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男女入れ替わりダンジョン配信!~元地下アイドルと落ちこぼれ退魔師、中身を交換したらお互いにとって最適な環境だった  作者: あけちともあき
帰ってきた退魔師軍団

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第90話 打撃から雷出るぞ驚け

 退魔師に結界に閉じ込められたが、敵の姿は見えないぞ。

 でもあいつらって陰湿だから、絶対に近くで狙ってる。


 あっ、なんか背中がチリチリしてきたぞ。

 後ろだ!


「おらぁっ!!」


 振り向きざまにペンライトを振るうと、そこに出現した妖怪みたいなのに炸裂した。


『ウグワーッ!?』


「鬼だこれ! 殺風景な河原に鬼ってことは……賽の河原ってこと!?」


 筋骨隆々で、頭や肩や肘から角みたいなのを生やした、とてもイカツイ奴があたしを襲ってきたのだ。

 一撃食らわせたけど、ちょっと怯むくらいで倒れない。


 そしたらまた背中がチリチリした。

 退魔師本人が来るのでは!?


「きえーっ!! 死ね上鳴明!!」


「なんのぉーっ!!」


 飛んでくるのは投げナイフ!

 あたしはこいつを避けつつ、何本かはペンライトで叩き落とした。

 おっと、鬼が殴りかかってくる!


 振り下ろされる棍棒を、拳で迎え撃つ!

 いや、痛そう!

 だが仕方ない!


 同時攻撃してくるから手が足りなーい!!


 ところが!

 棍棒とぶつかった瞬間、あたしの拳からHITの表示と、目に見えてわかる電撃がほとばしる!

 こいつの爆発で、あたしへのダメージは肩代わりされたっぽい。


 反射的に雷が出てしまったな……。


「な……なんだ!? なんだその力は!! お前は連続の攻撃で強化されるから、防御一辺倒になるくらい攻め立てることで力を封じられるはずではなかったのか!!」


 ナイフが次々飛んでくる。

 意図的に不規則にしてるみたいだけど、そんなん音ゲーではいつものことだったりするんだよなあ!

 カンカンカンッと叩き落として、コンボ続行!


『条件を満たしました』


 ペンライトがレアランクに上昇する。

 そしてあたしの拳も。


 鬼の攻撃は電撃を放ちながら相殺してたけど、レアになると電撃の規模がデカくなる!


「おらあっ!!」


 鬼の棍棒を横殴りに叩いたら、そこから広がった電撃はクモの巣みたいに広がり、鬼の全身に炸裂した。


『ウグワーッ!!』


「うおおお! ここでAフォンを起動できれば……」


「任せて欲しいですぞー!」


 突然眼の前の空間が破れて、メガネをずらした恵美奈が飛び込んできた。

 瞳が青く輝いている。


「破魔の魔眼だと!? こ、この女……!! 魔眼の力で拘束を解いて……!」


 退魔師の声がする。

 だから魔眼ってなんなんだ!

 恵美奈の手には、あたしのカバンとAフォンが握られている。


 配信がスタートしたみたいだ。

 突発の配信でリスナーには悪いけど、一人でも来てくれると同接パワーが掛かる。

 来てくれ~!!


※『来ちゃ!』『やっぱ冒険配信の醍醐味は、突発の配信だよな』『サンダーみたいなバトル系配信者だと、これが楽しみまである』『日常もバトルだぜ!』『うおお、早速バトってる!!』


「おーっす! やってるぜ!! 退魔師の残党が攻撃してきてさ! だけど、俺が法術以外に魔法も使えるようになったことを知らなかったみたいだ!」


「ま、魔法だとーっ!? 法術と魔法を同時に使うなど、聞いたことも……」


 多分これ、あたしの魂の部分が魔法に親和性があって、肉体が法術を持ってて、それが同時に発現したんじゃないか?

 もしかして、明とあたしが入れ替わったのは、あたしが生まれ持っていた魔法の力だったりするのかも。


 だけどそれを考えるのは今じゃない。

 もりもり増えていく同接。

 その数165人!

 あたしの体にみなぎるパワー!


 配信しなくても鬼と拮抗できてたのは、あたし自身もパワーアップしてるんだと思う。

 そこに同接が乗ったらどうなるか?


「体が! 軽いーっ!! おらおらおらーっ!!」


 ペンライトが、拳が、膝が足の甲が鬼に叩きつけられる!

 刻まれるHIT数!


『条件を満たしました』


 レアからSRへ!

 あたしが黄金のオーラに包まれる。

 浴びせる一撃一撃が、鬼に痛打を与えているのが分かる。


※『ウオーっ! 打撃音きもちぇー!!』『リズミカルバトルここに極まれり!』『かっこいーっ!』『光と音でトランスする~!!』


『ウグワワーッ!!』


 鬼の巨体がよろめいた。


「さ、させんぞーっ!!」


 ナイフがまた数本、あたし目掛けて飛んでくる。

 だけどあたしは振り返らず、背中のチリチリでタイミングを合わせ……。


「おぉらっ!!」


 後ろ蹴りでナイフを叩き落とした!

 ……と思ったら、そこから発生した雷撃がナイフを伝って飛ぶ!

 そしてどこかに隠れていた退魔師に、見事に命中したらしい。


「ウグワーッ!? ギャワーッ!!」


 すっごい悲鳴が上がった。

 そして周囲の結界が壊れ始める。


 あれ?

 もしかして退魔師本人をやっつけた?


 鬼も輪郭が薄くなっていく。

 あ、こいつ、逃げる!


※『逃がすなー!』『行けー!』『やっちまえー!!』『がんばれー!!』


「まーた体に力がみなぎった! 応援サンキュー!! おぉーらっ!! 雷付きの打撃、まとめて持ってけーっ!!」


 あたしの渾身のペンライトが、鬼に叩き込まれる!

 極太の電撃が走り、それが直撃した鬼が目や口や耳から光を放ちつつ、


『ウグワアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!』


 と絶叫!

 爆発した!


「お、お、俺の……妖怪が……! 畜生……! こ、こんなバカな……」


「かみな……サンダーマスク、敵が逃げるよ!」


「あいつら、逃げ足だけは異常に早いんだよなあ……」


 鬼の爆発に紛れて、退魔師は消えてしまっていた。

 最後まで顔を見せなかったなあ。


「ちょっと、配信に写りそうだから顔隠して。顔!」


「あっあっ、分かりましたぞ……分かったわ」


 恵美奈が慌ててポケットからマスクを取り出し、メガネも違うデザインのに掛け変えた。

 違うの持ってたんだ!?


※『なんだなんだ』『画面外から可愛い声がする』『女子!?』『匂わせか!?』『いやー! サンダーは女と付き合ったらだめー!』『厄介なのがいるな!』


「そんなんじゃない! えー、クラスメイトで協力者のえみ……Aちゃんだ。よろしく!」


「え、Aでーす。よろしくお願いしまーす! うぇーい」


 恵美奈、清楚な感じのロングにオシャレな黒縁メガネつけて、うぇーいはイメージ合わないんじゃない……!?


※『清楚系なのにギャルっぽくしようとしてる』『かわいい』『本当に彼女じゃないの!?』『こういうのは付き合ってるに決まってるんだ』


 あたしの過去を知らないやつが増えたなあ!


「付き合ってません」


「ガーン」


※『今Aちゃんがガーンっつったぞw!!』『どうなってんだサンダーw!』『まあこいつがモテるのは分かる』『だが今回、新しい協力者が出ちまったな』『次回も出る?』『うう、恋破れましたサンダーのファン辞めます』『そう言って次回も見に来るんでしょ』


 異性とのコラボは難しい……難しすぎるぞ!

 あたしはその後、クラスメイトで撮影の手伝いをしてもらってる、みたいな理由付けをしてリスナーの説得を試みるのだった。


 頼むぞ、炎上しないでくれよ~!!

 なお、ツブヤキックスのあたしのタイムラインは、いい感じでプチ炎上かつ、お祭り状態になってしまうのだった。


 た、退魔師どころじゃなーい!!

お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
Aちゃんがんがえ〜!
既にデフォてアンコモンだからコンボボーナスがいきなりレアから始まるサンダーの拳……地味に日常的に素手の手足がアンコモン級って凄いよなぁ……
サンダーは同接なくてもやたら強いなw なんで魂が元アイドルなのに背後から飛んでくるナイフを察知して迎撃できるんだw
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