1.また、マーサおばさんが丘を登って行ったよ
初投稿です。本日は2話投稿します。
また、マーサおばさんが丘を登って行ったよ。
え?マーサおばさんが誰かって?
いやいや、あんたマーサおばさんを知らないの?
橋のたもとの大きな木に寄り添うように建っている可愛い家があるだろう?あそこがマーサおばさんの家だよ。
え?マーサおばさんがどんな人かって?
マーサおばさんはマーサおばさんだよ。
今は離れたところで暮らしてるけど子どもも孫もいるんだぜ。
たださ、孫がいるからってマーサおばあさんなんて呼んだら、いったい何が起きるか…。
その村人はぶるると震えるマネをします。
さてさて、噂好きそうな村人は放っておいて、私たちはマーサおばさんを追わなくちゃ!
ああ、まだ丘へ続く道をふうふう言いながら登ってますね。
コンコンコン、ドンドンドン!
丘の上まで登りきったマーサおばさんはそこにひょろりと建っている家のドアを叩きます。
おーい!ディール!いるんだろう?
なんだよ、誰だようるさいなー。
って、マーサおばさんかよ。
何しにきたんだよぉ。
また使えなくなったって聞いてね。
マーサおばさんはずいずいと家の中に入ってきます。
おぅ……あぅ…。そうなんだよぉ。
オレはちっと火の魔法が苦手でよぉ。すぐに失敗しちまう。悪いことしたいわけじゃないのによ。
びゅうって風が吹いて白竜様があらわれんだ。
マーサおばさんは台所まで入り込みあちこち覗きながら問いかけます。
何度目だっけ?
五度目だ。もうダメかねぇ。
さぁ、わからないけど。
一度目は三日。二度目は一週間。三度目は二週間。四度目が一ヶ月。
魔法が使えない時間がドンドン長くなってるんだろう?五度目は…。どうだろうねぇ。
家のことやんのも魔法が使えないと不便でよぉ。
そうだろう、そうだろう。だからさ、ちょいとそこをどいておくれ。
台所をあちこち見ているマーサおばさんの後ろをついてきていたディールは初めておばさんが何かしようとしていることに気がつきました。
なんだよ、なに始めるのさ。
まぁまぁ、ちょいとそこに座って見てればいいさ。四度目の時に考えてたんだけど、魔法が戻ったから出番がないかと思ったよ。
じゃ、始めようかね。
マーサおばさんは杖を取り出してヒョイと一振り
トンテンカンテン、ヒューイとピッ!
ふう、できた。
ちょっとアンタ、試してみてよ。
なんだいこれ?
ちょいとひねれば火がつくんだよ。
魔法が使えなくなったアンタでも火は使うだろう?
いつもあたしらを呼ぶんじゃ大変だろう?
へぇー、すごいな。
これをひねって…
おおおお!!火がでたぜ!
そりゃあでるさ。
火が出るように作ったんだからね。
これでディールの家は火が付くようになりました。




