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男女入れ替わりダンジョン配信!~元地下アイドルと落ちこぼれ退魔師、中身を交換したらお互いにとって最適な環境だった  作者: あけちともあき
わけのわからない修行伝説

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第95話 集合! 世界の変わった配信者動画

「まず、冒険配信者は全世界に分布しています。配信によるエンタメ効果がある国には必ずいると言っていいでしょう」


「もんさん教授! じゃあ、エンタメがない国はどうしてるんですかー?」


 院生の人が質問をしてくれた。

 にやりと教授が笑う。

 どうやらお約束のやり取りらしい。


「それはね、もう地球上には存在しないんです。配信をエンタメにして、冒険配信者を応援しなかった国は全てダンジョンに飲み込まれ、今はもう無い」


「えっ!?」


 衝撃的な答えだった。

 無い?

 冒険配信者がいない国は、全部無くなってしまった!?


 そんなバカな。

 僕たちみたいな退魔師とか、そういう存在がいる国は……。


「みんな、迷信だとして信じなくなったり、エンターテイメントとして消化できない程度には利権化していたわけです。気軽に配信者を応援できなくなって、ダンジョンと戦う力を保つことができず……」


 教授が恐ろしいことを言いながら、何かの動画を見せてきた。


「地球を見た映像? あれっ? 大陸の一部が色が変わってきて……。真っ黒になっちゃった」


「その国は未だに、国土全てがダンジョンに覆われています。今世紀最大の失敗国家と言われていますね。ここまで完全にダンジョン化した国は他に無いから、世界的にも攻略ができないでいる」


「つまりこれが……ダンジョンを放置した結果?」


「そういうことです。ちなみにお隣の中国も、十六年前に国土の大半をダンジョンに飲み込まれて消滅しかかった」


「あ、それは学校で習いました。本当なんですか?」


「僕の世代は、全員リアルタイムで見てますからね」


 院生の人がうんうん頷いた。


「うちはその頃まだ赤ちゃんだったし」


「ファノリーは私たちがこの世界に来てから生まれた娘だからねえ」


「さて、では本題に入りましょう。私は様々な配信者の配信アーカイブをコレクションしています。君はきら星を継ぐ者。並大抵の努力では、その称号に応えることはできないでしょう。……ということで。世界のオモシロ配信者を見ていきましょう」


「えっ!? 言葉の前と後ろが繋がってないんですけど!? えっ、えっ!?」


「まずは中国のリー・ダオロン。カンフーで戦う正統派の配信者……と見せかけて……」


 それは、リーさんという方の全盛期の動画らしかった。

 Aフォンの収納機能を使い、戦場に次々と小道具、大道具を並べていく。


 熊手、木製の椅子、長テーブル、木製の箱とそこに掛かるシート、天井から垂れ下がる白いロープ……。


「彼の戦い方は、劇場型。ダンジョンを自分という映画の一場面に作り変え、そこに誘い込んだデーモンを巻き込んで倒す」


「あーっ! 駆け寄ってきたデーモンが起き上がった熊手で顔を叩かれて! リーさんを追ったらテーブルの上を走って逃げられて、攻撃を当てたと思ったら椅子に飛び込んだリーさんのキックが炸裂して、二人でシーツの上を走るけど木箱の上でどんどんシーツが滑っていって、転んだリーさんの足がデーモンにスライディングみたいに当たった!」


「ぎゃはー!! おもしろーっ!!」


 僕は驚き、ファノリーさんは大爆笑。

 こ、こ、こんな配信があるのかー!!

 アクション・コメディみたいな展開の中、見事にダンジョンボスのデーモンが退治されてしまった。


「こういう、規格外で参考にならない配信者たちこそが、君が参考にしていくべき人々です。きちんとした訓練は続けつつ、徐々に比重をオモシロの探求に向けるのがいい」


「何かとんでもないことを言われている……!!」


「次にこの動画。これは乗り物で旅行する系の配信者でスドーさんという方なのですが、彼はその土地で走っていた乗り物を呼び出すことで、ダンジョンに立ち向かう。その土地の歴史や、そこに生きた人々の思い、そして現在に至る流れを解説しながら戦うことで、視聴者の共感を呼ぶスタイルだ」


「凄い。滑らかにスルスルといい声で解説し続けながら、どんどんダンジョンを歩いていく!!」


 こんな配信見たこと無い。

 なお、途中で出てくるモンスターはスドーさんが召喚する車や電車や船、飛行機にぶつかって「ウグワーッ!?」と消滅する。


「こ、こんな世界が……。リスナーもみんな、スドーさんのうんちくに感じ入ってる」


「ダンジョンは様々な土地に発生しますが、その土地の歴史をはらんでいます。だからこそ、こういう解説が生きてくるのですね。彼の配信の強みは、圧倒的な勉強量です。その土地に対して勉強して挑み、攻略と同時に旅行をしたような満足感まで与えてくれる……。こうして惹きつけられたリスナーが集まり、彼の力は更に強まる。それが冒険配信者というものです」


「な、なるほどー……! 凄い個性があるほど、みんなに応援されやすいんですね。確かに最近は、普通の応援が増えてた気がします」


「前の、エコバッグから何が出るかなって時は盛り上がってたけどねー」


「そ、それかー!?」


 なんかちょっと、ヒントみたいなのが生まれそうな気がする……。


「次は黒胡椒スパイスさんの配信で」


「あっ、この人、この間会いました! サンダーの同級生がこの人の子どもで……」


「ほう! やはりレジェンドは、次にレジェンドとなる人物と運命的に繋がっているんですね……!! 素晴らしい……!」


 文殊教授がなんか感激している。

 なお、黒胡椒スパイスさんの配信は、最近見た特撮という作品のヒーローみたいだった。


 外見はかわいい女の子なのに、目まぐるしくフォームチェンジして、その度に使う魔法が変わっていく。

 最後は魔法を纏いながら、自ら弾丸みたいになってキック!

 うーん、見栄えがする。


 これ、多分サンダーが目指す方向性じゃないかな。

 みんな参考になったけど、今日見た動画の中に、僕と直接つながるルートはない気がする。


 いや、あえて言うならリーさんかな……。


「考えてる考えてる! 明日奈がすっごく参考になったみたい! ありがとうねー!」


「どういたしまして! もんさん教授もありがとうございます」


「いやいや、いいんです。こうやって彼女の後継者と縁ができて、人生は本当に楽しいなと思っているところです。それと、君の今後の方向性ですが……。術などの素養があるようならば陰陽師などに師事するといいですし、人としての力で行くならば、小道具を使う方向なのでそういう舞台を作成する仕事の人に師事するといいでしょう。あとは、CGエフェクトを作っている人も参考になると思います」


 文殊教授が、そういう人達に向けた紹介状を作ってくれた。


「あーっ、何から何までありがとうございます!」


「いえいえ。君は僕にとって、古い友人の娘みたいなものですから」


「?」


 なんだか分からないけど、好意は受け取っておこう。

 さあ、僕のこの先を、どうやって展開していくか。

 考えていかなくちゃだぞ。 

お読みいただきありがとうございます。

面白い、先が気になる、など感じられましたら、下の星を増やして応援などしていただけると大変励みになります。

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― 新着の感想 ―
あ~、皆さん元気でやってらっしゃるようでw しかもリーさんとかスドーさんとかパワーアップもしてるようでw
文殊菩薩は智慧の象徴でしたね。これまたなんと壮大な伏線かと(笑)
やっぱりリーさんが1番手かw しかもスドーさんの能力が進化してるw 電車以外も呼べたのか。 文殊って実は普賢真人の十二仙の同僚?流石に偶然かなw
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