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男女入れ替わりダンジョン配信!~元地下アイドルと落ちこぼれ退魔師、中身を交換したらお互いにとって最適な環境だった  作者: あけちともあき
歌とかダンスとか

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第74話 歌とダンスの練習を!?

「明日奈はさ、歌みた動画とか踊ってみた動画とか出さないの?」


「はえ?」


 ある日学校で。

 5月も後半になり、いよいよ僕も女子校に馴染んできた気がする。

 今や、どう見てもこの学園の生徒にしか見えないだろう。


 そんな僕に、隣に座るファノリーさんがいきなり不思議なことを言ってきたのだ。


「歌みた動画? 踊ってみた……?」


「えっ!? マジ!?」


 なんか驚かれている。


「登録者が20万人を超えた明日奈が、歌みたと踊ってみたを知らないなんて……!! どうすれば知識を得ずにそれだけの登録者を……!?」


「えっと、今は雑談と、週一のダンジョン配信をしてて……。ゲームっていうのも挑戦してみようとしてるんだけど……」


「知ってるー。全部見てるし。なーんかお喋りを聞いているだけで満足しちゃうんだよねえ。ただ、明日奈がマンネリを打破しようとしているのは分かる……」


「分かりますか。やっぱりおんなじことだけだと、みんな飽きちゃうと思って。そっか、歌みたって、歌うんだよね? 踊ってみたは踊るの? ショート動画とかでもいい? ふんふん」


 ファノリーさんから聞く新たな知識。

 どこかで聞いたことがあるような気もするけど、以前ならああしよう、こうしよう、と提案してくる花咲里さんが、自分の事で手一杯だからね。

 僕は僕で、配信のことをやってかなくちゃいけないのだ。


「それで明日奈、ご経験は?」


「ないなあ」


「よし、練習しよう! 今日カラオケ行く人ー!」


 ファノリーさんが立ち上がり、高らかに募集すると……。


「はーい!」「はいはい!」「はいはいはーい!!」


 三人くらいクラスメイトが集まってきたのだった。

 か、カラオケ~!?


 こうして流れ込んだカラオケルーム。


「我々は、花咲里明日奈が配信者であることを知っています!!」


 黒髪ストレートで、和風な印象の女の子が言う。

 彼女は撫子さん。


「うんうん、ずっと遠巻きに応援してきたんだけど、この機会を逃してなるものかと本日は陸上部を休んで参戦しました!!」


 赤っぽい髪色で、ショートカットの女の子。耳がちょっと尖っているのは、母親がエルフなんだって。

 彼女は楓夏さん。


「前の花咲里さんはちょっと怖かったけど、今の花咲里さんはふんわりしてて優しい感じだもんね。だけど、きら星の名を持つ人と仲良くなるのは緊張する。ドキドキ、バクバク」


 小柄で、お団子ヘアの女の子がうんうん頷いた。

 彼女は美紅さん。


「ということで我々はー!」「きら星かざり応援クラス連合を結成するー!」「わーわーどんどんぱふぱふー!」


「うんうん、強力な応援団がきたねー! どうよ明日奈」


「まさか僕の正体がクラスメイトに知られていたなんて……!!」


 僕が衝撃を受けていたら、四人がおいおい、と突っ込んできた。


「明日奈の入れ替わった理由はアーカイブで全体公開されてるじゃん」


「我々はー! 今の花咲里さんが大好きでーす!」


「わーわー!」


 撫子さんと美紅さん!


「ところで、私の曲なので行かせてもらおうかな……。まずは一発目……きら星!!」


 マイクを持って立ち上がる、楓夏さん。

 へえー、こんな曲が……。


「おいおいおい、明日奈が初耳って顔してるぞ!!」


「なんですってー! 後継者として直々に指名されたのに全く履修していない人の顔だーっ!!」


「うおおおー、どよどよ、ざわざわ!」


 いやあー。

 先代とか言われても、僕はあんまりピンと来てないもので!

 そもそもきら星っていう苗字も、葉月ママからあげるって言われたものでは?


 その伝説のきら星っていう配信者と何の関係が?


 僕がきょとんとしていたら、女子たちがスンッとなった。


「ヤバい、マジだ。気付いてない」


「この純粋な輝き、守りたい。守りたくない?」


「キュンキュン来る」


「こらーっ! 私の歌を聞けーっ!!」


 どうやら女子たちの間で話がまとまったらしい、

 みんな、マラカスやタンバリンを持ち、さっきまでの話は置いておいて大いに盛り上げ始める。

 僕も手拍子を叩いて大いに盛り上がった。


 そこでドリンク到着。

 歌い終わった楓夏さんが戻ってきて……。

 ファノリーさんが立ち上がった。


「ではー! 不肖、きら星かざり後援会会長であるうちがー! 音頭を取らせてもらいまーす!! きら星かざりの今後の一層の飛躍を願ってー!! かんぱーい!!」


「かんぱーい!」


「かんぱーい!!」


「かんぱーい! かっちーん!」


「か、乾杯~!」


「これからのきら星かざりを猛プッシュしてーっ!! 配信界の頂点へ送り出すぞーっ! かんぱーい!!」


「かんぱーい!」


「かんぱーい!!」


「やるぞやるぞーかんぱーい!!」


「ええーっ、に、二度目~っ!?」


 なんだなんだ、この盛り上がりは。

 そして女子たちの目が僕に向く。


「じゃ、歌っていこうか! 明日奈ってさ、どういう歌を知ってるの? 最近の曲とか聞くの?」


 ファノリーさんに細かく聞かれ……。

 最近見て頭に残ってるなーっていう曲を口にした。


 歌詞は曖昧だけど、メロディが頭に残ってるんだよね。

 歌手は誰だったかなあ。

 配信者の人達が、グループで歌ってたような。


 あっ!

 あれが歌みた動画かあ!

 僕は理解したぞ!


「よし、じゃあうちと歌ってみるか! 明日奈はどっち担当する?」


「どっちって?」


「あの曲、放課後プレデターズのサバンナでしょ? 今の明日奈は知らないだろうけど、元々の花咲里明日奈はこれで担当パートがあって……」


「あー! 動画で歌い分けしてた。それかー。じゃあ僕、歌い始めの音声で……」


「ほいほい。これ、パートが色分けされてるから分かりやすいからね。プレデターズは六人だからひとり足りないけど……まあいけるっしょ!」


 こうして!

 カラオケで、僕の歌のレッスン? みたいなものが始まってしまうのだった。

お読みいただきありがとうございます。

面白い、先が気になる、など感じられましたら、下の星を増やして応援などしていただけると大変励みになります。

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― 新着の感想 ―
明に歌という新たな武器が!
>「明日奈の入れ替わった理由はアーカイブで全体公開されてるじゃん」 >「我々はー! 今の花咲里さんが大好きでーす!」 ラーテル「………………」こめかみと口の端ピクピク
>プレデターズは六人 幻の6人目が!? というかPが逃げる前にカラオケにあるような曲は出してたのかw
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