15話 悪魔と比翼鳥
悪魔と比翼鳥
少しの間撃ち合いが続いたけど、そろそろ場を動かしたい。と言うかお婆さんが場を動かそうと、暗殺をするの構えに入っていそう。あの低姿勢の構えってそういう事だよね?
「とりあえず、あの邪魔な戦車を何とかしよっか。金のサモンエッグ投げつけるでいいかな?」
「けど回避されるかも~。後この弾丸の雨のなか顔出せるの~?」
「それはそうだけど、なんとかしないと、お婆ちゃんが突っ込みそうだよ?」
「たしかに、場を動かさないとだけど、動かしようがないよ~」
「なら私が何とかしましょう。これをあの戦車に当てればいいのですわね」
「あれ、いつの間に来たの? 真美ちゃん」
さっきまで少し離れたところで動向を見ていた真美ちゃんが来ていたのだ。
「それはもう、奈波ちゃんがいる所、私在りですから。では少し行ってきますわ」
「どうやって? あの銃弾の雨の中行けるとは思えないけど~」
光ちゃんの言う通りだ。あんな攻撃の中どうやって行けるというんだろう?
「真美ちゃんの能力はたしか肩代わりと、悪魔憑き能力が何かは知らないけど、それでも厳しいと思うよ」
「その悪魔憑き能力を使いますわ。命の共有です」
「でも命の共有って誰とするんだい?」
「そこの悪魔憑きとですわ」
そういうと、さっき戦ってくれていた、綺麗な人を指さした。
「でも、どうやって? それこそ、命の共有なんて能力、同意と接触が必要なんじゃ」
「そうですわね。ただそれはもう終わっていると言ったら?」
「準備が良いんだね~。任せたよ~」
「ちょ、光ちゃん!?」
「大丈夫、ちゃんとこっちに狙いを向けさせるから~」
そういうと、光ちゃんは木のサモンエッグで盾を召喚。そしてそのままその盾を構えて突貫していった。
「え、ええええ! 光ちゃん!?」
と、とりあえず、木のサモンエッグを僕も使ってドラゴンを召喚。掩護させる。
「今だね」
こっそり呟いて、真美ちゃんが物陰に隠れつつ、光ちゃんが突撃した方と逆側に回り込み、突撃を開始する。
「バレバレですよ!」
しかし、真美ちゃんは止まらない。まるで暴走特急のようにまっすぐ進んでいく。銃撃を肩に受けても、膝に受けても、心臓に受けても。
「何故、何故だ! 何故止まらない!」
「私、命のストックが6個ありますので簡単には死ねませんわ」
「なら、後3回殺すまで!」
そんな言葉の間に、光ちゃんが詰め寄る。じりじりと、しかし確実に。
「くそ! 君も動くな!」
光ちゃんは盾の裏で立ち止まる。なら僕も! ドラゴンに乗り、空に飛んで強襲を図る。ように見せかけて、こっそり、ドラゴンから降りた。
「見えてますよ!」
「真美ちゃん、光ちゃんやっちゃって!」
二人を安心させるために、声をだす。重力操作でうまく着地して、物陰に隠れた。少しして、相手の方を見ると、ようやく戦車が消えた。召喚の供物に出来たようだ。
「私を呼んだのは、君か?」
大男が召喚された。弓を持ち、神々しさがある、筋肉質の大男。
「え? ええそうですわ。わたくしが呼び出しましたわ」
「そうか、では、私は君のために力を振るおう」
その大男は、バーブンを視界に入れると、弓を構えて、
「その命もらい受ける!」
「なんなんだ貴様は! だがもう遅い! 私の狙いは、達成された。間もなく援軍が来るだろう!」
「いや、こないよ。君の時代から外の時代は13年あとなんだよ?」
「そ、そんな! それになぜ能力が使えな……。」
その次の言葉を放つことなく、大男の矢によって、バーブンは消え去った。
正義稼働開始
「本隊は全滅だと!?」
僕ことスゴンドは、解ってたことと言えど、驚いている。
「ああ、世界を上書きされて、消え去った。だから、残っているのは皆防衛部隊のみだ。だから、援軍を出す余裕はない」
分かっていた、本隊からの返信が来ない、それに謎の旧連絡形式での援軍要請。つまりそういう事だったんだろうというのは。
「だが、それでも援軍を出すべきではないのですか?」
そうだ、アームの言う通りだと思う。だって、世界の命運がかかっているのだから。
「それがだな、お偉いさん方はこっそりと絡繰世界への移住を考えているんだ。そのために、使者を送るために君たちを……」
「そんな馬鹿な事があってたまるか! 自分さえ助かればいいのか!」
「分かった。では我々にそれをお任せください」
「おい! アーム!! そんな話聞く必要……」
「上からの命令だ。聞く必要あるだろう」
「だが!」
「いいから行こう」
そう言って、部屋から出ると、何やらノートに書きだして、此方に見せて来た。話を聞くふりをして、我らが援軍に行く? 流石だな。
「分かった。では行こうか!」
「ああ、手勢を集めていくぞ!」




