28話 飛ばす
飛ばす
「どうだ、珠樹。最終手段は準備できそうか?」
私は、珠樹は魔法陣に魔力を通し終えて、後は発動するだけに持ってくることができた魔法陣を抑え込みつつ神奈に、
「一応出来たけど、今、陣の中に入ってきた人たちが、邪魔だよ。今だと例外選択の限界であの五人は向こうに送っちゃうよ。けどザラタンの甲羅を利用するとはよく考えたね」
「まあな、ザラタンの背中に魔法陣を仕込んで正解だったな。後は魔力を通すだけだ。で、それなら少し待ってくれ。せっかく助けに来てくれたんだ。撤退してもらい、その上で展開してくれ」
「了解」
まあまあ、きついけどまあしょうがないかな? だって皆救いたいし。
「やっぱりここだったか。狭間の世界、高次元の生き物もいる、やばい世界」
飯野のお兄ちゃんが魔法陣を繋げて、詩織たちを助けたっていう話を聞いたけど、僕、皐文にも来れちゃったよ、この真っ白な世界に。そして、7つの祭壇に一人一柱ずつに座って、5つ埋まっている。つまり、
「此処に集まってもらう必要があるって事? まあ連れて来たけど」
「いや、その必要はない。全員がそろってさえいればよい」
「あなたはたしか……、ヴィシュヌだったけ?」
「その通りだ。では皆の者やるか」
「うん、頼んだよ」
その会話の間に、太陽神たちが高次元の生き物を倒していたのは見なかったことにした。ラーとアマテラスが席に着く。すると周りが光り出して、
(承認完了、この世界を残しましょう)
と聞こえた。けど、戦力として集まってもらっていた太陽神たちが戦闘に参加してもらえなかったのは辛かったけど、なんとかなりそうかな? 頑張ってよ。珠樹、僕もすぐ帰るから!
手に押し潰される、そう思って目を閉じていた瞬間。私、凪は何か落ちるような浮遊感に襲われた。そして恐る恐る目を開けると、
「おいお前ら、助けたんだから、少し役に立ってくれ!」
素早い敵(来須一)と、力強い敵と戦っている、悪魔憑きたちの姿があった。たしか名前は……、
「あ、藍井 従吾だっけ? あ、ありがとう。でもお兄ちゃんは?」
「それは知らん、お前の兄の指示だからな。とりあえず、あの素早いのと、怪力なのと対峙してほしい」
お兄ちゃんが気になるけどしょうがない。
「やるよ! 藤堂」
「りょうかーい」
で、一人は素早くこちらに寄ってきて、一人はゆっくりと距離を詰めてきている。
「とりあえず距離取りたいけど、どうすれば良いのかな? あの早い奴にスピードで勝てる気がしない」
「ですよねー」
「なら俺に任せてくれ!」
怪力の奴の方に吹き飛ばされてきた人がすぐ起き上がり、まるでダメージがないかのように、話しかけてきた。
「誰?」
「あ、僕は加藤 友則だ。一緒にあいつを倒そう」
「き、君も悪魔憑きだね? あたしがサポートするから頑張って!」
「応! 僕があの速いやつを止める」
「どうやって?」
「僕は予知能力があるからそれを使って攻撃するまでさ!」
こうして加藤と、早い奴来須一が戦い始め、藤堂は、魂使いの奴リザ・コシエンと戦い始めて、あたしはその支援を開始した。




