表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男女入れ替わりダンジョン配信!~元地下アイドルと落ちこぼれ退魔師、中身を交換したらお互いにとって最適な環境だった  作者: あけちともあき
帰ってきた退魔師軍団

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

89/106

第89話 釣りから帰ってきたらだ

 ふうらいエレメンツ発表前に、男になってから初めて実家に帰った。

 肉体的には明なので、いいのかこれ?

 とか思ったのだが……。


 母が異常に歓迎してくれてて、父はしばらく絶句した後……。


「釣り……行くか!!」


 と力強く告げたのだった。

 そして、あたしと父でキャンプに出発。

 どうやらあたしが釣りしてたアーカイブを視聴済みらしい。

 話が早い。


「明日奈は女の子だったし、芸能関係にずっと興味があっただろう。だからなかなか俺のアウトドア趣味に誘ったりしづらかったんだが……」


「うん、釣りは楽しい。よく実感したわ」


「良かった! じゃあ、俺のコレクションから好きなのを使って釣るといい! 向き不向きはあるが、それも経験だぞ。邪魔じゃなければ一本ごとにうんちくを語る」


「男ってうんちく好きだよねー。明は全然そんなことないのに」


「その明ってのは、お前の彼氏か……? いや、入れ替わったんだから彼女……いや、体は明日奈なんだから俺の娘でもあるのか……。むむむ」


「運転中に悩まないでくれる!? 怖い怖い!」


 こうして父とキャンプに行き、なんだかあたしの釣り竿が妙に釣れ、ついには河のヌシではないかと思われる巨大な魚を釣り上げ……。


「うおおお!! 抵抗するんじゃねえええええええ!!」


 拳から電撃を放ってとどめだーっ!!


「うおーっ! やった! やったー!!」


 あたしが大物を釣って、やたらハイテンションな父なのだった。

 その後はキャンプして星を見上げながら焼いた魚を食べたりし、父娘の語らいみたいなのをやった。


 男になってどうだった? みたいな質問をされたけど、すっかり慣れてしまったんだよなあ……。

 あたしは、女に戻れるのか!?


 あまりにも神のみぞ知る過ぎる。

 大量のお土産を持たされて帰還したら、事務所が五倍の大きさになっていた。


「急展開過ぎる……!!」


 そしてふうらいエレメンツの発表!


「休む暇がない! いや、それなのにみなぎる力、体力! あたしはどうしてしまったんだ……!」


 そんな感じで6月上旬を駆け抜けた。

 怒涛過ぎる。

 来月には夏休みが来るってマジ?


 学校と並行してすらこの異常な密度なのに、夏休みになったらどうなってしまうんだ……。

 あたし、絶対に30日間の休み全部に予定をぎっしり詰め込むぞ。


「僕はカザトモのみんなから水着配信を希望されてる……」


「あんたそれセクハラよ! リーシュさんに全員BANしてもらいなさい」


「ええーっ!?」


 明は男なので、こういうセクハラ的なのには疎いからな……。

 それに去年までの水着は全部入らないと思うんで、新しく買わねばならないだろう。

 肉がついたあたしの体に似合う水着か……。


 あっという間に6月半ばに達し。

 今日も今日とて、オカルト部でダラダラした後、恵美奈と下校するのだった。


「いやあ、なんだか二年生になってから、毎日が楽しいですなあ」


「それは同感かもな。なんというか凄く濃い……」


「上鳴くんは配信もしてるからでは? 私も配信追いかけてますぞー」


「おう、いつも視聴ありがとうな」


 最近の恵美奈は、前ほどベタベタしてこない。

 なんというか……隣が当然のように定位置ですが? みたいな顔をしている感じだ。


 ほむら曰く「あれは完全に彼女面してる。あの魔眼使いめ」とかなんとか。

 そもそも魔眼使いとはなんぞや?

 考える暇など無かった。


 なぜなら、宇宙さんから連絡が来たからだ。


『取り急ぎ連絡。退魔師集団が京都の包囲網を突破した』


 SNSで連絡してきたのは、電話だと聞かれる可能性があるから、とか?


『どういうことですか? 包囲網って?』


『陰陽師と迷宮省で、京都の退魔師本部を監視していた。ここ一ヶ月は動きが無かったのだが、突然彼らは活動を活発化させた。先程、退魔師の上席に当たる五名が包囲網を突破、うち三名が東京に向かっている。気をつけ給え』


『気をつけるって言われてもなあ……!』


 いきなりのこと過ぎる。

 そう言えばあたし、退魔師連中と戦ってたなあとようやく思い出すレベルだ。


「どうしたんですかな、上鳴くん?」


「あー、まあこっちのことなんだけど。また面倒事が起きそうでさ」


「もしかして……以前襲撃してきた連中がまた来るのではないですかな?」


 鋭いな……!

 あの時、恵美奈も一緒にいたもんな。


「目的は上鳴くんか、それとも私か……」


「恵美奈が目的ってことある?」


 あたしが聞いたら、彼女はちょっと驚いた顔をした。

 それから笑う。


「あるかも知れませんぞ。そしたら上鳴くん、私を守ってくれますか?」


「当たり前だろ、友達だもん」


「そ、そ、即答した……!! 友達ってところが引っかかりますが、よく考えたら決定的な進展は全くしてないので妥当な返答……!」


 何をぶつぶつ言ってるんだ。

 だが、恵美奈的には気に入った回答だったようだ。

 ご機嫌になって、隣を軽やかに歩き始める。


 そんな彼女の足が俺の一歩先に出た瞬間、恵美奈の姿が消えた。


「えっ!?」


 周辺が全く違う環境に変化している。

 歩き慣れた街中の道路から、大小の石ころやあばら家が点在する、荒れ果てた河原に。


「結界か!! だったら……バーチャライズ」


 あたしは咄嗟にAフォンを起動する。

 アバターを被って、サンダーマスクになった。


 そこに飛んでくる、物騒なナイフ。

 しかもまとめて数本だ。


「持ってきてよかった、ペンライト! ほっほっはっ!」


 ナイフをテンポよく叩き落とすと……。

 視界内にコンボ成立の表示が出現した。


 つまり……ここは普通の世界じゃなくなったってわけね。


「どこにいる? 退魔師だろ、これやってんの! 恵美奈を隠すなー! 出せー! さもないと大暴れするぞ!!」


 あたしの言葉に、含み笑いが答えた。


「そう焦るな。我らは新たな力を得た。まずは我らをここまで追い込むきっかけとなった貴様、上鳴明を排除する! そして魔眼使いを土産として持ち帰る!」


「また魔眼使いとか話をしてる! まずそこから説明してくれっての!!」


 こうしていきなり始まる、退魔師たちとの再戦なのだ。


お読みいただきありがとうございます。

面白い、先が気になる、など感じられましたら、下の星を増やして応援などしていただけると大変励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
そうか〜、恵美奈さんの魔眼は土産になるレベルかぁ……って、ほむらちゃんの魔法弾くくらいだからかなりなツワモノかw 多分サンダーがその辺認識出来ないようにジャミングもかけてそう。難聴属性ないのにここまで…
そういえば退魔師ってまだ残ってたんだっけw 魔眼使いって魔女系統な気がするけど、 アンテナ低そうな退魔師達がどうやって知ったんだろう? ひょっとしてスパイス一家や魔導書も狙われる? 怒り狂ったスパイス…
恵美奈さんの今後の活躍に期待します。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ