第195話 色々お披露目、海のダンジョン!
「みんな気をつけてね! 夏のスペシャル配信の締めはハッピーに終えるんだから」
ルンテさんの言葉に、全員が頷く。
「いやー、でもおかしいなー。ダンジョンが発生しないはずの海なんだけどなー。誰かが運命的に引き寄せない限りはなー。不思議だなー」
ルンテさんはなぜ僕をチラチラ見ているんだろう!
「まるでかざりがダンジョンを呼び寄せるみたいになあ……」
サンダーも不思議そう。
※『それがありえるかも』今川『かつてのきら星は運命的なダンジョンやらイベントやらを次々に引き寄せて破壊していったでおじゃる』『古参リスナーっぽい人がとんでもないことを言ってるぞ』モチョチョ『水着のままダンジョンとか楽しみ! ポロリはないだろうなあ』『昨今の情勢的にないでしょうな』『アバターだしな』『生身もいるぞ』『ヌッ、頼むぞエイミー!!』
「お願いされませんからな!!」
「ダンジョン配信生で見るの初めてだなー。ちょっと近くまで行っていい? イイヨー! ありがとうー!」
「サンダー、なんか新井さんついてくるんだけど!」
「新井さん! 危ないから! マンマーの人、この人止めてー! エンジンが掛かるとどんどん前に来るんだよこの人!」
切崎さんとサンダーに言われて、マンマーさんたちがわーっと寄ってきて新井さんを確保した。
「あーれー! まあ、これはこれで男子にもみくちゃにされているのでモテ気分……」
運ばれて行ってしまった。
「あの人、基本的に燃え尽きてるっぽいんだけど、たまに残り火が発火するんだよな」
「配信で映しちゃって良かったんだろうか……」
そこはリーシュさんが上手くやってくれると思うなあ。
こうして僕たちが挑むのは、浜辺に突然生まれた、一歩踏み込んだ瞬間に周囲一帯を逢魔が時に変える砂浜。
今まで無かったはずの古びた木造民家とかがあちこちに出現して、そこから誰かがじっとこっちを見ている感じがする。
「凄くホラーな感じになってきたね。これぞダンジョンって感じがする。退魔師の血が騒ぐ~」
※『かざりんがやる気になっていらっしゃる!』『そして取り出したアイテムは……なんだあれ!?』『クリアパーツのトンファーがついたガントレット!?』太鼓『前シーズンのメタルヒーロー、一気通貫パイルバーンのなりきりアイテム、パイルバーントレットだ!!』回転『有識者……!!』
ほうほう、そういうアイテムだったんだ!?
確かに説明書も付いてきてたもんね。
僕がこれを配信に持ち込むに当たって、ルンテさんがちゃんと版権元に許可をもらっていた。
最近は、配信者が武器として使用するとなると、販売するオモチャ会社はすぐに許可を出してくれるんだよね。
ちなみに、ちゃんとダンジョンで武器として使うというのがルールになる。
向こうではサンダーも光り輝くガントレットを装備している。
※太鼓『あ、あっちは二号ヒーロー、ライトバーンのなりきりアイテム、ライトバーントレット! 光り輝くだけじゃなく、音とともに変形するのが楽しいぞ!』回転『詳しすぎる』
突然現れた太鼓さんの説明だけど、同じ文章をスパチャに乗せて流してくれたので沢山の人がこれを見ることになった。
『マスター、これでリスナーの共通認識が生まれました。武器がパワーアップします!』
「そうなの!?」
そうらしい。
その武器とか道具の意味合いを多くの人が共有すると、威力がアップするんだって。
なお、エイミーはなんか拡大鏡を使って目を大きく見せて、そこから紫色の光線を出している。
あれはなんだろう……。
あっ!
エイミーの紫光線が、海から出てきた半魚人のモンスターっぽいのを紫に染めた!
しおしおと倒れる半魚人モンスター。
「ぐはははは! 私の魔眼炸裂ですぞー! こっちからはぼんやりしか見えないのですが、あっちが私の目を認識すると呪いに掛かりますからな」
「ほえー」
『もがーっ!』
『マスター危ない! いきなり横から予兆なしに巨大な半魚人が──』
「あちょ!」
僕は咄嗟に振り返った。
ガントレットの肘を当てる感じで……「とんふぁー!!」
そうしたら、パイルバーントレットというなりきりオモチャがキラキラ輝いた。
クリアパーツのトンファーが唸りを上げて、半魚人が繰り出してきた爪を粉砕!
『ウグワーッ!』
「とんふぁーつー!」
返すトンファーでひっぱたくと、巨大半魚人が海から吹き飛ばされ、キリモミしながら遠くまで飛んでいって爆発した。
『ウグワーーーーーーーーーッ!!』
「おおーっ! パイルバーントレット、すごい! 強い!」
※『君が使ってるからやで』『より強くあのオモチャが強いイメージが焼き付いてしまったぞ』『デタラメ過ぎるw』
そんな僕の後ろでは、サンダーがリズミカルにモンスターの集団をライトバーントレットで叩いている。
『条件を達成しました』
「うおーっ! スーパーレアパンチ!!」
ピカピカピカ!
シャキンシャキンシャキーン!
ライトバーントレット・シャイニングアウッ!!
なんか音も聞こえる!
次の一撃が、目に見える光の波動を纏って放たれたと思ったら……。
そこにいたモンスターたちがまとめて空中に弾き飛ばされた!
「追撃は任せろ! 行くぞみんな!」
『きゅーっ!』
空に向かってリストボウを放つ切崎さん。
その矢に乗って、カマイタチ三匹も空へ。
そして猛烈な勢いで回転を始めたと思ったら、竜巻になった!
竜巻が、モンスターたちを飲み込んでいく。
『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』
『これはマスター、ふうらいエレメンツにとっても大変ビッグなアピールになりますよ!』
「よし、じゃあ風神号も行っちゃおう!」
『えっ、私も?』
「星風! 来たね。これを風神号のペンダントに設置して……」
『う、うわーっ! 私の姿が変わる~!!』
変身だ、風神号!
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