18話 ニゲニゲ
ニゲニゲ
「何とかなったね、光ちゃん」
「うん~。良かったよ~」
「わたくしも頑張りましたわ」
「ありがとうね、真美ちゃんも」
「はいはい、頑張りましたね~」
三人で力尽きて倒れていると、ヘラクレスが、
「お前たち、まだ敵は残っているが大丈夫か?」
「へ?」
周りを見渡すと、何やら怖い顔をしてこちらに向かってきているゴスロリ幼子がいる。アレかな? たしか前に見たことある。たしか、
「来須 一だっけ? なんでこちらに怒りを向けているんだろう?」
「たしかに~なんか殺意を感じるよ~。ってあれ? なんか増えてない?」
たしかに、一さんが増えている。2、3、4、10だんだん増えていっている。怖ない?
「と、とりあえず」
「にげよ~」
「そうですわね!」
三人で視線を合わせて頷き、船に向かって逃げ出す。そに追従するように大量の一が襲ってくる。
「私は此処で食い止める。君たちは先に行け!」
ヘラクレスがそう私たちに告げる。たしかに、召喚しなおせばいいからそれもいいけど、
「でも、わたくし達だけ助かろうなんてできませんわ」
「再度召喚すればいいだからここは逃げろ!」
「~~っ! 分かりましたわ!」
ヘラクレスに説得されて、僕たちは逃げだす。早く速く疾く。ふと振り返ると、ヘラクレスが人混みに呑まれていく。敵は一人を除いて全部同じ動きをしているように見える。恐らく、すべてにAIを仕込むタイプではなく、同じ命令をすべてに適用するブロードキャストタイプなんだろう。
「それにしても」
「うん~」
「そうですわね」
「「「なんかすごくキモイ!!」」ですわ!!」
凄く違和感がある! 同一人物が大量に要るのってなんかキモイ! しかも一糸乱れないっていうのもキモイ!
「おめぇら、大丈夫だか?」
なんかもう一人私たちに並んで走ってきた。
「見ての通り、やばいよ!」
「そうだね~やばいよ~」
「おらたちはおめぇらに用があるんだべ、少し手伝ってくんろ」
と、悪魔憑きの奥羽さんが一緒に逃げながら声をかけて来た。
「今それどころじゃないよ!」
「なんとか逃げないと~!」
「なら、えーっと名前忘れただ、そこのワームホール使い。こやつらを逃がすだ」
「俺の名は、藍井 従吾だ! 忘れるな! ってあんたらは!? しかも、姉さんまでいるじゃないか!?」
「あ、あの時の! 悪魔憑きだったねそういえば。合流出来たんだ」
「良かったですわ。たしかにあなたの能力なら可能ですわね」
「さあ送るぞ!」
従吾は私たち五人の前にワームホールを作り出して、そのまま私たちは窮地を脱した。




