6話 本陣突撃
本陣突撃
「珠樹。本陣に向かって突進してくる敵部隊ありだよ。恐らくだけど、アレは円卓機工の部隊だね」
皐文ちゃんが報告をしてきた。なんで私この立場なんだろう? ま、いいや。
「え、じゃあ誘い込んで左右から挟撃かな」
「いや、人がいないよ。自陣を守る人すらいなくなるレベルで出払っちゃっているもん」
たしかに、此処には医療班の子たちと私と、皐文ちゃん、代美ちゃんしかいないからなあ。
「じゃあ、代美ちゃんの矢の雨で何とかならない?」
「う~ん、それは厳しいよ~」
たまたま近くを通った代美ちゃんに拒否された。
「もしかしなくても結構なピンチ?」
「うん」
「じゃあこの手で、皆で魔術による攻撃準備。それを私が威力、個数を倍加させるよ!」
「なら少しでも戦える子を集めてくるよ~」
「僕は、もう少し敵の動向を確認するよ」
代美ちゃんはとてとてとみんなに声をかけに行った。皐文ちゃんは偵察の続きに、私は、迫りくる敵軍を見にマストへと上る。
「で、敵はっと、あれだね。戦車は無いけど、でもみんな武器を携えているね」
それもアレ全部武工って言われる魔力を秘めた武器だね。つまり、武工使いたちとの戦いって事か。つまり全員手ごわい。それが、100人ぐらいかな? そして、周りにいたはずの、最良世界の軍を蹴散らしつつ来ているから、かなり強いかも。
「でも、これじゃ足りないかな」
思わずつぶやく。私たちを止めたくば、
「後十倍は連れてこないとね!」
と、強がってみた。けどこれぐらいなら、総動員すれば何とかなりそうだね。
お婆ちゃんズ
「どうする~? ここまで来て、救世の犬に寝返るっていうのも」
「駄目だよ。光ちゃん。せっかく助けてもらったんだから、此処は、珠樹さんたちに付いて行こうよ」
あたしとしては、珠樹さんたちと一緒は嬉しいからいいけど、奈波ちゃんは少し考えが変わり、珠樹さんたちを止めたいって思っていたはずだから、少し聞いてみたけど、どうやら、恩を優先したみたい。
「そうだね~」
あたしこと光と、奈波ちゃん、そして杉谷は今後について話し合っていた。そこに、
「ちょっと失礼するわよ」
奈波ちゃんのお婆さんが入ってきた。
「あ、お婆ちゃんどうしたの?」
「困ってそうだったからねえ、少し手伝おうかと思ったのよ」
たしかに今、幼い姿のままの二人を見て戦えるか不安だった。ボディリメイク屋さんがやっていればとも思ったけど、この世界では、年相応の姿にしておかないと問題があるとかで、ボディリメイクもしてくれないらしい。だから少し困っていたが、
「ハイこれ。一人を選んで、その子に肉体レベルをそろえるお守りよ」
と三つのお守りを渡された。
「なんでそんな便利な物を持っているの!?」
「そりゃあ、ばあがこの世界に戻ってから作ったからよ」
「どういう事? お婆ちゃん魔術とか心得ある感じ?」
「まあねぇ、日向のばあと一緒に世界を揺るがしたころが懐かしいわぁ」
「奈波ちゃんのお婆ちゃん凄いね~」
「僕も初めて知ったよ」
二人でポカーンとしていた。それでもお婆ちゃんは止まらない。
「じゃあ、もう一手。打っておこうかねえ」
そういうと、通信端末を前に出して、
「お久しぶりねえ。日向さんや、13年ぶりかしら?」
『おお、久しぶりやな。ってそんな経ってへんわ! 犬飼のばあさん。で暗殺の依頼か?』
「そうねえ、この町に来ている、敵の親玉を一人。たしか、バタフライと言う子を一丁お願いねぇ」
『それだけでええんか? ほかの子らも狩ってきたんで?』
「いいのよぉ、若い子たちの出番を無闇にとるものじゃないからねぇ、じゃあ頼んだわよ」
『あんたらしいのか、らしく無いんか分からんわ。まあ分かったわ。じゃあ道具の転送お願いな』
「ええ」
まるでいつもの様子のようで、怖いこと言っていた二人の通信が終わった。
「本当はこの時に、日向の婆は亡くなっちゃったのよ。バタフライを斬る事には成功したんだけど、バーブンにやられちゃってねぇ。だからぎりぎりを攻めたわぁ」
「……そっか。お婆ちゃんこの後元気なくしてたもんね。そういう事だったんだ」
真意は、日向さんのお婆さんを生き残らせるためだったんだ。けどお婆さん一人で敵を倒せるのかな? 少し不安。
「じゃあ、行こうか。僕たちの出来る事をやるよ!」
「うん~」
「ええ」




