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龍鬼娘になったおれが賞金稼ぎしつつ、女子とイチャイチャする話  作者: ヒガシヤマ・スバル


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2 龍鬼娘・佐嘉龍希

「えーと、どこへ行くのですか?」

「海の下にある都へ」

「それって自殺ですよね?」

「あぁ、そうだな。自殺とも言い換えられるかもな」


 龍希は、再び海のほうへ向かって歩き出す。ヘーラーは慌てて止めに入るが、どう考えても悪いのはヘーラーなので、気にすることもない。


「自殺なんてしちゃダメですよッ! 意味がないじゃないですか!!」

「なら、おれを男に戻せ。そうしたら、生きてやるよ」

「あ、それは無理です。男性のときのデータ、消しちゃいましたから──ちょ、走らないでッ!?」


 いよいよバカバカしい。誰が女にしろ、と注文をつけた? このバカみたいな髪色の女が仕組んだのなら、余計に腹立たしい。あぁ、ムカつきすぎて吐きそうだ。


「わ、分かりましたよッ! 女性から男性へ戻すことはできませんが、代わりに能力を授けましょう! 貴方にふさわしい、素晴らしく強い能力を!」


 龍希は、ヘーラーを覇気のない顔で睨む。虫を見るような眼光だ。


「こ、怖いッ。怖いですよ、龍希さん!! 私に害虫みたいな目を向けないでください!!」

「害虫じゃなきゃ、アンタはなんなんだ? おれに付きまとう悪夢か?」

「違いますッ! 私は〝大天使〟です!」

「……もう良いよ。その素晴らしく強い能力を授けてくれ」


 よし、能力を手にしたらこの女をボコろう。そう決めた龍希は、ヘーラーの提案に乗ってみる。


「分かりましたッ! 貴方は〝龍希〟という名前なので、もう与える異能力、というか変身形態は決まっていますッ!」

「あぁ、そう……」


 もう予想がついてしまうのは、気の所為だろうか。

 ヘーラーは、龍希の頭に手をかざす。そして、奇妙な光が龍希を包み込む。

 そうすれば、

 龍希は、異様な力を手にする。龍希の推測が正しければ、おそらく……、


「はいッ! 〝龍鬼娘〟に変身できる力を与えましたッ! これで自殺をやめてくれますね!?」


 やっぱり、ダジャレだった。龍希は溜め息をつき、即座にヘーラーの首を掴む。「な、なんで……!?」と怯えるヘーラーに対し、龍の爪を首元にねじ込ませた。


「オメェ、馬鹿だなぁ。なんとなくだけど、話のからくりは見えてるんだぜ?」龍希は少しずつ力を強めていく。「まず、おれは異世界へ来た。それを仕組んだのはオメェで、おれの名前を見たオメェは勘違いし、おれを女へ変えた。おれの言ってること、あってるよな?」


 ヘーラーの顔がピンク色に染まる。髪色とぴったりで良いことじゃないか。


「おっ、悪いな。首ィ絞められたら会話なんてできねェか。ほらよ」


 龍希は、持ち上げていたヘーラーを地面に叩き落とす。ゲホゲホと咳き込むヘーラーの頭を踏みつけ、龍希はサディスティックな笑みを浮かべる。


「ここの仕組みを洗いざらい教えろ。でねェと、また苦しい思いするぞ?」


 *


「アンゲルス連邦共和国。イギリスとフランス、スペインの間にある島国で、本国の国土はアイルランドほど。GDPは世界第7位で、人口は5000万人弱。〝魔術と技術〟を売りにする国家で、世界中から魔力のある人間を集めている、ってか」


 ヘーラーの説明を、一旦口語にしてまとめてみる。おかしな国だ。少なくとも、龍希が生きて死んだ世界には存在しなかった。


「そしておれは、銀髪翠眼で20代前半の女。龍鬼モードに変身もできるけど、普段のままでも腕力は十二分。龍鬼娘になれば、ビルやマンションくらいなら片手で吹き飛ばせるわけだ。少年漫画かよ」


 ヘーラーは、脂汗を垂らしながら頷き続ける。どうやら、先ほどの首絞めが効いたらしい。男だった頃、女に手をあげるなんて最低だと思っていたが、今の龍希は女だからまぁセーフだろう。

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