第133話 うおー、明の写真が送られてきた!
しばらく、サンプルガッシーで遊んだ。
本物ガッシーがこれをつんつん突いて、すぐに慣れてペチペチ叩いたり手を取って一緒に踊ったりしている。
弟分ができちゃったな。
なんか聞いた話だと、こうやって愛着を持って接していると、ダンジョン効果で意思が宿ったりするらしいじゃないか。
本当に弟分になっちゃうか?
『もがもが』
「ガッシー気に入った? サンプルってもらえたりします?」
「いいですよ。三つありますから、一つくらい問題ないです。むしろあなたはガッシーのご主人様なんですから持っていって下さい」
「ありがとうございます! 良かったねガッシー」
『もがー』
喜んでる喜んでる。
そうこうしていたら、外から汗だくなルンテさんとリーシュさんが戻ってきた。
大きなビニール袋をぶら下げている。
あれは一体……?
「冷たいもの買ってきましたよー!」
外の暑さで、服が透けるくらい汗をかいてる二人を見て、あたしは思わず突っ込んだ。
「ユーバー頼めばいいのにー!」
リーシュさんが大きなビニールをドンと会議スペースに置いて、中から大きなペットボトルのお茶とかジュースが出てきた。
他にはアイスが山程……。
「やっぱ自分たちで運んでる方がテンション上がりません?」
タオルで汗を拭きながらリーシュさん。
これに、荷物を広げながらルンテさんが応じた。
「だよねー。それにしても、リーシュさんってお嬢様なのに自分でやることにこだわるよねえ」
「子供の頃は普通のオークだったから、自分でやってましたからねー。お父さんが議員になってからですよ、お嬢様扱いなんて」
「そうなんだー? 例えば社長とかはリーシュさんのこと、お嬢様扱いしたりしてくれない? あ、そっちはお姫様扱いでしたかねー?」
「ななななな!?」
「な、なにを言ってるんだいルンテさん!」
おっ、社長まで話に加わってきた。
「ルンテさんが凄くぶっ込んでいってる!」
「サンダー! 見た? ガッシーキーホルダー。凄いよねえ」
「見ました見ました。一個サンプルもらいました。ガッシーが一緒に踊ってる」
「おー、かわいいかわいい」
ルンテさん、即座に話題の方向を変えて、社長とリーシュさんの弁明を聞かないようにしたな。
流石エルフ、コミュニケーション巧者過ぎる。
社長、リーシュさんのお父さんのところに挨拶に行ったりするのかなー。
パラスさんがボソリと、
「社内がドロドロにならないなら幾らでも恋愛してもらっていいですけどねー」
なんて言うのだった。
さてさて、ルンテさんとリーシュさんが買ってきたジュースとお菓子で、軽い打ち上げみたいなことをする。
すぐに鳥乃さんと恵美奈がやってきて、これに加わった。
「うひょー! タダメシ!!」
「恵美奈が大変意地汚いことを言ってるぞ!」
「いいじゃないですかな!? 私はまだデビューしたばかりで、会社からお小遣いをもらって暮らしてる身なので……。いや、収益化はできたんでもうすぐお給料だと思いますが、ですよね? ですよね?」
「だよー」
社長の適当な返事。
まあ、すぐに金は入るでしょ。
恵美奈もなかなかの人気だし。
「意外なのは、うちの会社ってみんなお酒飲まないんですね?」
「日が高いうちは飲まないかな。いつ仕事の話があるか分からないしね」
「私もです。あんまり酔ったりしないけど、それでもお酒はオフになってからかなー」
社長もリーシュさんも大変モラルがある。
だから、ジュースを使った打ち上げなわけね。
ルンテさんが明に連絡を送ってるけど、反応はないみたいだ。
なんかしてるのかな?
その疑問はすぐに解消されることになった。
『ファノリーさんに水着選んでもらいました!』というタイトルで、明の写真が送られてきたのだ。
見て驚き。
「けっ、蛍光色のど派手なビキニ! 布地も少なめ! 明ぁーっ! あたしはあんたをそんな子に育てた覚えはありませーん!」
「サンダーが怒ってる! どうしたのどうしたの? あ、これね? あらー! かわいい! 可愛さとセクシーが同居してる奇跡のバランス! いいんじゃない、いいんじゃない? これは売れる」
ルンテさんの目が輝く!
いけない!
そ、その肉体は一応あたしの体でもあるわけで……!
というか、こんなメリハリがあるのか、今の体は。
何をどうやって仕上げたんだ……!?
隣にファノリーさんもいて、彼女はエキゾチックな小麦色のわがままボディだった。
そしてなんなんだ、このVの字型のエッチ過ぎる水着は!!
こんなものを配信に乗せたら、過激すぎて収益剥がれるぞ……!
戦々恐々とするあたしなのだった。
とりあえず、明がこれを配信に乗せていないのはよかった。
葉月さんが作ってくれた明の水着、その修正案くらいがちょうどいいところだろうと思う。
あたしは露出度が不必要に高いアイドルなんか許さんぞ……!!
「サンダーが頑固親父さんみたいになってる」
「あたしにはそれを言う権利がありますからね!」
なお、あたし以外の社員の皆さんには、明の水着は好評だった。
可愛いねーと言う話になり、恵美奈など、
「な、な、何を食べてどう運動したら、これほどちょうどいいプロポーションになれるのか……!? 私なぞ、腹があれですぞ、腹が……。ハッ、ま、まさかそれで、最近かざりんに出会うたびに彼女は私のお腹をつついてくる……!?」
そんな関係になってたのか……。
明は多分、恵美奈の事が好きなんだと思うけど。
いや、だがかなり遠慮しなくなってるな!?
「それは恵美奈の貞操が危ないかも知れないな……。あいつの腕力はあたしの八割くらいある。気をつけるんだぞ……」
「サンダーの八割って普通の成人男子よりパワフルってことじゃないですかー! いやー!」
「これはエイミー、かざりちゃんに水着きせられちゃうことになるかもねえ」
一人楽しそうなルンテさんなのだった。
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