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男女入れ替わりダンジョン配信!~元地下アイドルと落ちこぼれ退魔師、中身を交換したらお互いにとって最適な環境だった  作者: あけちともあき
刑部恵美奈デビュー計画

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第102話 宗教系の大学だと、いるもんだなあ、羽

 二階に登る最中に、三角形の覆面をかぶったシーツお化けみたいなのが襲ってきた。


「ぎゃぴー! お助けー」


「恵美奈、配信中なんだから凄い悲鳴出さない! あと主役あんたでしょ!」


※『すげえ声が出たw』『音割れすご』『この悲鳴が持ち味か!』『推せる』


 なんか好評だぞ……?

 冒険配信者リスナーはどうなってるんだ。


 疑問を抱きながら、あたしが前に出る。

 なんかもう、明も前にいた。


※『サンダー来た!』『かざりんも!』『後輩思いだ!』『うおっ! 三角覆面が武器を取り出したぞ!』『ブロードソードだ!!』


 西洋風の剣を振り回す!?

 だけど、得物を使うと言えば明だ!

 エコバッグからスーッと何かを抜き放つ。


 布製のメジャー!?

 文具店でお安く買えそうなそれが、びゃーっと伸びる!

 そして振り回されたブロードソードに絡みつくと……。


「ちょー!」


『ウグワーッ!?』


 そのまま三角覆面ごと床から引っこ抜き、ぶうんと振り回した!

 高い天井に、壁に、窓に、ガンガン当たりながら『ウグワーッ!?』と悲鳴をあげる覆面。


 落ちてくるところに、あたしが拳を構えて待ってたぞ!


「おららららららららーっ!!」


『ウグワワワワワワワーッ!!』


「あ、勝てそうな雰囲気? うっふっふ、それじゃあ私も。おりゃー! 思い知るんですぞー! 誰に喧嘩売ったか分かってるのかーっ!」


 横から恵美奈が、なんかウレタン製の棒を持ってきてポカポカ覆面を叩いた。

 これがトドメになって、覆面が『ウグワーッ』と崩れ落ちた。


 あれ?

 消滅しない?

 覆面を外してみたら、外人さん。

 どうやらこの学校の講師らしい。


 操られていたのかー。


 外で待っているルンテさんから、ショートメールが届く。


『ちゃんと本日の主役が決めてて偉い! その調子で』


「しっかり見てるなあ……」


 配信は、へっぴり腰になっている恵美奈と、その背中を押している明の姿を映し出している。

 Aフォンを使ってると、コメントが周囲の風景みたいにして流れていくんだけど……。


※『かざりんとエイミーの共闘だ』『かわいい』『いいですぞー』『かざりんの新しい技も見てしまったしな』『なんでメジャーだったんだろうな』『分からん……』


 まあまあ好評と、明の使った謎の技への疑問が飛び交っている。

 明、最近何かと勉強してたみたいだから、そこで新たな戦い方を編み出したのかも知れない。


 あたしもあたしで、新しい戦い方を身につけたしな。

 ふうらいエレメンツ、今飛翔の時!


 なんて考えてたら、飛翔繋がりなのか、二階の廊下が真っ白い羽で埋もれていた。


「ウギヤー! なんじゃこりゃー!!」


※『もう可愛い系のガワが剥がれてきた』『エイミーちゃんリアクション系だぞ』『とても好感が持てる』『いちいち悲鳴の本気度が凄いw!』


「ほらほらエイミー、先に行こう。一歩踏み出さないと何も分からない」


「ぬおおーっ! やめて! やめてくださいですぞー!! 私は! 安全圏から見ているのが一番性に合っていて、災の渦中に飛び込むのはちょっと……ウオォォォーッ!! 凄いパワーで押されてる! そのかわいい容姿のどこにゴリラパワーが眠っていたんですかなーっ!? ウグワーッ!」


※『エイミーちゃんが押し出された!』『かざりんがゴリラパワー!?』『画面だけじゃなく音声からの情報も多いな!』『あっ、エイミーちゃんが踏み込んだら、羽が舞い上がって……』


「なんかしてきたな!」


 羽がふわふわと舞いながら、視界を隠してくる。

 そして頭の中に何か囁きかけてくるような……。


『頭を垂れよ。我らが主はお前たちを見ている。お前たちは罪人である』


※『こっちにも聞こえてきた!』『なんだこれ』『ダンジョン化させておいて罪人とはなんだてめー』『やっちまえー!』モチョチョ『戻ってこれた。うおー! エイミーちゃんとかざりんの絡みたまんねえー! もっとぎゅぎゅっとくっついて乙女のいい匂いがしそうな絵を作って欲しい~!!』


『救いがたし。罪人たちよ、地獄にて悔い改めよ』


「なんか声が、コメントの民度に即ブチ切れたな」


「よく見る僕のリスナーさんの一言が後押しした気がする~」


「ひいー、やめて欲しいですぞー!!」


 羽が集まって、空中に幾つもの塊ができる。

 それは人間大のサイズで、手には武器を持った……。


「羽人間だ!!」


『天使である!!』


 あたしの言葉に、猛然とツッコミを入れてくる天の声。

 チャット欄がめちゃくちゃに受けた。


※『wwwwwww』『草』『笑うしか無いやんこんなんw』『サンダー脊椎反射でモノ言ってるw』『声さんげきおこw』


『殲滅! 殲滅する! 忠実なるしもべたちよ! 現れよ! 天の意思に背く者を罰せよ! これは聖戦である!』


 ここで、スーッとエコバッグから新鮮な大根を取り出す明。


「せ、生鮮です」


※『wwwwwww』『wwwwwww』『ジャパニーズジョークwww』『野菜wwww』『これは生鮮食品である(キリッ)』


『ムギャオー!!』


 あっ、天の声が発狂した!!

 そしてあちこちの扉が開き、たくさんの三角覆面が飛び出してきた。


 二階の廊下が、天使と三角覆面で溢れ始める!

 なんだかよく分からないが、このダンジョンはクライマックスっぽいぞ。

 大して奥まで進んでないのに。


「わ、わ、私の初配信で! なんでこんなとんでもない状況になっているのですかなーっ!? というか二人とも、なんで敵を煽るんですかーっ! ひいー、帰りたーい!!」


 恵美奈が切実な悲鳴を漏らすのだった。

 良かったな、絶対これバズるぞ!!

お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
メガネ先輩に注目してたけどかざりんの大ボケに引き戻されたー!恐るべし!きら星化!
>「せ、生鮮です」 煽りおるw しかも嫌味ではなく天然というw
かざりんのきら星化(?)がだいぶ進行しているような……でも聖戦に生鮮で返すあたりの技は初代にはない味だなぁ、良いぞ良いぞ♪
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