2. そういう風に作ったからね
本日、初投稿です。こちらは2話になります。
明日も3話と4話を投稿します。
なぁ、裏の川まで水汲み行くのも面倒なんだけど。
そうなのかい?
水って重くてよ。
裏の川ってどこなんだい?
案内するよ。
テコトコテコトコ…
ここの小川で水汲んでんだよ。な、ちょいと距離があるだろう?水持って歩くにゃキツイのよ。
ふんふん。あの赤い屋根がアンタの家だね。
そうそう、先っぽだけが見えてるとこさ。
マーサおばさんはしばらく小川と赤い屋根を交互に見て何か考えていました。そして、ひとつうなずき杖を取り出します。
うんうん。わかったよ。やってみるかね。
トンテンカンテン、ヒューイとジャッ!
さぁどうだ?
なんだ、もう出来たのか?
いやいや、アンタの家に戻って仕上げだよ!
テコトコテコトコ…
水甕はどこだい?
ここさ。
うんうん。いけそうだね。
トンテンカンテン、ヒューイとジャー!
ふう、できた
こいつをちょいとひねってごらん
今度はなんだい。また火が出るとかじゃないだろうな
何言ってんだい、火はさっき出ただろう?
こいつをひねれば水が出るんだよ!
ほらやってみな!
おおおお!水が出たぜ!
そりゃあ出るさ。
そういう風に作ったからね。
ディールの家は水も出るようになりました。
その夜ディールは町の酒場に出かけます。
白竜様に魔法を封じられたこと五度目。確実に一ヶ月以上は魔法が使えません。けれどそれを嘆きに行ったのではありません。
おうおう!聞いてくれよぉ!オレん家、魔法がなくても火も水も出るんだぜ!
なんだよ、ディール。お前昨日、白竜様に封印されたばかりだろうが。
そうさ!封印されたのによぉ、マーサおばさんのおかげでさ!
へぇー。
すげえんだよ!カチッとすりゃ、ボッて火がつく装置をつけてくれるしよぉ、キュイキュイってひねりゃ水が出る装置も作ってくれてよぉ。
なんだそりゃ。魔法がなくても使えるのか?
おう!そうさ!
こんな風にマーサおばさんが工夫して、魔法がなくても家で火が使えるようになったこと、裏の川まで水汲みに行かなくても家の中で水が出るようになったこと、そんなことを酔っ払ってごきげんに何度も何度もみんなに聞かせました。




