第196話 今だ見せろ合体攻撃!
※『風神号くんが!!』『風神号きゅんが変わった!』『忍者の衣装だ!』モチョチョ『前のかざりんの配信で作ってた烈風隊と合体するのか!』太鼓『ほう、半袖半ズボン忍者、やりますねえ』『少年のふともも!!』『少年の二の腕!』
『そのようですね。では行きます! たーっ!』
風神号が飛び上がって、大きな手裏剣をパパパっと放った。
そうしたら、海から出てきていた半魚人たちにサクサクと突き刺さり、彼らが『ウグワーッ!』とよろめく。
まだ一撃でやっつけるほどの威力は無いみたいだけど、足止めなら十分!
「よし、カマイタチ! クロ! オチャ! シロ!」
『キュッキュー!』
『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』
動きが止まったモンスターを、切崎さんが片付けた。
「やるじゃん、風神号! ガッシーも負けてられないな!」
『もがーっ!!』
対抗心を燃やしたみたいで、ガッシーが実体化&巨大化。
半魚人たちに拳を叩きつけて次々にやっつける。
モグラ叩きみたい。
「薙ぎ払いますぞー! ずがたかーい!!」
「おっと!」
僕がしゃがみ込んだ上を、紫色の光線がグルンと回りながら飛んでいった。
刑部さんの魔眼だなあ。
手にしたアイテムで、強化できるようになってるみたい。
モンスターたちが次々魔眼でやられて『ウグワーッ!』と倒れていく。
※『エイミーがよく分からんうちにパワーアップしてる!』『ふっふっふ、メンバー限定配信で俺達魔眼の民とともに研鑽を重ねていたのだ』『部屋に出てきたゴキブリを薙ぎ払った時はみんなで快哉をあげたものだ』『愉快なことしてるなー』
「刑部さんところのリスナーさんも面白いねー」
配信者と一緒になって技を開発してた!
しかも家の中から一歩も動かず!
昼間、冷房の効いた家に閉じこもって何してるんだろうなーと思ったら。
人間、外に出なくても強くなるんだねえ。
次々に出てくる半魚人が片っ端からやられるので、ダンジョンをあまり進まない内にボスモンスターが業を煮やして現れたみたいだ。
小山みたいな大きさの、やっぱり半魚人!
『うごごごごーっ!! 我らは水の大魔将復権協会!! 地に上がり、オシャなコーヒーショップで社会的成功を収めている、同胞と呼ぶにはあまりにも人間側に与した者共や、浜辺でライフセーバーや海関係の事業を行いつつ現地人の異性と家庭を持つ軟弱な者共とは違うのだー!!』
「なんか叫び声から悲哀を感じる……!」
※『モンスター業界も世知辛いんだな……』『世渡りが上手いモンスターは亜人種としてこっち側の社会に参加するからなあ……』『そうですよ。私もアビサルワンズですが普通に会社員やってますからね。いつまでも旧弊な世界にしがみつくのは良くない』『うわーっ、水の眷属も社会参加してるのか! 俺、土の眷属!』『土の~! 火と風はちょっとモンスターすぎるから無理だろうけどな』モデレーター『チャット欄で本当に身内のチャットするのやめて下さい』『アッハイ』『ハイ』
『うごごーっ! 全てをぶち壊してやるーっ!! 浜辺の人間たちを海に引きずり込み、我らの眷属に改造し! 七月から八月半ばくらいまでの海を占拠することで海水浴できないようにさせてやるのだー!!』
「ちっちゃいこと言ってるけど、最近は海水浴しなくなってきてる時代だろ? それをさらに進めてしまうようなこいつは、やっつけなきゃダメだな」
サンダーがやって来た。
「そうだね! それに、このボスモンスターをやっつけたら、スッキリと配信も終えられそう。やろう、サンダー!」
「おう! 行くぜかざり!」
サンダーのライトバーントレットが光る!
僕のパイルバーントレットが唸る!
なんかオモチャが自我を持ったみたいに、勝手に起動してる?
これも同接システムによるものかな……!?
『うごおーっ!! 我らは新たな出資者の協力で力を取り戻した! 今! その力でお前達配信者を排除する~っ!! 弱小配信者グループであるお前たちを皮切りに、我々は海沿いにダンジョンを展開、侵略するのだーっ! うおーっ! 天使パワー全開!!』
※『天使って言っちゃった!』『巨大半魚人の背中に羽が!』『天使、色々手広くやってんなー』回転『自分たちだけだけではなく、社会に不満を持つ者たちを手駒として使うわけか!』『悪だねー』
『神聖半魚人ビーム!!』
巨大半魚人の口から、水とビームが混じったやつが僕たち目掛けて降り注ぐ!
だけど、これを僕とサンダーは真っ向から受け止めた。
繰り出したオモチャのガントレットが、光り輝きながらビームを弾いたのだ。
「なんかかっこいいんだけど!」
「配信者って、今までの関係性とかこれまでの活動歴とか、そう言うもの全部が乗っかってきて武器になるらしいね」
サンダーの言葉に、僕はびっくり。
同接だけじゃないんだ?
「だったら……僕とサンダーだとかなり強いんじゃない? だって結構、特別でしょ!」
「ほんとそう! 行くぞかざりー!!」
「行こう、サンダー!」
砂浜を蹴ってジャンプしたら、びっくりするくらい跳べた。
サンダーも横に並んで、ライトバーントレットがピカピカと輝いている。
僕のパイルバーントレットは、勝手にジャキーンと展開した。
トンファーモードからパイルバンカーモードだ!
ビームを縦に切り裂きながら、僕らが飛翔する!
『なんだーっ!? なんだその謎パワーはーっ!? こちらが接触してきた怪しい天使から力を供与されてパワーアップしたのに、お前らはノリでパワーアップするのか! ずるい! ズルすぎるぞーっ!』
「喋ったからビームが止まったぞ! 今だーっ!!」
『し、しまったーっ! ウグワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!』
「貫通だーっ!!」
僕とサンダーがダブルで、巨大半魚人の胴体に炸裂!
そして貫通して、背後に飛び出した。
僕らの後ろで、半魚人が倒れていくところだった。
『うごごごご……手っ取り早く力を得るんじゃなく、地道に同族コミュニティを作るとか草の根活動をしていけば良かった……ぐふっ』
消滅する。
それと同時に、ダンジョンも消えてしまった。
「ウグワーッ! なんか衝撃で私の水着がポロリしてますぞー!」
※『なにっ!』『ヌッ!』『カメラ何してんの!!』『映せ、エイミーを映せーっ!!』
あっ、なんか風神号が分離してた撮影機能が、凄い勢いで浜辺に引き戻されていく!
だけど、もうエイミーは切崎さんの協力で水着を付け終わった後だったらしい。
良かった、アワチューブからBANされずに済んだね……!
たくさんの男性リスナーが悔し涙を流したらしい……!
お読みいただきありがとうございます。
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