14話 空中戦からの蠅落とし
空中戦からの蠅落とし
岩に隠れた敵は倒せなかったけど、でも飛んでいた邪魔な要塞は破壊してくれた。中に乗っている敵もどこの所属かはわからないけど仲間が倒した。で、後は、円卓機工との戦いだけど、
『雛、円卓機工の様子はどうだ? 見えたか?』
あたしに、松平がそんなことを訊いてくる。あたしは空を飛びながら偵察しているため、円卓機工の様子を伝える。
「う、うん見えているよ。こっちには来ていない。海上戦も制したみたいだし、円卓機工はやっぱり源羽軍を目指しているよ」
『なら、共倒れを祈るか。では、最良世界の軍の方は?』
「そ、そっちはもう統率が執れていないよ。これならもう、脅威じゃないね。あ、アレ?」
『どうした?』
「よし! 円卓機工が向きを変えた。こっちに来る!」
『どこが良しなんだ!?』
「これで暇しないよ」
『そうか、馬鹿か』
なんと失礼な事を、まあいいけど。あたしは戦うために生き延びたんだ。だから戦う。とりあえず、上空の敵を倒すとこから始めよう!
「さあ、戦闘開始だよ!」
あいさつ代わりに、機関銃で飛行部隊に喧嘩を売る。しかし、あたしの攻撃から守るように、魔力障壁が展開された。障壁を作った奴も飛行機工を装着している。
「なんであんたがそっちに居るのよ! 雛!」
「凄くまじめな事言うね、伊和。後勘違いしてそうだね。あたしは……」
「言い訳なんていいし! あんたが源羽軍につくなら、此処で倒してあげるのが昔馴染みのケジメだよ!」
「ええぇ? だからあたしは……、まあいいか。昔っから伊和とは戦ってみたかったんだよ!」
とりあえず、周りに戦闘機を展開。その他の敵の相手をさせる。
「私は戦いたくなかったよ! この戦闘狂!!」
その時、あたしの頭の中に言葉が響く。
『こちら式。同盟に成功したわ』
しかしあたしはそんな言葉を無視して戦闘を開始する。円卓機工は同盟相手じゃないからね。牽制にまず機関銃を撃ち込み、伊和は防壁を張って防衛する。それと共に私は空高く飛び上がる。それに合わせて、伊和も飛び上がり、あたしに続く、数分のドックファイトののち、あたしは伊和の後ろに余計な手出しをしようと、対空車両が出てきているのが見えた。そこに、周りに飛ばしていた戦闘機でミサイルを撃ち込み、地上部隊を脅かす。それに気づいた、伊和は防壁を張って到達させないようにするが、防壁張って立ち止まっている時間を見逃すほどあたしはお人よしじゃない。その隙に周りに居た航空部隊を落としつつ、後ろに回り込む。そして、
「くそっ、なんでこんなだだっ広い戦場で君に会っちゃうんだよ~。君さえいなければ、私は……」
「そうだね、あたしさえいなければ、伊和が制空権とれていたかもね。でもあたしは此処に居た。それに、赤槍の中で円卓機工を抑えるのはあたしの役目だったから、必然だよ」
「……そっか、あなたは源羽軍じゃ……なかっ……」
その瞬間巨人が現れた。よく見た巨人、たしかアミが巨大化した姿だったと思う。だけどこの禍々しいオーラは? そして、
「伊和をどうするんだい?」
「はあ? コバエは潰す物だろう?」
アミっぽい巨人は伊和を捕まえて、そのまま潰そうとする。
「やっぱり、君はアミじゃないね」
「そうだ俺は、ルシフェルだ」
「成程、君がアミの中にいた悪魔だね!! なら斬り付けても大丈夫そうだね!」
伊和を握りつぶすすんでの所で、雷切で手を斬り付け、そのひるんだ隙に、
「大丈夫かい!?」
何とか助けた。しかし、もう、伊和の見た目がつぶれたトマトのようになっていた。
「なんで助けるのさ……」
「あたしは戦闘狂だけど、殺しが好きなわけじゃないんだよ。それに、友を見殺しに出来るほど、人でなしじゃないんだよ」
「でも、もう駄目だよ、私。腕はつぶれて、肺も破れ、足もボロボロ。もう……」
「え、嘘! なんで」
「見てわかってよ……。もう無理だ……よ」
21グラム軽くなった気がした。くそ! あいつを倒したい。でも伊和の体を持ちながらでは戦えない!
「どうした? 戦わぬのか?」
煽ってくる伊和。でも、でも! ここで乗るわけにはいかない。
「あたしはお前を許さないよ! けど、けど! 伊和のために出来る事をするしかない! だから、逃げさせてもらう、よ!」
「ほう、この俺から逃げ……て行ったな」
あたしは即逃げた。あれだけ大きいなら動きも遅い。その上でジェットを噴かせて逃げれば、簡単に逃げれた。御免、伊和。助けてあげれなかった。




