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タイトル未定2026/10/01 15:43

   ◆◇◆◇◆


 私の名前は春日小路(かすがこうじ) 涙美(るみ)です。

 日本に発生し始めたダンジョンを探索する。探索者に、最近なりました。


「こういうの憧れてたんだよね」


 今は渋谷ダンジョンの5階にいます。


「この先にボスがいるらしい」


 言って、髪を緑に染めた男性――丘道さんが、指で示した――なんだか牙に見えるものが生えた赤い門が不気味に見えました。


「ボスって、5階で初めて出てきたんだろう?」

「ああ。滅茶苦茶強くて、10人パーティーが全滅して8名死亡」

「まじかよ・・・・ヤバすぎるな」


 私は、現在、4人の男性と一緒にダンジョンに潜っています。

 私をパーティーに誘ってくれた男性4人は、ギルドという物を組んでいます。

 ギルドというのはダンジョンが発生し始めて、誰かが作り始めた物で、要は探索者のグループです。

 みんなで協力してダンジョンを攻略しようって感じですね。

 彼らはメガ・シチズンというギルドを結成しているそうで、総勢16人いるそうです。

 私もそのうち入れてもらおうかな? とか思ってます。


「おっ、ゴブリンだ!」


 リーダーの丘道さんがARの剣を出現させました。そうして振り返って叫びます。


「塩橋!」

「おうよ!」


 塩橋と呼ばれた男性が、頭上で3本のロープを結び、先におもりを付けた物を回します。

 ボーラという物です。

 あのロープを投げて足に絡ませれば、モンスターの身動きを封じて、一方的に戦えるのです。

 これが足のあるモンスターに特効なんです。

 お陰で5階という、結構難易度の高い場所で、初心者の私ですら、ずっと危なげなく戦えてます。

 むしろ4階の飛ぶタイプのモンスターの方が、危ない感じでした。


「よし、掛かった!」

「もう一匹いる!」

「塩橋! 頼む!!」

「おう!」


 塩橋さんが慣れた投擲で、ゴブリンの足を封じます。


「掛かったぞ!! ――とどめを刺せ!」


 みなさんがARの武器でゴブリンを突き刺します。

 ゴブリンは断末魔を挙げてガラスのようになり、砕けました。

 このエフェクトのお陰で、ゲームっぽく感じられ、人型の動物を殺した感はあまりありません。


「あれ?」


 なにか、私の前に出現しました。

 ブーツ?

 巨大なブーツでした。鎧のような、メカのような見た目の。


「あっ、ドロップアイテム!?」


 このブーツ、レア度1のシェルター級ですが、初めての魔石以外のドロップ品です!

 まだダンジョンのドロップ装備はほとんどなくて、シェルター級でも1000万とかで取引されるんだとか!


「おー、涙美ちゃんおめでとう!」

「おめでとう!」

「ありがとうございます!」


 私が、頭を下げた時でした――足に何かが絡まって・・・・えっ?


 なぜか塩橋さんが、私に向かってボーラを投げていました。


「えっ、な――!?」


 私が驚愕の声を挙げようとすると、口が押さえられました。

 さらに猿轡を噛まされ、ロープで縛られます。あっという間でした。


 私が落としたブーツを、丘道さんが拾い上げ、口の端を歪めます。


「ダンジョンってのは密室でなぁ。――中で何があったかわかんねぇんだよ」

「んー!? んー!!」

「馬鹿な女が、誘ったらホイホイ付いてきやがって――ママから言われまちぇんでちたか? 『知らない人に付いていっちゃ駄目でちゅよ』って」


 どういうこと!? 何を言ってるの!? この人!!


「このブーツは俺達が売り払って、金を大事に使ってやるから、安心しろ」


 まさかこの人たち・・・・。


「じゃあな」


 塩橋さんが私を持ち上げ――ボス部屋に・・・投げ込まれた!


「んーーー!!」


 4人の男性が遠ざかっていきます。

 やがて4人の姿は、私の視界から消えました。


 ボス部屋の奥から、なにやら唸り声のような物が聞こえたかと思うと――ゆっくり、巨大な緑色の巨人が私に向かってきました。身長が、4メートルは有ると思います。

 巨人の頭上には◤オーガ◢と表示されていました。

 オーガは、私の隣まで来ると、右腕にもった棍棒を振り上げます。

 私は、なんとかロープから脱出しようと悶えますが、硬いロープはビクともしません。


(し、死ぬ――殺される!! し、死にたくない! ・・・死にたくない、死にたくない、死にたくない!!)


 体が震えます。震えが止まりません。涙と鼻水で顔が滅茶苦茶になっていきます。


 オーガの顔が嗜虐的な笑みに歪みました。こいつ、私を殺すのを楽しんでいる!?

 オーガが舌なめずりをして、私がきつく目を瞑った時、遠くから声がしました。


「ここの敵、なんか弱くね?」

「うんうん。あっちより全然弱い」


 誰かこっちに向かってる!? ――私は、猿轡された口で叫ぶように、うめき声を上げます。


「んーーー!(助けてぇーーー!!)」


 なにか、立ち止まる音がしました。

 お願い、立ち止まらないで!!


(誰でも良いから、助けて!! ここから連れ出して!!)


「なんか、こっちで、うめき声みたいなの聞こえなかった?」

「聞こえたな」

「なんでしょう」


 私は喉が裂けそうなほど、思いっきり声を出します。


「んーーーーーーーーーっ!!(助けてーーーーーーーーーっ!!)」

「なんか、様子がおかしい!! ――変形!!」


(え? 変形?)


 驚くべき速度で飛んできた・・・飛行機!?

 飛行機は急に人の形になり、お、女の子!?

 彼女は、「オーガ、か」と言って、右手に装着した巨大な銃を構えたかと思うと、「ハイパーカノン!」と叫び、発射。

 地響きのような銃声を鳴らし・・・・オーガのお腹に大きな穴を開けました。 


 さらに、巨大な太刀を持った女性まで走ってきて、大きく振るうとオーガの足が斬り飛ばされました。

 そのあとは突如姿を現した小柄な女性が、嘘みたいな高さまで飛び上がり、オーガの首を斬り飛ばしました。

 飛行機の姿でここへ来た、カーリーヘアの女性が私に駆け寄ってきました。


「だ、大丈夫!?」

「な・・・なんでボス部屋で縛られてるんですか!?」


 つ、つよい、この人たち、あまりにも強い。何者!?

 金髪の女性に、猿轡を外してもらいました。

 私は自由になった口で事情を話します。


「メ、メガ・シチズンって人たちのパーティーに誘われて入ったんですが、アイテムがドロップした途端、急に縛られてボス部屋に放り込まれたんです・・・」

「なっ!? ――ひどい!」

「なんてことをするんですか!」


 にしてもこの人達。全身にダンジョンのドロップ品らしき装備をつけている・・・。ど、どうやったらあんなにアイテムを手に入れられるんだろう?


 小柄な女の子が、どこからともなく出した刀で、私のロープを切ってくれました。


 ですが、飛行機になっていたカーリーヘアの女性が慌てます。


「リッカ! 今、配信中だよ!? 銃刀法違反とか!!」

「これは美術品として登録してある。安心しろ」

「ビ、ビックリさせないでよ・・・」

「しかし、そのメガシチズンとか言う奴ら、スウの配信に思いっきり名前が乗ってしまったな。こりゃもうタダじゃすまんぞ」

「えっ、スウ!? ――貴女、スウなんですか!?」

「あ、うん。はじめましてスウです」

「す、すごい! 登録者数1500万人の!! って、一式 アリスさんじゃないですか!!」


 すると、小柄な方が胸を張りました。


「えっと」


 この方は誰だろう。

 小柄な方が、私の様子に、目を見開きます。


「えっ、もしかして、リッカちゃんを知らない感じ?」

「えっと・・・す、すみません」

「が・・・がぁん」


 助けてもらったのに知らないとか、失礼してしまったのでした。


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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 銀河の危機は解決しても、まだ地球にはこういうクズが横行してるんですなぁ…。ここはリッカに「てめえ等の血は何色だぁーッ!」とぶった斬って貰いましょうか、北斗○拳のレイみたく。 そ…
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