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勇者たちのそばに偶然居合わせて異世界召喚されたら、無能はいらぬと島流しに。流刑地で覚醒した俺は島おこしで世界征服をする  作者: ほさ


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新たなる仲間

「あのバカ女神め。本当にドジを踏んだな」

オウが呆れたようにそう吐き捨てた。

ここはアリスティアにある塔の会議室。

「女神がいなくなったところでワシたちに関係あるのか?」

ボンドが疑問を口にする。

「イリスは人間に肩入れしておると言っても世界のバランスを司っている神だからな。その弊害がどう出るか我にもわからん」

そう言うと、オウはさらに言葉を続けた。

「封印したイリスの力を使ってカオスを復活させる贄にするんだから、カオスは封印前よりも手のつけられない存在になるであろうな」

「俺が動けていれば……」

奏多が悔しそうに呟く。

「無駄だ。そのベノムとか言う魔神は相当な策士のようだ。おそらく、主と勇者をぶつけてイリスが来ることまで考えていたのであろう」

「ベノム……」

奏多は小さくその名を呟いた。

同じ魔神将であるバロンとは比べものにならないほどの圧倒的な威圧感。思い出しただけでも思わず身構えてしまうほどだった。

そんな奏多の様子を見て、オウが不敵に笑う。

「安心しろ。今の主ならイリスや我、竜神くらいでしか太刀打ちできないであろう」

「そういえば勇者たちは無事なんでしょうか」

アリスが心配そうに尋ねる。

「イリスが無事と言ってたから大丈夫なはずだ……」

奏多が答える。

「だが、その勇者たちがカオスを倒す可能性はほぼなくなってしまったというわけじゃな」

クルスが静かに現状を分析した。

その時だった。

「奏多殿〜。久しぶりだねえ!」

アルマが勢いよく部屋に飛び込んできた。

「わぷっ」

いきなり抱きつかれた奏多は、その勢いのまま後ろに倒れ込む。

「あっ! アルマさんちょっと!」

アリスが慌てて引き剥がそうとする。

「いいじゃないか〜。ずっとアリスティアに帰ってこないんだから〜」

アルマは名残惜しそうにしながらも、奏多から離れた。

そして「あーんもう」と口を尖らせた後、真面目な顔になって言った。

「おふざけはこれくらいにして、ちょっと外に出てくれないかい?」

「ん?」

奏多が首を傾げる。

全員がアルマに促されて外に出た。

すると、外は昼間であるはずなのに、まるで夜のように暗かった。

「これはまさか……」

ゲルドが呟く。

一同が上を見上げると、巨大な島がアリスティアを覆うようにして上空に浮かんでいた。

そこから手を振りながら、派手なアロハシャツを着た男が飛んでくる。

「よー! 奏多! 久しぶりだな!」

陽気に降り立ってきたのは竜人のドラコだった。

「ドラコ! 何しに来やがった!」

奏多がすかさず身構える。

「そんな身構えるなって! 俺たちの仲だろ?」

ドラコは気安く肩を組んできた。

「ちょ、離せって! いつからそんなに仲良くなったんだよ!」

奏多が拒絶するが、ドラコは「いいじゃねえか! ガハハ」と豪快に笑い飛ばした。

続けて、ドラコが本題を切り出す。

「聞いたぜ? 女神のやつが封印されたらしいな? 竜神様がニヤニヤしながら言ってたぞ」

「笑い事じゃねえだろ」

奏多が冷たく返す。

「ま、そうだな」

急に真面目な顔になるドラコ。

「女神が封印されて世界のバランスが崩れていくだろう。それにな、アインシアの動きがどうもおかしい……」

「おかしい……?」

奏多が聞き返す。

「ああ。ドラゴニアはアインシアと定期的に連絡を取り合ってるんだが、それがこの間途絶えたんだ。それに潜入させてる隠密部隊からも連絡が来ねえ」

「なにかが起きてるってことか……」

奏多が呟く。

「おそらくカオスの手が及んでる可能性があるな」

オウが言った。

「まさか勇者たちや私たちの知り合いにも……」

アリスが不安を募らせる。

「何が起きててもおかしくはねえなあ。どうする?」

ドラコが問いかける。

「決まっている。アインシアに行くぞ」

奏多が即答した。

「よし! じゃあ早速行こうぜ!」

レトルが意気揚々と声を上げる。

「レトルよ。お前はここに残れ」

突然、オウが冷たく言い放った。

「はあ?」

レトルが聞き返す。

「お前魔神に負けたらしいな?」

「あ、それはーー……」

レトルが言葉に詰まる。

「お前も気づいているであろう? 主とアリス、その2人の足を引っ張っていることを」

その言葉に、レトルは悔しそうに唇を噛み締めた。

「レトル……」

奏多が声をかける。

「……ああ、わかってるよ。俺だって2人に追いつけるようには修行をしてきてるけど……」

レトルがうつむく。

「ふん。安心しろ。我が修行をつけてやる」

オウが笑顔で言った。

「え? オウが?」

レトルが驚いて顔を上げる。

「お前はもう普通の異人の域を超えている。それ以上の成長を望むと言うのなら、我の修行でなければ上へは行けぬ」

レトルは覚悟を決めた。

「……わかった。俺に修行をつけてくれ」

「うむ」

オウが頷く。

「……じゃあ俺とアリスだけでアインシアへ行こう」

奏多が言った。

「そうですね」

アリスもそれに返す。

「おいおい、何があるかわからないところに2人だけでいくのか?」

ドラコが口を挟む。

「そうだ。なにかあるのか?」

奏多が聞き返す。

「なにかってそりゃあ……」

ドラコが言葉を濁すと、アルマが横から付け加えた。

「あんた行きたいんでしょ」

「ええ!」

思わず叫ぶアリスと奏多。

「俺たちは今同盟なんだ。俺様が一緒についてってやる」

ドラコが胸を張る。

「うむ。面白いなそれは」

オウが面白がった。

「はあ? お前本気で言ってんのかよ、オウ」

奏多が呆れる。

「うむ。こいつは竜神の加護もあるしな、強さなら主がよく知っておるだろう?」

「そ、そうだけど……」

奏多は渋々認めるしかなかった。

「ガハハ! よし! 決まりだな! よろしくな奏多! それにアリス!」

ドラコが笑う。

「よろしくお願いします! ドラコさん!」

アリスが元気に答えた。

「アリス……お前まで……」

奏多がため息をつく。

こうして、新たなパーティとしてアインシアへ向かう奏多たちであった。

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