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勇者たちのそばに偶然居合わせて異世界召喚されたら、無能はいらぬと島流しに。流刑地で覚醒した俺は島おこしで世界征服をする  作者: ほさ


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巨竜対巨竜

『――スキル【竜化】を獲得しました』

『――空きスロットにセットします』

無機質なシステムメッセージがステータス画面に表示され、奏多の脳内に直接響き渡る。

「よし……。とりあえず【竜化】のスキルは獲得したぞ」

奏多は自身の両手を見つめながら呟いた。

「相変わらずすげえなお前。じゃあさっそく、竜化を試してみろよ!」

ドラコが期待に満ちた目でニカッと笑う。

「ああ……。――『竜化』」

奏多が静かにそのスキル名を口にした、その瞬間だった。

バキ……バキバキバキッ!!!!

凄まじい音と共に、奏多の全身の骨が異常な角度で折れ、組み替わり始める。人間の器では到底耐えきれない、上位種族の肉体への急激な変貌。

「うっ……! ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」

あまりの激痛に、奏多はその場にのけ反って絶叫した。

「おら! 気をしっかり持ってねえと、ただ暴れるだけの意識のねえ怪物になっちまうぞ!」

ドラコがすかさず一喝する。しかし、肉体の変貌の衝動は奏多の理性を瞬く間に侵食していく。

「うう……う……ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉォォッ!!!!」

奏多の口から漏れたのは、もはや人間のそれではない、地響きのような野太い咆哮だった。

「ふぅ……ふう……ウオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!」

奏多の両腕が、筋肉と骨を膨張させて何十倍もの大きさに膨れ上がる。続いて両足、そして胴体までもが着ていた服を完全に破り捨てて肥大化し、背後からは大樹のような巨大な尻尾が勢いよく生え変わる。

体毛は一瞬にして抜け落ち、代わりに眩いばかりの『黄金の鱗』が全身を隙間なく覆い尽くしていった。

そこに現れたのは、神話から飛び出してきたかのような巨大な黄金の竜。

「ウオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!」

世界の狭間の空間を激しく震わせる、耳をつんざくような咆哮が響き渡る。

「おい、奏多。聞こえてるか?」

ドラコが様子を伺うように声をかけた。

――その刹那だった。

バキィィィンッ!!!!

「ぶっ……!?」

ドラコが反応することすらできない超神速。黄金の竜となった奏多は、凄まじい速度で横から何らかの質量を叩きつけられ、ドラコの巨体が派手に吹き飛んだ。

奏多はそれを見据えながら、「ウオオオオオオオオオッ!」とドラコをなぎ払った巨大な黄金の尻尾を不気味に揺らめかせる。その瞳に理性はなく、混沌とした野生の闘争本能だけがギラギラと輝いていた。

「くっ……。奏多のやつ……おもしれえじゃねえか。完全に意識がなくなってやがる……!」

壁に激突し、フラフラと頭を振りながら立ち上がるドラコ。だが、その顔には恐怖ではなく、最凶の強敵を前にした時の獰猛な笑みが浮かんでいた。

「へっ」

ドラコは不敵に笑うと、獰猛に呪文を紡いだ。

「――『竜化』」

「ウオオオオオオオオオッ!!!!」

空間を圧する怒号とともに、ドラコもまた、肉体を一気に膨張させて赤黒い巨大な竜へと姿を変えた。

「お前とは、まだちゃんとやり合ってなかったからな……!」

巨大な赤黒い竜となったドラコが、五肢を地につけて低く唸る。

「いくゾォ!!!!」

叫びながら、ドラコが黄金の竜へ向かって猛然と飛びかかった。

奏多は本能のまま、先ほどと同じ軌道で、空間を切り裂くような凶悪な尻尾をドラコへと叩きつける。

バシーンッ!!!!

凄まじい衝撃波が巻き起こる。しかし――

「ふっ。どうした? もっとこいよ!」

ドラコは一歩も退いていなかった。奏多の超重量の尻尾を、赤黒い巨大な両手で正面からガッシリと受け止めていたのだ。

「ウオオオオオオオオオッ!」

自分の攻撃が止められたことに苛立つように叫ぶと、奏多はバッと大きな翼を広げ、空中に飛び上がって後方へと大きく距離を取った。

「次は、何をする気だァ?」

ドラコが視線を上空へ向ける。

奏多は空中を滑空した状態のまま、その巨大な顎を開き、口の前に莫大なマナを急速に集中させ始めた。

ジリジリ、チリチリ……。

空間の水分が一瞬で蒸発し、周囲の温度が異常なほどに跳ね上がっていく。

「そうくるなら、俺もだッ!」

ドラコもまた、負けじと喉の奥から赤黒いマナを練り上げ、口の前に集中させる。

二体の巨大な竜の口から、同時に極大の炎のブレスが放たれた。

黄金の炎と赤黒い業火。二つの絶技が両者の真ん中で激突した瞬間、世界の狭間の空間を真っ白に染めるほどの、凄まじい大爆発が巻き起こった。

ドゴォォォォォォォォォォンッ!!!!

シュウウウウウ……。

激しい熱波の後に、もうもうと立ち込める爆煙。

その煙の中から、まず姿を現したのは奏多だった。彼は無傷のまま、黄金の鱗を一切曇らせることなく、優雅に空中で羽ばたき続けている。

一方、地上にいたドラコの方は、全身の皮膚が激しく焼け焦げていた。自慢の赤黒い鱗が熱量に耐えきれず、パラパラと灰のように地面に落ちていく。

「さすがは奏多だ……。意識を失ってなお、これほどの出力を出すとはな……っ」

ドラコは痛々しく息を荒くしながらも、その瞳の奥の闘志をさらに燃え上がらせた。

「だがな……! まだまだ、足りねえぞッ!!」

ドラコが吼えた瞬間、彼の残っていた古い鱗がすべて一斉に剥がれ落ち、内側からさらに強固で禍々しい『新しい赤黒い鱗』が急速に生え変わっていった。肉体の限界を超えた超再生。

「まだまだ、やろうぜ……っ!!」

闘争心を極限まで滾らせたドラコが地を震わせる。

「ウオオオオオオオオオッ!!!!」

それに呼応するように、空中の黄金の竜――奏多もまた、さらに激しい咆哮を上げて空間を威圧するのだった。

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