遠路はるばる日本まで来たの!?」
「いや――今日はお前に、鎌倉を案内して貰いたくてな」
「えっ!? この涼姫と書いて引きこもりと読む私とお出かけするつもり!?」
「お出かけするつもりだったんだが・・・・鎌倉の大仏に案内してくれないか?」
「えええ!? アリスぅ~」




