空っぽの器、港を作る
「まさか、島全体を覆うこれほど立派な結界を一人で作り上げるとは……」
クルスが感嘆の声を漏らし、透明な空を見上げる。
「わしらの出番はなかったがのう」とボンドが豪快に笑うが、奏多は首を振った。
「そんなことない。ドワーフの知恵が必要だったんだ。それに……」
と言いかけたその時、「おーい!」と作業場の方からドワーフの一団が駆け寄ってきた。
「奏多殿! 良い船に仕上がったぞ!」
その言葉を聞いて、奏多はニヤリと笑う。
「……そう、ドワーフたちには、俺が作ったあの舟を改良してもらってたんだ」
「えっ!?」とアリスが目を丸くした。
「奏多殿から、アリス様には内緒にするよう言われておったのですよ」
「驚かせたかったからな。にしても、完成が早すぎて俺もビビってるよ」
奏多の言葉にアリスは納得がいかない様子で詰め寄る。
「早すぎます! だって、舟で帰ってきたのついさっきですよ!? クルスおばあちゃんを呼びに行く時間くらいしか経ってないのに!」
「わしたちドワーフにとって、久々の大仕事じゃからの。気合の入り方が違ったんじゃよ!」
ボンドが胸を叩く。
「ありがとう。それじゃあ、完成した船を見に行こうか」
一行が浜辺に向かうと、そこには劇的な変貌を遂げた舟が鎮座していた。
先ほどまでただの簡素なボートだったものは、木の温もりとドワーフの金属加工が融合した立派な「船」へと進化していた。中で休息できるキャビンが備わり、側面には護身用だろうか、簡素ながらも頑丈そうな砲台まで設置されている。
「これが、さっきの舟と同じものなの……?」
「俺も驚いた……これなら遠出しても疲れないな」
「はい! もっと遠くまで探索に行けますね!」
目を輝かせるアリスの横で、ボンドが顎をさすりながら呟いた。
「あとは、港なんかを作れば本当にそれっぽくなるんじゃがな……」
「港か……」
奏多は少し考え、おもむろに海辺へ手をかざした。
「――スキル【創造都市】!」
瞬間、浜辺が激しく鳴動を始めた。
ゴゴゴゴゴ……!
砂が意思を持ったかのようにうねり、形を変えていく。盛り上がった土砂は強固な石材へと質を変え、瞬く間に巨大な波止場と、船を収容するための立派な施設が姿を現した。
「お、おおお……」
ドワーフたちも、クルスも、あまりのスケールの大きさに声も出ない。
静まり返る一同に、奏多は満足げに振り返った。
「どうだ? それっぽくなっただろ?」
「「やりすぎじゃーーーっ!!!」」
クルスとボンドの完璧なシンクロ突っ込みが、完成したばかりの「アリスティア港」に響き渡った。
なんか思ったものが書けなくて話が進まない…




