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ランプ探しを約束します

 ま、まあ、私が、人生を間違うのはよくあること。


 アリスが変になった空気を吹き飛ばすように、椅子前後逆に座って、背もたれで腕枕しながら尋ねてくる。


「涼姫は、中間テスト、また全部満点でしたね。学年トップ独走です。わたしなんか33位でしたのに。涼姫が目指すのは、W大かT大ですか?」


 私が頭いいのには、理由――というかズルがある。

 私は、銀河連合のVRを使って、時間が3倍の世界で勉強するというズルをしてるんだ。そりゃ学年トップにもなろうと言うもの。

 アリスも3倍世界で勉強してるんだけど、部活にモデルと忙しいみたい。まぁ、アリスも最近は、モデルより配信業にシフトしてるけど。


「医療系が有る場所に行きたいんだけど、W大は無いんだよねぇ」

「医療系ですかぁ。――銀河の彼方の惑星で抗生物質作ってましたもんねぇ。ほんとあの時は『貴方、化け物ですか?』と思いましたよ。――また、勉強教えて下さいね」

「いや、化け物は君じゃよ。アリスはたまに撮影で学校来てないし、部活も忙しいのに33位って」

「スウさんが教えてくれるから、わたしは成績を保てるんですよ」

「君の吸収力あればこそだよ」

「涼姫の教え方が良いんですって。――そういえば、ニュース見ました?」

「ニュース? ダンジョンの?」


 ニュースじゃなくて、爽やかなジュースなら飲んでるけど。くぴくぴ。んっ、―――爽やか!


「はい。ダンジョンです。渋谷にも出現したらしいですよ」

「渋谷にも!?」

「巨人とかは出なかったみたいで、近くのプレイヤーが涼姫ちゃんのマネをしてモンスターを倒したんでことなきを得たみたいです」

「良かった」

「ダンジョンは、なんだか中にはモンスターがいて、迷宮があるみたいです」

「ほんとに何それ・・・まるでネット小説じゃん」

「なんだか急いでダンジョン探索者資格っていうのが整備されてるらしくて――」

「まじかぁ」

「重要資源が採掘されるみたいで、それをダンジョン探索者に持ち帰ってもらいたいみたいです」

「あーね」

「わたし達も、そのうちダンジョンに挑戦してみませんか? ――涼姫ならフェイテルリンクで鍛え上げた戦闘力と、ゲットしたスキルがありますし、楽勝でしょう。ダンジョン配信もしてみましょうよ」

「ダンジョン配信かぁ」

「あとですね」

「うん」

「アイリスが教えてくれたんですが」


 アイリスっていうのは、フェイテルリンクの元・ラスボス――ワシが救った。

 マザーMoBっていう銀河の敵を生み出す存在にされてたんだけど、私が人間に戻した子。いや、仲間や、配信の視聴者の力も借りたんだけどね。

 今は命理(いのり)っていう友達と、仲睦まじく暮らして、百合の花を育てている。


「ダンジョンのどこかに、どんな願いでも3つだけ叶えてくれるランプがあるそうなんです」

「え!? ・・・・マジで?」


 あと、アイリスがそういう情報知ってるってことは、やっぱあの巨人はMoB関連なのか。


「はい。どんな願いでも叶えてくれるランプ、興味ありますか?」

「うんうんうんうん! 異世界転生できるかな?」


 私がヘドバンをしながら答えると、アリスが、眉間に皺を寄せた。


「止めて下さい。死なないで下さい」

「えー。じゃあこういうのは? 1つ目の願い『死後、記憶を持ったまま転生』、2つ目の願い『アリスとみずきと同じ異世界に転生』。3つ目の願い『死後、アリスとみずきと同じ時代に行けますように』。これで3つかな? ――あ、アリスとみずきだと2つ分の願いって言われたらあれだから、親友にしよう。2つ目は『死後、親友と同じ異世界に転生』。3つ目は『死後、親友達と同じ時代に行けますように』。――世界はこの本みたいな世界、とか指定しようかな」


 アリスも親友だけど、みずきも私の親友。


「・・・・それは悪くないですね。来世も一緒というのは嬉しいです」

「でしょでしょ? ――でも、願いが3個だと、チートが貰えないかも」

「チートは貰わなくても大丈夫でしょう、涼姫自体がチートですから」

「えー?」

「貴女が銀河の彼方の惑星サバイバルで、薬どころか機関銃や飛行機まで作ってみせたのを、わたしは忘れませんよ・・・」

「・・・あ、あー、そんなの作ったね」

「ではダンジョン配信をいずれしましょう。でも今は東京と横浜にしか、ダンジョンがないですからね・・・・わたしにすら遠いです。涼姫にはもう、異世界並に遠いでしょう」

「流石、我をよく理解しておるな」


 人類溢れる公共交通機関を使って長距離移動なぞ、できるものか。よしんばできたとしても、瀕死になる。

 アリスのコンサートだけは、かなり無理をして横浜に向かった。

 アリスが、自分の胸を叩く。ちっぱい。


「そりゃ、わたしは涼姫の第一人者ですから」

「それは若干怖いので、止めて欲しい」

「涼姫学は、この世で一番重要な学問ですよ!」

「私を学ぶの止めて。何も知られたくないの」


 私からは恥しか出てこないから。


「で、アイリスによると、ダンジョンはそのうち日本の全国各地にできるみたいですよ。そのどこかに、どんな願いも3つだけ叶えてくれるランプがあるんだとか」

「日本各地? えっ、ダンジョンができるのは日本だけ?」

「みたいです。まだ渋谷と横浜にしかないから、その2つにランプがある可能性は、低いと思うんですよね」

「それは・・・・そうだねぇ」

「――じゃあ、ランプ探しに、近くにダンジョンができたら行ってみましょうか!」

「うん!」

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― 新着の感想 ―
もしくは完全制覇の副賞みたいに特典で出てくるとかかなー
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